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法隆寺が好き。これほど謎を秘めた寺院はないからね…『隠された十字架』を紹介します【図書紹介】

秋の夜長にお勧めしたい本「隠された十字架」梅原猛

 

かなり古い本なのですが(初版 昭和五十六年)。ワタシは若い頃、広告代理店にいた。昼休みに先輩と何故か歴史の話になり、流れからこの本を読む事を薦められた…何故だ??

 

そんな単純な経緯で、新潮文庫版を買ってはみたものの、その驚愕内容と学者文体に何だか恐れをなし、狼狽え中途で書架封印してしまった。

 

「あぁ、若かったねェ」

 

その後、ふと思い出してゆっくりと読み込んでいった。

 

「恐れる必要など、何も無かった」

 

怨霊信仰の“法隆寺論”でしかない。そして“よく出来た小説”なのである。作者は高名な哲学者ですが、日本史からのアプローチにより日本人の精神を探ろうとした、初期の頃の著作です。

 

内容はネタバレになるので詳しくは書けませんが、梅原さんが伝えたかったコトは、たぶんココ→「私はこの原稿を書きながら、恐ろしい気がする。人間というものが恐ろしいのである。(本文464P)」と述べています。

 

法隆寺聖徳太子にまつわる謎解きの体をとりながら、その反射作用で我々日本人の奥底に睡る“闇の精神”を炙りだそうとしたのではないか、と想われます。


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何度も読み返し手垢もつき、かなり薄汚れてしまった。でも今も、ずっと書架のセンポジ位置に存在している。また、過去一時期、奈良や法隆寺詣でしていた時期があった。

 

その時には何時も鞄の中にあった本なんですよ。旅の色々な想い出まで染み付いている。

 

秋の夜長にピッタリの「知的冒険の本」ですよ。

 

いちど読まれてみては、どうでしょうか。

 

<梅原猛 略歴>

青年期には「西田幾多郎田辺元ら京都学派の哲学」に強く惹かれ、1945年京都帝国大学 文学部哲学科に入学。進学直後徴兵され、敗戦後九月に復学を果した。

最初の論文「闇のパトス」は哲学論文の体裁をとらず不評。二十歳代後半、強い虚無感に襲われ破滅的な日々を送る。ハイデッガーの虚無思想を乗り越えるべく「笑い」の研究を目指す。

自己の暗さを分析して「闇のパトス」を書き、その一方で人生を肯定するために「笑い」の哲学を目指す。寄席に通い渋谷天外藤山寛美大村崑などを研究対象として論文を書いた。

三十代後半から日本の古典美学への関心を強め「壬生忠岑『和歌体十種』について」という論文を書く。その後は神道・仏教を研究の中心に置き、多くの著作物を記した。

西洋哲学の研究から出発したが、“西田幾多郎を越えるという目標”を掲げ「人間中心主義への批判」を唱える。西洋哲学者信奉者が多い日本の哲学界で、異色の存在である。

 

作品紹介

 

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

 

 

例えば「隠された十字架」をたずさえ、法隆寺を訪れてみてはどうでしょうか?
そして観光客が引けた夕方頃。ベンチに座って茜に染った五重塔を眺めれば…
きっとアナタの心に響くものがあると思いますよ。 

 

おまけ/美しい法隆寺の紹介です。

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