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最高傑作!🎥 第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』見どころ三選【大好きな映画⑪】

第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」街宣ポスター


男はつらいよ 寅次郎相合い傘』みどころ三選

 

まずはコレ!その⇒抱腹絶倒「寅さんメロン騒動記」の巻

 

寅ファンに、「抱腹絶倒シーン」と高評価される「メロン騒動」ネタです!

まず、この話の前段として。

寅さんが青森、北海道で蒸発サラリーマン兵頭氏の世話をした。その兵頭(船越英二)、リリーと三人一緒に楽しく北海道放浪旅を果たした。

それでそのお礼にと、兵頭氏より高価な「マスク🍈メロン」をもらったという経緯があった。なので基本「メロンの所有権は寅さん」にある。

保管場所はとらやの冷蔵庫だから、管理責任者はオバちゃんとなる。そんな状況でスタート。

ひょんなことから北海道旅した三人組

さて「とらや一家&リリー」が、茶の間で遊んでいます。この時、なぜか寅さんは外出中。おばちゃんは冷蔵庫を覗き、メロンを取り出した。

オバちゃん「う~ん。い~い匂い!」

さくら「あらっ、メロン切るの?」

オバちゃん「うん。リリーさん来たから、丁度いいだろ」

さくら「うわぁ、何年ぶりかしら・・」

わざわざ指折りしながら人数の確認した。答え「六人だねっ!」とキッパリ断言する。

そして喧嘩にならないように、慎重に「六等割に切り分け」ねばならない。これはとても難しい作業で、どうしても数ミリ程度は誤差(喧嘩のタネだよ)が出てしまう。管理責任者の「超絶技巧」が問われるのです。さぁ、責任重大だよっ!

オイちゃん「喧嘩しないように、公平に切れよぉ~」と、念押しする。

オバちゃん「それが、難しいんだよっ!」と、応えていますね。

そして無事分割作業はおわり、茶の間へ運搬する。さてさて。

「さぁ、頂きましょうか」

それぞれがまず、ひと口パクリ食す。「う~ん、美味しい♡」とか「ウマいっ♪」なんて思わず口に出る、幸せな時間ですよねぇ~♪

愉しい茶の間の団欒が始まりィ~と、思いきや・・・店先で何だか“聞き慣れた声”がするのだ。ありゃりゃーこれは・・

「相変わらず、バカか・・?」

寅さんがスィと、とらやへ戻って来た。

一転、凍りつく茶の間!😱ひぇ~💧

オバちゃん「あらいけないっ、寅ちゃんの分、忘れちゃった!」

さくら「勘定に入れなかったの?」

オバちゃん「うっかりしちゃって、どうしよぅ~」

もう全員がキョドって、オタオタしだす。

さくら 「どうしようって・・」

ひろし「隠しましょう(小声)」

オイちゃん「隠すって、どこぇ(ボソッ)」

そこにやけに上機嫌の寅さんが茶の間へ上がって来た。みんなの顔をニコニコながめ回している。愛しのリリーしゃんもいるしね。

茶の間に奇妙な緊張がはしる、さぁこれには困った!とらやファミリー演者の「絶妙な表情」にご注目!

寅さん「メロン、美味しいかい?」

さくら「うっ、うん…」

寅さん「よしっ!じゃお兄ちゃんもひとつもらおうか。じゃ、出してくれよっ!オレの…(メロンを)」催促するのです。

さぁ、困った。ドタバタの始まりィ~!(もう😫💦助けてぇ~ぇ~)

▷リンク/「🍈メロン騒動」このシーンの続きは、ぜひ動画でどうぞ!

youtu.be

 

次に、ココ!その⇒涙腺崩壊「涙なみだの寅アリア披露」の巻

 

リリーしゃんが出演しているキャバレー「ゴールデン歌麿」まで、エスコートしたが、しょんぼりして帰ってきた寅さん。

家人に「おかえりなさい」と声かけられたが、「ハァ・・・」と溜息ひとつ、様子が変だった。寅さんいわく、リリーが出演するというキャバレーは「場末の小さな店でババァばかりで、とらやより店の規模が小さかった」という。

上框(あがりがまち)に腰をおとし、ポツリポツリと語り出す。

寅さん「あ~ぁ・・オレにふんだんに銭があったらなぁ・・・」とこぼす。

さくら「お金があったら・・どうするの?」と問いかえす。

寅さん「リリーの夢を叶えてやるのよっ!」

寅さん「例えば、どっか一流劇場。歌舞伎座とか、 国際劇場とか、そんなトコを一日中借り切ってよ、アイツに好きなだけ歌を、唄わしてやりてぇのよぉ・・」

さくら「そんなに出来たらリリーさん、喜ぶだろうね!」

さくらは、ホント嬉しそうに聴いている。

寅さん「ベルが鳴る。場内がスーッと暗くなるなぁ・・皆様、たいへん長らくをば、お待たせをいたしました!只今より歌姫、リリー松岡ショーの開幕でありますっ!静かに緞帳が上がる・・スポットライトがパァーッ!と当たってねぇ。そこへ、まっ白けなドレスを着たリリーが、スッーと立ってる!」

寅さんスクッと立ち上がる。

寅さん「そりやぁ、いい女だよぉ~!ありゃ、それでなくたってほら、様子がいいしさ。目だってほら、パチッとしてるから、映えるんですよっ、ねぇ!客席はザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワってしてさ。綺麗ねぇ~、いい女だなぁ!よっ、リリー!待ってましたっ、日本一!やがて、リリーの歌がはじまる・・」

「♪ひとりぃ~酒場でぇ~飲む酒はぁ~ぁ~」美声で唄う寅さん。

寅さん「ねぇぇぇ・・客席はシーンと、水を打ったようだよ。みんな、聴き入ってるからなぁ・・お客は泣いてますよぉ・・リリーの歌は悲しいもんねぇ。やがて歌が終わる。花束、テープ、紙吹雪。ワァ~ッ!と、割れるような拍手喝采だよぉ・・あいつはきっと、泣くなぁ・・あの大きな目に、涙がいっぱい溜めてよぉ・・」

茶の間にクルリと背を向け、上框に腰を下ろす寅さん。想いが溢れてせなで語る。

「いくら気の強い、あいつだってきっと・・泣くよぉ・・」

寅さん力なく涙を拭っていたが、照れ臭いのか「このへんで御開に」と二階へ上がってしまう。

さくら「リリーさんに、聞かせてあげたかったなぁ・・いまの話」

しみじみ・・さくらに、思うとろあり。

▷リンク/『悲しい酒』By美空ひばり
https://youtu.be/zi1yedKi3FE

 

最後は、ココ!その⇒「寅&リリーしっぽり♡相合傘」

 

帝釈天参道に雨が降っている。寅さん、とらやに小走りで舞戻ってくる。やはりリリーが心配だった様子。

さくら「あっ!なんだ。そうか、お兄ちゃん。リリーさんのこと心配で、わざわざ来たの?」瞬時に見抜いた!

寅さん「心配じゃないよ、バカァー!ただオレはねぇ、あいつが駅から帰ってくる途中でよ、雨なんかにあって風邪でもひいてみろお前、えっ?肺炎起こしてみろっ、こんなにカリカリに痩せてるんだから、死んじゃうぞっ!」

早くもさくらもオバちゃんも、寅さんが“帰ってきた意図”が分かり、ニコニコしている。😙ふふ

さくら「わかった!じゃあ、お兄ちゃん。ほら、迎えに行ったげて・・」と、番傘をスっと差し出す。

うん、いい妹だね。

まさに愚兄賢妹の図。

寅さん「なんで?どうして?オレが行くんだよ・・おまえ行けよぉ~ほまぇぇ~」

さくら「だって私、もう帰るんだもん」

寅さん「おまえ、行けよぉ~☆」

さくら「ほらっ、お願いよ♡迎えに行ってあげて」

しかし、さくらが手渡すのは、番傘一本だけなのだ。これなっ🤭ぷぷっ

寅さん「そうかぁ・・?いやになっちゃうな。オレ雨降り、嫌いなんだよな。あ~ぁ、帰ってくるんじゃなかったい」と背を丸め、店を飛び出す。

柴又駅前、雨にあたられた乗降客は、傘を拡げ帰る。そこに所在なさげに、リリーの姿もあった。

ふと眺めていると、駅前のうす暗い場所で、寅さんがあさっての方向むき、番傘さし立っていた。

見つけたっ!これは嬉しくて仕方ない。勢いよく駆け出し、寅さんに抱きつくリリー。

リリー「きゃあ、はっ!」

寅さん、突然の相合傘状態。緊張で顔がこわばっている。目線はあくまで前!

リリー「迎えに来てくれたの?!」

寅さん「バカやろうぅ~散歩だよ」

リリー「フフッ・・雨の中、傘さして散歩してんの?」

寅さん「悪いかい?」

リリー「濡れるじゃない」

寅さん「濡れて悪いかよぉ」

リリー「風邪ひくじゃない」

寅さん「風邪ひいて、悪いかい」

リリー「だって。寅さんが風邪ひいて寝込んだら・・私、つまんないもん」

参道をしっぽりと往く、相合傘の二人…☂️俯瞰。

 

~チョコっとだけカイセツ~

相合傘の関係者試写の時。リリーこと浅丘ルリ子さんは、この「寅アリア」パートに感動して、大粒の涙を流したらしい(普通、演者が出演作を観て泣くことは滅多にない)。余程、感極まったのだろう。そ~んな逸話まであるのです!

○さくらは「リリーさんがお兄ちゃんの奥さんになってくれたら、どんなに素敵だろうな」といった。リリーは真剣な顔で「いいわよ。あたしみたいな女でよかったら」と応えた。

○結局『あいつは頭のいい、気性の強い、しっかりした女なんだよ。俺みてえなバカとくっついて、幸せになれるわけがねえだろ?』と寅さんは、さくらに言う。

観客は「うーん、何故だ?」と、ヤキモキするね。

「私こんなに楽しくご飯食べたの、何年ぶり」

○『あいつも、俺と同じ渡り鳥よ。腹すかせてさ、羽根怪我してさ、しばらくこの家に休んだまでのことだ。いずれまたパッと羽ばたいてあの青い空へ。なっ、さくら、そういうことだろう・・?』ということで、次作へ繋ぎます。

○俗に「リリー三部作」と呼ばれている『11作 忘れな草▷15作 寅次郎相合傘▷25作 ハイビスカスの花』この三作を連続で観ると、実に心地良いリズムを保っていることが判ります!是非まったりとご覧あれ!!

🎥 1975年8月2日公開(収録時間90分)

渥美清…車寅次郎 寅さん○倍賞千恵子…諏訪さくら○下條正巳…車竜造 オイちゃん○三崎千恵子…車つね オバちゃん○前田吟…諏訪博 ひろし○太宰久雄…桂梅太郎 タコ社長○佐藤蛾次郎…源公○中村はやと…諏訪満男 みつお○船越英二…兵頭謙次郎 パパ○浅丘ルリ子…リリー松岡

‪- ̗̀🐯 ̖́-映画「男はつらいよ」シリーズを再考す。

寅さんは流しのテキ屋。一般人からすれば、単なる「893なアニキ」だ。日本各地を気ままに旅し続ける。その一方で、柴又で暮らす人々は「地道な生活」する人々。全シリーズ通して、この対軸構造で描かれています。

そして、寅次郎と柴又住民は対立はするが、同時に共存関係も成立させ、人間関係を熟成させてゆく。これ思えばおかしな世界観で、現実的にはもう有り得ないファンタジー世界だ。例えれば御伽噺や落語世界だね。

このとらやの人々は、寅さんの突飛な「お持ち込み案件」に戸惑い、大騒ぎもする。でも何かと知恵をしぼり、困った人々の力にもなる。そして普段つまんない日常生活では、到底経験出来ない「出来事」を目撃し、それを共有する。

これが「男はつらいよ」全シリーズを貫いている、いわば“人生哲学”と呼ぶべきコンセプト…

日本人が愛してやまない世界観なんですね!

(4500文字、Please enjoy “Tora-san's” movie!) 

お題「ゆっくり見たい映画」