お話し
「恐怖のツリデート」 by 稲川淳三 わたしのチョットした知り合いでね。タカシくんっているんですよぉ、その恋人が彩乃さん。ある時二人はクルマに乗って、海釣りに出かけた。場所は和歌山。天候にも恵まれて、釣りするにはいい場所だぁ。 その帰り道中の出来事なんで…
たかしと彩乃のストーリー 前編 たかし突然の引越し 和歌山の田園地帯がドドォーンと拡がる。小さな農村のその夕暮れたあぜ道。たかしの何気ない一言から始まった。 「ワイ、東京へな、行くことになったんやけど…」 彩乃はその言葉に驚いて足を止める。彩乃は動揺し、…
☆登場人物☆ ▷ボーマン大吾(だいご) 宇宙ステーション勤務の冴えない中年男。理系で真面目で、でもどこか抜けてる。 ▷お春(OHARU9000) 自宅AIハウスキーパー。冷静沈着で超高性能型。最近ちょっと冷たい倦怠期? ▷語り手 たまに状況補足する。 ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑……
第一夜 高野の鐘の音は・・ 女人堂とは、高野山女人禁制により女性が山内に入ることができなかった時代につくられた籠もり堂のことです。各女人堂をめぐる結界に沿ってつくられた参詣道が女人道。昔は高野山の街道の七つの入口にそれぞれ女人堂あり、女性たちは離…
最終章 人跡未踏な 奥様は18歳JK 春眠不覺曉。夜来より雨上がり、山々に鶯が鳴き、春の煌めく朝日が刺す。風に揺らめくカーテンの隙間から差し込む柔らかな光が、ふたりが住む部屋をゆっくりと照らしていく。といってもそこは、玲奈お姉さんが遺していった改造…
禁断の結婚式クイズ 開宴! ボーナスステージの松明にポンポン火が灯る。地鳴りするような太鼓が、ドドドッ鳴り響いた。どこからか流れてくる雅楽。鬱蒼とした森の奥、巨大な赤い鳥居とその前に鎮座する二つの夫婦石。 手作り感溢れるネオン看板が架かる「最終儀式 …
肆章 結界儀式☆クイズ煉獄 テン「バカップルさ~ん、ハァイ、いらっしゃいィ~!あ、この世は煉獄、天国地獄なんてありゃしませんて、ねっ?ようこそだっぺぇえぇ~!!」 自分でパチパチ拍手しながら、妙チキリンな奴が登場してきた。二人その変声には何故か抗えない…
参章 深淵を覗く時 深淵もまた… たかしは暗黒空間に深く沈み続けながら、来し方を想い出していた。今迄に喪っていた“マダラ記憶”が、クリアに蘇ってくる… ~たかしモノクロの回想~ あれは確か、夏休みの最終日。あれほど煩かったセミの声も、めっきり少なくなった…
弐章 図書館の夜は 絶望の暗闇の果て 優斗に絡まった白糸を解くのにずいぶん苦労はしたが、彩乃と二人で協力して日没までに、何とか解くことが出来た。ヤツはずいぶん疑ってきたけど「これは手品でも何でもなく何らかの怪異現象だ」と説得したのだが。すると「そん…
壱章 まさに蜘蛛の糸を掴む話 平成✕✕年。県立矢利寿木高校の新学期が始まった。春は出逢いと別れの季節という。校庭の桜は既に葉桜となり、たかしは高校二年生になった。 新担任の紋切り挨拶を聴き流し、座るべき席を適当にくじ引で決め、誰もやりたがらない学…
先日のコトです。ふと気づいてみると、ワタシは何故か、光輝く宇宙船内にいたのです。そこでは、変な薬品の臭いもしました、きっとこれはエーテルです…たしかにそこには、何らかの“大いなる存在”が船内を移動していたのですが、不思議なことに「まったく音が聴こえな…
ある暑い夏の日のことでした。キリギリスは、バイオリンを弾き歌を唄う♪ミュージシャンでした。アリは、一生懸命に荷物を運ぶ、アリのマークの運送屋だったのです。やがて秋になっても、キリギリスは唄っています。とうとう雪が舞いちる、寒い冬がやってきました。緊急…