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検索タイトル:妙な話 晩秋に単独行の山歩き【山の怖い話⑩】

検索タイトル:妙な話

晩秋に単独行の山歩き

あれは、晩秋に単独行で山歩きしていた頃の話だ。その山は登山道も程よく整備され人気はあるのだが、日没ともなれば人影はまったく途絶える。せいぜいヘッ電照らし稜線を彷徨く、変わり者縦走者がひとりふたりあるか─?という程度で、まして深夜丑三つ時なんて、誰ひとり遭わないのが常だった。

その夜は11月の寒い晩秋だった。私は小さな避難小屋※に泊まっていたのだ。これで重いテントを担ぐのを回避出来るからね。うん、それで、あれは多分…深夜3時頃だったと思う。小屋の扉が突然ギィと開き、中年の会社員風の男がフラリと入ってきた。薄暗がりの中、私は薄目をあけながら観察してみる。沈鬱な表情、ヨレた紺色スーツ、とても登山者と思えぬ格好で、そして何故か手にはコンビニ袋まで下げていた。まるで深夜残業帰りにコンビニで夜食買いました…そんなテイだった。

その中年男、さして広くも無い避難小屋の中をゆっくりと歩き廻り、やがて手にしたレジ袋からガサゴソ取り出したおにぎり1個、ペットボトル茶を口にしていた。それ以外特段、変わった様子もなく押し黙り食べ終わると、そのままスィと外へ出ていった。「こりゃ変な奴もいるもんだなぁ…」と、私は想ったのだが、気にせずにまた眠ろうとする。

それからキッカリ30分後─再び小屋の扉がスッと開き、さっきとまったく同じ中年男が入ってきたのだ。「ぅ─ん?きっと忘れ物でも取りに来たんだろ」と、思った。またも小屋の中をフラフラと歩く。そして先程と同様に、おにぎり1個とペット茶を取り出し食べだした。まるで同じ場面であり再生録画みるようで、これには堪らず「ぁ…さっき来たよね…」と小声で尋ねると、中年男はキョトン顔し「へ…?」と返してきた。他人の空似かぁ─?いやいや、そんな馬鹿なッ、ここは山の中、しかも深夜なんだぞッ─!顔も服装も完全に同じぢゃないか。あぁ…そうか…山歩きで疲れ果てた私の勘違いかもしれないな「…ごめんなさぃ…」と言葉を濁して、中年男に背を向けシュラフ内にゴソゴソ潜り込んだ。

そして、さらに30分後─再度、小屋の扉が開く気配がした。眠れない私は息を潜めながらこの時を密かに待っていた。中年男は部屋をうろつかずに、今度は真っ直ぐこちらにやってきた。私の目前まで顔を近ずけ、こう言った…「検索してみなッ!🫵🏻ピシッ」と。

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(※避難小屋はそもそも“緊急避難する場所”であって、宿泊場所ではない。ゆめゆめ間違ぬように)

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これ、読者が気になり「検索するところまでがオチ」となる!因みに検索するとヒットするのは…芥川龍之介の「妙な話」─そのブログを紹介します。

https://minminzemi81.hatenablog.com/entry/2021/02/23/120000

▷前回の話/たかしが彩乃と初登山した話

https://minminzemi81.hatenablog.com/entry/2025/09/06/080759

(Thank you for reading, what a weird story.)

#10月3日は登山の日