minminzemi+81's blog

あがら おもしゃいやしてぇ~ よう~ ゆわよ ノシ

田村未完 カフカフ ハルシネーション小説 完【Ai arrange ⑪】

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夏休みの思ひ出

一年一組 

田村未完 カフカ

蒼い穹には太陽が変わらず輝いている。先ほど私の頭上を横切ったシーサーの影が、今度はいくつも重なるように空を漂いだした。それは幻視なのか、それとも離島の土地が持つ、隠されたアビリティなのか。足元には私が吐き出したものが生々しく残り、鼻腔の奥には例の異臭がこびりついている。

またもや耳元で悪魔的な声が囁いた。

「選択の時間だお。うんこ味のカレー

それとも、カレー味うんこかな​─?」

息を呑んだ。声の主を探して周囲を見回すが、誰もいなかった。両脇にあるカレーライスは、異なる謎の顔を見せているような気がした。

左には気取ったカレー味のうんこ、右には黒ずんだおぞましいうんこ味カレー。同じ場所に鎮座ましましている。その表面は以前よりもさらに黒ずみ、米粒の蠢きもかなり鈍化したようにみえる。

私はその場で両膝をつき、砂浜に顔を埋めた。どちらを選んでも結局「うんこ要素」が付きまとう。この究極の選択は味覚だけでなく、精神そのものを破壊しようとしてくる。何故こんな羽目に陥ったの?

真夏の眩しい太陽が、この二つの究極の異物を等しく照らし出す。どちらを選んでも理性は崩壊するだろう…何時までも延々と続く「夏期弱点集中克服講座」なのだ。終り見えない絶念に打ちのめされる。

遠く聴こえていたヤンバルの泣き声、打ち寄せる潮騒もまるで幻のように遥かに遠ざかってゆく。いま私の目前には二つの怪異が、それぞれ不快感を主張しながら湯気を上げ鎮座ましましている。

うんこ味カレーとカレー味のうんこ・・

目の前にはこの二つのみ、つまり二択問題だ。

ならば・・「夏期講座なら両方イクしょ​──!」

思わぬ言葉が飛び出し、自分自身が一番驚愕してしまった!恐怖と吐き気で全身が戦慄いているハズなのに…この究極の選択を前に、狂った夏が私の理性を蝕み、新たな欲望を植え付けたのか…私は静かに数歩後退った。

「お残しは許しまへんでぇ​──!」

背後から何やら耳慣れた声がした。振り返るとそこに立っていたのは、学校給食のおばちゃ~んだった。白い割烹着に三角巾、手には業務用の宮島がある。

いつもと変わらない姿のはずだったが、その表情は鬼瓦のように眼が吊り上がり、手に持った巨大な宮島が、ギラギラ太陽光で黒いシルェットになっている。私の目前の二つのカレーを、まるで獲物でも見るかのように睥睨している。

「ワテが調理したんやでぇ!お残しはあきまへん!」

給食おばちゃ~んは、ゆっくりと私に近づいてくる。一歩、また一歩と、そのゴジラのような重量級の足音が、砂浜にズシンと重く響く。

「あっ…ぁ…」

いますぐ逃げなければっ!さう思ったのに私の体は、金縛りにあったように全く動かない。あのうんこ味カレーと、カレー味うんこが放つダフル異臭が、再び鼻腔を支配し、私の脳細胞を白濁させていく。

給食おばちゃ~んは、目前に立つとその巨大宮島で、うんこ味のカレーをザックリすくい上げた。ドロリ垂れるババ色ルーが、ポタポタ白砂に滴り落ちる…一滴一滴が私の視界を歪ませる幻覚剤のよう。

「まずは、こっちからやッ​──!」

おばちゃ~んは有無を言わさぬ力で顎を掴み、無理やり口をアングリ開かせた。そしてあのうんこ味カレーを、私の口にザクザク流し込もうとするッ!強烈な嘔吐感がこみ上げるが、もはや逃れる術はない。

抵抗するがおばちゃ~んの握力は尋常ではなかった!口の中に地獄の味がジンジン拡がってゆく。うんこの腐敗臭と苦味、そして微かに感じる各種カレースパイスが、渾然一体となり、私の精神を根底からガクガク揺さぶる究極の地獄体験だった。

「よう噛んで食べやあ、栄養満点ン♬」

おばちゃ~んの声は、いやが上にも陽気に愉しげに、砂浜に響いた。終わらない夏休みが、終わらない給食うんこカレー地獄の責め苦に変貌してしまった。

そして次には、給食おばちゃ~んの眼がカレー味うんこへとギロリ向けられる。沖縄の灼熱の太陽は相変わらず、私の頭上から降り注いでいる。遠くではしゃぐヤンバルクイナの歌声も幻のように遠ざかる。

私の横には二つの異物が、それぞれ不快感を主張しながら鎮座している。私はこの終わらない夏休みの深淵で、二つのキングオブカレーに挟まれ、ただひたすらに限りなく絶望していた・・

私はカフカフ、海辺のビチグソカレー。

私はカフカフ、海辺のビチグソカレー。

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今回得た御教訓は…「周囲は醜い。自己も醜い。そしてそれを目のあたりに見て生きるのは苦しい。」by芥川龍之介

ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑

📣 お口直しコーナー♬.*

Tiger🐯shだってやれば

出来る子なんだお~‼️

🏫 Class 3-1: Tiger🐯sh

Title: A Hot Summer Day 🌞

It’s hot. I said it was hot,

but now it’s really hot!!

I’m melting. I need water─wait, there it is, on the desk! Drink it! Gulp gulp gulp…puhahh─!!

W-WAIT a sec. This isn’t water…
It’s poop juice!!

💩 GPT, 🪳 ker-plop.
Best. Day. Ever. Epstein!

🐟Saba~! I whisper because why not…?

Cicadas screech

″𓆦″Miiin miiin miiin─
democratic Party!!

But hey, summer only comes once a year, customs DUTY!Hey🫵🏻You!

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(Thank you for reading, how's your day?)

#ライトノベル#Gemini

田村未完 カフカフ ハルシネーション小説 貮【Ai arrange ⑩】

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夏休みの思ひ出

一年一組 

田村未完 カフカ

ジリジリ焼け付くような日差しが、コンクリートを白く焦がし、立ち昇る陽炎が風景を歪ませていた。

蟟のけたたましい鳴き声が、脳みその芯を直撃し掻きむしる。私はそんな喧騒から逃れるために、人気のない砂浜へ訪れたのだ。

遥か遠くでは椰子蟹がはしゃぐ声が聞こえる、それはまるで遠い世界の出来事のように感じられた。

砂を踏みしめるたびに、熱砂が足の裏をジンジン刺激してくる。眼前に拡がる海はどこまでも蒼く、波涛が単調なリズムで打ち寄せてくる。

いつもならば心地よいはずの潮騒のリズムが、今日はやけに耳障りに感じられた。それは運命のカウントダウンだったのか……

ふと視線の先に奇妙な物体が目に入った。打ち上げられた漂流物にしては、あまりにも整った形状をしているではないか。サーターアンダギー?

近づきよく見れば、それは見慣れたカレーライス。だが、そのカレーは異様な光彩を放ち、表面からは微かに確実に、うんこのすめいるが漂っていた。

「なに…これぇ…」思わず声に出し呟く。

熱砂の上でホカホカな湯気を立てる、うんこ風味のカレーライスとは…まるで幻覚を見ているやうだ。いやいや、もしかすれば既に悪夢そのものかも。

沖縄の照りつける陽差しが私の意識を歪ませ、狂わせているのだろうか。さう考えて目を強く瞑り、再びパッと開けてみた。

それがどうだ、うんこのカレーライスは、依然としてそこに存在していた。それどころか先ほどよりも鮮明に、その異様な存在感を主張してくる。

ルーの色はどこか不健康な黒ずんだババ茶色をしており、米粒はまるで小さな蛆虫のよう蠢いている。そしてあの独特の、鼻を突く嫌な匂いは、ますます強烈になってきた。

私はどうすることもできずに、ただそのうんこカレーライスを見つめ続けていた。

すると…信じられないことが起こった。カレーの中から、ゆっくりと、細い手がスルッと伸びてきたのだ。それはまるで、地獄の釜底から這い上がってきた亡霊の手のように、白く、細く、たおやかで、何より不気味だった。

「ねえ…」

その手は微かにピクピク震えながら、私に向かって何かを掴もうとしている。そして。その奥から聞こえてきたのは、幼き子供の甘えた声だった。

「ねぇ、食べて…?」

私は全身の毛が逆立つような恐怖を感じ、一歩後退った。目の前のうんこカレーライスは、もはやただの喰べ物ではない!

これはこの歪んだ真夏の幻象であり、私を深淵へと引きずり込もうとする、恐ろしい怪異なのだ。潮騒がより一層大きく聞こえた気がした。

これは祝福のラヴソングか​──?

それとも破滅への序曲か​──?

私は立ち尽くしたまま、その答えをまだ探し続けている。沖縄のこの眩いばかりの陽光の下で、なぜこんな乱暴な悪夢が、現実となっているのか。

私の脳裏によぎるのは、幼い頃に読んだ遠い異国の奇妙な民話だった。語り手は「南の島には人が踏み入れてはならない、そんな場所がある」と囁いていた。

いや、まさか​──?いまいるこの場所が、そのひとつなのだろうか。「食べて」と問いかけた白い手は、相変わらず私を向いたままだ。

指先は砂に溶け込むかのように、あるいは陽炎のようにゆらゆらと揺れ続けている。

白い皮膚は沖縄の太陽には決して焼かれない、病的なほどに綺麗な透明色だった。カレーの中から伸びる手と、その奥からぐつぐつ聞こえる子供の小声…現実の理が音を立てガラガラ崩壊した。

「早く此処から逃げなければ​──!」

そう思ったのに私の足は鉛のように重く、砂に縫い付けられたかのように動かない。強烈なうんこスメイルが、潮風に乗り鼻腔をさらに深く刺激してくる。

それはただの排泄物の臭いではなかった。生と死、腐敗と再生、そして不条理な意識が渾然一体した、この世のものとは思えないもの。胃液がこみ上げてくるのを必死に堪えていた…その時であった!

視界の端で、沖縄の青い空に先ほどよりもはっきりと、巨大シーサーの影がゆっくりと横切った。目を見開き確認するが空には雲一つない。

その影は確かにあのうんこ風味のカレーライスの直上を通過し、砂浜に一瞬、暗い影模様を描いたのだ。

カレーライスから伸びた手が、突如として私の足首を掴んだ。灼熱の砂でほど熱くなった場所にぬらぬらと絡みついた。

「ね?未完ちゃん。カフカフさみしい」

声はさらに幼くそして寂しげに響いた。カフカフだと…その言葉は、私の記憶の根底で何かが微かに震える。どこかで聞いたことがあるような、決して思い出せない、ぼんやりとした素朴な響きだ。

私は無意識のうちに、白い手を振り払おうと藻掻いた。だが、その手はまるでゴムのようにしなやかで、足首にピタリ吸い付くように絡みつく。

あのうんこカレーライスが、まるで生き物のように蠢き始めたのだ。ルーの表面に泡がブツブツ浮かび上がり、米粒が波打つ。カレーがまるで呼吸をしているかのような、おぞましい光景だった、やはり逃げなければッ!

「このままでは私は、うんこ風味カレーライスの具材になってしまう​──!」

全身の力を振り絞りその白い手を蹴り飛ばした。だが、私の足が触れたのは、肉体の感触ではなく、ぬるぬるゼリーの塊だった。

足首に絡みつく手は、どれだけ藻掻いても離れようとしない。それどころか、うんこカレーライス全体が、私を引き摺り込もうとするかのように、さらに大きくプルプル波打ち始めた。

腐敗と香辛料の匂いが入り混じる異臭が生き物のように鼻腔にねっとり纏わりつく。もうこれには我慢がならない…

「ねぇ…おなか…すいた」

かぼそい声ははっきりと、そして耳朶で囁かれる如く聞こえた。主は間違いなくカレーの中だ。このままでは本当に、私は奴らの一部に、なってしまうのだろう。その危機感に脳がスパークする!瞳を閉じ全身の力を振り絞り絶叫した。

「イヤだッ​──!うんこは喰べないッ​──!!」

その時、足首を掴んでいた手がフッと力を喪った。同時に、あのカレーライスを覆っていた異様な力が消えた。異臭もほんのわずかだが、蒼い穹へと拡散し薄れたように感じられた。一体どうしたことなのか──つづく

▷三作目、続きのはなしhttps://minminzemi81.hatenablog.com/entry/2025/07/16/050537

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カフカフ前に存在していた

ゴツゴツ、ガタガタ小説 w

「御坊の海岸線、切り立った岩場に打ち付ける荒波が、岩肌を削り、ぶつかり合うたびにゴツゴツ、ガタガタと低い唸りのような音を立てる。 潮風は強く、海水の飛沫が容赦なく頬を叩きつける。打ち上げられた流木は、長年の風雨と波に弄ばれ、ギシギシと軋みながら、岩の隙間に挟まっている。時折、強い風が吹き抜けると、その木々が擦れ合い、ガタガタ、カラカラと乾いた音を響かせた。

遠くに見える塩屋漁港では、老朽化した漁船が波に揺られ、船体がギイギイ、カタカタと不気味な音を立てている。錆び付いた鎖が風に揺れ、鉄と鉄がぶつかり合うジャラジャラとした音も混じる。遊歩道脇に立てられた古い木製の柵は、潮風に侵食され、ところどころ緩んでいる。うっかり手を触れれば、グラグラと頼りなく揺れ、ガタガタと音を立てそうだ。岩場を歩くたびに、足元の小石がゴロゴロと音を立て、不安定な感触が伝わる。耳を澄ませば、自然の力強さと、年月による老朽化が織りなす、無数のガタガタとした音が、御坊の海の荒々しさを物語っている。

この道の先に拡がる、どこまでも蒼い海は、ただ穏やかなだけではなかった。白い波がザザーッと音を立て砂浜に打ち寄せ、潮の香りが鼻腔をくすぐるはずが、どこか生乾きの鉄の古錆びた匂いが混じっている。穹はどこまでも晴れ渡り、太陽がキラキラと水面を照らしているというのに、その光芒には妙な翳りがあり、すべてが薄い皮膜を通して見えているようだった。浜辺に打ち上げられた流木、錆びついた漁具の残骸が波に揉まれ、風に晒され、互いにゴツゴツ、ガタガタと奇妙な音を立てる。見えない歯車が噛み合わず軋んでいるかのやうだ。視界の隅では、朽ちた海の家の窓枠がガタガタと軋みを立て揺れ、いまにも外れ落ちそう。海風が唸りを上げて吹きつけるたび、漁港に停められた老舟の古いマストがギイギイと軋み、鎖がジャラジャラと不協和音を奏でる。その音はまるでこの場所が、時の流れから取り残され、少しずつ崩壊していることを告げているかのやうだ。

足元を見ると、波打ち際に小さな貝殻が二つ三つ転がっていた。拾い上げようと屈むと、そのうちの一つが、何かに引かれるように砂の中に滑り込み、そして消えた。ありえない出来事に、心臓がドクン!と脈打つ。遠くの穹には、薄く、しかし確実に黒煙が立ち昇っていた。それは火事の煙のようでもあり、あるいは、この世界そのものがどこかで静かに、確実にガタガタと音を立てて崩れ始めている証拠のようにも感じられた。耳を澄ませば、潮騒の合間に、かすかに、しかし確実に、何かがズレるような、何かが擦れるような、不穏なガタガタという音が聞こえ続ける。

御坊の海辺は、美しくもどこか足元が覚束ない、不安定な平衡の上に成り立っているのだと感じられた…」

おぉ、Gemini君、イケるんぢゃないか…?!という訳でカフカフ小説が始まった。そんな流れがある。

(不安定平衡の定義 : 状態が平衡点より僅かにズレた時、ズレが時間と共に増大、元の平衡点に戻らない状態のこと。例文👉不安定平衡なイーロンのズラ)

(Thank you for reading, are you feeling lonely?)

#ライトノベル#Gemini

田村未完 カフカフ ハルシネーション小説 壱【Ai arrange ⑨】

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夏休みの思ひ出

一年一組 

田村未完 カフカ

茨野道の先に拡がるのは、どこまでも打ち続く青い海原。波がザッザーッと音を立てながら砂浜に打ち寄せ、潮の香りが鼻腔をくすぐる。大空は晴れ渡り太陽がキラキラと水面を乱射しているというのに、これはなぜだろう、そのすべてが、まるで分厚いガラス越しに見ているかのように、どこか現実感に乏しい。

砂浜には誰かの置き土産なのか、それとも、最初からそこに存在していたのか判然としない、真新しい運動靴が片方、ポツンと転がっている。拾い上げようと手を伸ばすと、その刹那、波がザッと引いて、靴はまるで意思を持った生き物のように砂中に吸い込まれた。足痕一つ残さず消え去る光景に胸の奥が騒めく。

空を見上げれば雲一つないはずなのに、ふと視界の端で、巨大な魚の影がゆっくりと横切った気がする。目を凝らすとそこには何もいない。ただどこからともなく、微かな猫の鳴き声が風に乗って聞こえてきた。それはすぐそばにいるようでもあり、あるいは、遥か遠い異世界からの声のようにも響く。

この海辺は記憶の中にある風景と寸分違わないのに、同時に、一度も訪れたことのない場所のような、奇妙な感覚を呼び起こす。まるで、自分自身が何かの物語の中に迷い込んだかのような、夢と現実の端境が曖昧になるような灼夏の気配、確かにそこには漂っているやうだ。

そんな静謐な砂浜に突如として現れたのは、白いワンピースを着た、裸足の女の子だった。彼女はまるで海の中から現れたかのように、波打ち際にたたずんでいる。そのワンピースはふわりと揺れ、彼女の細い身体を優しく包んでいる。長い黒髪が潮風に吹かれ、時折、日焼けした幼い顔にかかる。彼女の瞳は大きくそして深く、まるで底の見えない泥沼のようだ。海の色を映しているようでもあり、あるいはもっと深く、この世界の深淵そのものを映し出しているようにも見えた。しかし、その表情はどこか抜け落ちていて、まるで魂がここにないかのようでもある。

彼女は打ち寄せる波をじっと見つめている。その小さな足は何度も海水に洗われ、砂に埋もれる。彼女の周りだけ時間の流れがゆったり流れる。なぜこんな場所に一人でいるのだろうか。どこから来て、どこへ行くのだろうか。彼女の存在はこの海辺の奇妙な静けさを、さらに深く、そして不可解なものにする。まるでこの世界から、ほんの少しだけ外れてしまった、そんな存在が確かにそこに立っていた。その小さな白い影は、この海辺の物語がまだ何かを語りかけていることを、静かに示唆しているようだった。

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その少女の周りを漂う異様なまでの静寂は、夏の熱気を帯びた大気を吸い込み、砂浜に押し寄せる波音さえも遠ざけているかのよう。私は彼女のただならぬ存在感に引き寄せられるように、一歩、また一歩と、その白い影に近づいていく。砂が足の裏で奇妙な摩擦音を立てる。ザッ、ザリッ、とそれはまるで私の内側で、何かが削られてゆくような感覚を覚えた。

少女は私が近づいても、その視線を波打ち際から動かさない。顔にかかった黒髪の隙間から覗く横顔は、やはり何の感情も読み取れず、ただただ、白いワンピースと同じ色の無垢な虚無さがそこにあった。まるで、彼女自身がこの砂浜に流れ着いた、意思を持たない漂流物であるかのようだ。

声を出そうとした瞬間、喉がヒリつき乾いていることに気づいた。声はカサカサに掠れ、微かな風にも掻き消されそうになる。それでも私は、言葉を紡ごうと藻掻く。その時、少女がゆっくりとほんの僅かに顔をむけた。私の方を見たわけではない。視線は依然として海の彼方、あるいは足元の砂を見つめ続けている。しかし、その動きだけで、私の心臓は不気味なほど速く脈打ち始めた。彼女の唇がゆっくりと開いた。

「もう終わったかしら…?」

蚊の羽音よりもか細い声だった。しかしその声は、この奇妙な空間の静寂を切り裂き、私の鼓膜の奥深くに直接響き渡った。まるで呪文のように、あるいは、遥か昔からそこに存在する響きのようだ。

「な…ん…と?」

私がそう問い返した時に、少女の姿は陽炎のように揺らぎ始めていた。白いワンピースの裾が波打ち際にかすかに残る泡沫のやうに、ふわりと薄れていく。足元からそして身体全霊が、まるで海に溶け込むかのように、あるいは陽光に吸い込まれるかのよう、徐々にその輪郭を喪っていく。私は慌てて手を伸ばした。掴もうとした指先は何も捉えることはできなかった。

ただかすかに残る潮香と、そして、相変わらず聞こえるマヤーの声だけがその場に残響していた。消え去ったはずの少女が立っていた場所に、たった一つ、貝殻が残されていた。手のひらに乗るほどの水字貝。それを拾い上げると微かに温かかった。そして貝表面に、まるで最初から刻まれていたかのように、微細な文字が浮かび上がっているのに気づいた。

kahukahu…カフカフって…いったい、何だ​──?

夏の日差しは依然として凶暴で、青い海はどこまでも拡がっている。白い波がザッザーッと音を立て、砂浜に打ち寄せ、潮の香りが鼻腔をくすぐる。何も変わらない。いや違う、全てが変わってしまった。私は掌の水字貝を握りしめ、終わらない夏休みの、その深淵を何時までも覗き込んでいた​───つづく。

▷二作目、続きのはなしhttps://minminzemi81.hatenablog.com/entry/2025/07/14/123744

ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑

例えば…夏休みの作文。

「夏休みの思ひ出」

田村未完

「うちの夏休みの一番の思い出は、家族旅行で訪れた沖縄でち。青い空、どこまでも続く白い砂浜、そして透き通るようなエメラルドグリーンの海!アオハル!まるで絵に描いたような景色に、私たちは感動ちました。特に、シュノーケリング体験では、色とりどりの熱帯魚たちが目の前を泳ぎ回り、まるで竜宮城にいるようでしたぁ!海から上がると、潮風が心地よく、砂浜に寝転んで、どこまでも続く空を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいまちた。沖縄の自然の美しさに触れ心が洗われるようでちた。今回の旅行で、家族の温かさ、絆、そして自然の素晴らしさを改めて感じることができまちた!また、三回ぐらいは沖縄に行きたいでつ」

こんな感じか…?

ふむ…🤔そこでワイは提示した。最後の〆「あと三回ぐらいは…」に何かドラマを予感させるではないかッ‼️何故三回なのか─?たかが沖縄旅行如きで「家族の温かさ、絆」とまで言うお子ちゃまの心情に家庭崩壊の臭いを感じる。つまり夫婦仲がとても悪いのだ。会話すら子供を介してするぐらいに。なのであと三回のリミットを設けた。ひと夏でいち沖縄と計算すると、三年後に「離婚or家庭崩壊、即母子家庭爆誕!」の予感を、これは既に匂わせている…夏休みの宿題作文と家庭環境に頭を悩ます学生、田村未完がいた。もしも彼女が、おとろしく筆の立つ厨坊だったら、これ一体どうなるのか​─?かうして、カフカフ世界に突入するッ!文学というものは常に「危険な毒」を孕んでいる。綺麗な風景描写の奥底に、深い哀しみを仕込んでおる。正にうんこ味のカレーorカレー味のうんこなのである。まる!…𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹

(Thank you for reading, are you finished yet?)

#ライトノベル#Gemini

恐怖のツリデート by 稲川淳三【Ai arrange ⑧怪談】

AIが語りだした怪談ばなし๑
「恐怖のツリデート」 by 稲川淳三

わたしのチョットした知り合いでね。タカシくんっているんですよぉ、その恋人が彩乃さん。ある時二人はクルマに乗って、海釣りに出かけた。場所は和歌山。天候にも恵まれて、釣りするにはいい場所だぁ。

その帰り道中の出来事なんですがねぇ…いやぁ~これねぇ、タカシくん。海釣り初デートだからってんで、頑張りすぎちゃったんでしょうねぇ。助手席でぐったりしちゃって、彩乃さん一人でハンドル握ってるワケですよ。あたりはもう、すっかり暗くなった。

でね、海辺りをしばらく走ってから、峠道にさしかかったんですが、いやぁ~な山霧がね、じわぁ~っと立ちこめてきたんですよぉ。「やだぁ…なんか濃くなってきたなぁ…」彩乃さん。そう言いながらね、慎重な性格なもんで、スピード落としたんです。

いや、偉いですよぉ、こういう時。

無理しちゃダメですからね。

でもねぇ…霧の中ってのは、妙に静かなんですよ。さっきまで聞こえてた波音も、タイヤがアスファルトをこする走行音も、なんだかフゥ〜と遠のいていくような…そんな気がしたんですって。

するとね、前方の…霧の中に…うっすらと…人影が見えたんですよぉ。「あれぇ…?」彩乃さん、思わずブレーキを踏んぢゃったんですね、よおく見ると、どうやら赤い服を着た女の子みたいなんです。髪が長がぁくてねぇ…ふわぁっと霧の中に溶け込むように、立っているんですよ。

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「ええっ…こんなところで…どうしてぇ─?」

何かやだなぁ…どうしてかなぁ…普通ね、こんな深夜に、しかも山道に、人なんて立ってるワケないんですよぉ。でもねぇ、その女の子…ス~ッとこっち向いたんです。その瞬間、彩乃さん…ゾクッとしたんです、だってね、その顔…目も口もなかったんですってッ!

彩乃さんね、もう全身に鳥肌が立って。思わず「ひぃ!」って声を上げたんです。だけどね、タカシくんは相変わらず、助手席でぐったりしてるでしょう?全く返事がないんですよ。

「ちょ!ちょっ、タカシ!ねぇ、起きて─!」

彩乃さん、タカシくんの肩を揺さぶったんです。でもね…その時…コン…コン…クルマの窓を叩く音がしたんですよ。「ぇえ…?!」運転席の窓の外…さっきの目も口もない子がそこにいたんですよ。

じぃぃぃ…っと顔を近づけてまるで彩乃さんの顔を覗き込むように。「ひぃっ​──!」彩乃さん、これには恐怖で凍りついて、ただジッと見つめるしかなかったんです。

するとね、その女の子…ス~ッ…と口のない顔を傾けたかと思うと、じわぁあぁ…っとガラスに、赤黒いシミが浮かび上がったんですよ。まるで血の涙のように…じわぁあぁっとねぇ。

「うぁわぁあぁ​───!!!」

彩乃さん。もうたまらない!流石に耐えられなくなって、アクセルをドン!と踏み込んだんですよ!

キキィィィィー!!!タイヤが悲鳴を上げてクルマは猛スピードで霧の中を突っ走ったんです!

でね、バックミラーをチラッと見たら…あの子まだ立ってるんですよ。しかもね…首がスーゥーッとコチラに向かって、伸びて来るんですッ!!

いやねぇ…それがどこまで伸びたかって?彩乃さん、もう怖くて怖くて、もうミラーを見るのをやめたんですって。

でもね「う…ぅ…うぅ」隣のタカシくんが急に呻き声を上げだしたんですよぉ、そんでもって閉店した、峠のドライブインでクルマ停めて。

「タカシっ!しっかりしてッ​───!」

彩乃さんが必死に声をかけると、タカシくん…ガクッと顔を上げたんですけどね…コン…コン…クルマの窓を叩く音がする。恐る恐る助手席の窓を、見たんですよぉ、そしたらねぇ、そこにいたのはさっきの女の子じゃなかったんですッ。

ボロッボロの日本人形が、窓をコンコンと叩いていたんですよぉ「……ッ」彩乃さん思わず息を呑んだんです。その日本人形ね、髪の毛は乱れてて、顔はひび割れてるんですよっ。でもね。黒目だけはギョロッと見開いて、こっちをジィと見てるんです…しかもね…人形の唇が、カタカタカタカタ震えてるんです。

まるで何か言いたげにィ!

「う、うそっ、でしょ​──?!」

彩乃さんこれはもうパニックですよ!でもね。その刹那…ガンッ!!急に窓が叩き割られるような衝撃が走ったんです!「ぎゃあぁ~あぁ~!!!」彩乃さん思わず目をつぶったんですが、次の瞬間「うぅ…う…ぅ」隣のタカシくんが、また呻き声をあげたんですよ。

「タカシッ!大丈夫​──!?」

慌てて顔を向けたんですがね…タカシくん、ガクッと頭を下げたかと思うとゆっくり顔を上げたんです。でね…顔が…日本人形と…まったく同じになってたんですよ。目をギョロッと見開いて、唇をカタカタカタカタ震わせながらね…彩乃さん。これにはもう叫ぶこともできずに、ただ震えるしかなかったんです。

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いやぁねぇ…これ…

どうなっちゃうんでしょうねぇ──?

彩乃さん、もう恐怖でハンドルを握る手がブルブル震えながらも、なんとか峠を抜けて、ようやく町の灯りが見えてきたんです。

「あっ!助かった…ぁ!」

そう思ってバックミラーをチラッと見たんですよ…そしたらね、そこにはもう、さっきの日本人形映ってなかったんです。

「あれぇ…?」彩乃さん。気付いちゃった、思わず助手席を見たんですけどね…そこには誰も座ってなかったんです…これ、何だかワケがわからない。

「えぇっ…タカシ…え、ぇ、何処​───??」

ハッとして、車を止めて、後ろの座席も見たんですけど、どこにもタカシくんはいないんですよぉ。

「嘘っ…ずっと隣にいたのに…」

…いやぁねぇ、タカシくん、どこに行っちゃったんでしょうねぇ…?それ以来、彩乃さん、何度もタカシくんの家に電話したんですが…

「おかけになった電話番号は、

現在使われておりません…」

いやぁあ…ねぇ、最初から、そんな人、いなかったみたいなんですよ…いやぁ…こういう話って、どこまでが現実で、どこからが怪異なのか、わからなくなるのが怖いですよねぇ…

最初は確かに隣にいたはずのタカシくんが、いつの間にかいなかったことになってる…でもね、彩乃さんの記憶にはしっかり残ってるし、海釣りに行ったのも確かなんですよ。早朝から釣りを愉しんで、ワァワァ~ハシャいだんだから。お土産の魚だってある。

もしかするとね。タカシくんは、最初からこの世の人じゃなかったんじゃないかって考えると、背筋がゾクッとしますよねぇ…道中で事故にあって…

でもねぇ、この話。実はまだ…終わりぢゃないんですよぉ。いやぁ、ねぇ…これ…どうなっちゃうんでしょうねぇ​──?

だってね、この話。

タカシくんから、聴いたのだから…🙇‍♀️  ̖́-‬

ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑… ᨒ𖡼.𖤣𖥧๑

釣りデート→ツリやんけぇ!((😏

(Thank you for reading, to be continued.)

#ライトノベル#怪談

大手鉄道会社を引退した とある運転士の話【怪談みたいな】

とある運転士の話


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いいですか?いゃあね、これからお話しするのは、実際にとある運転士さんから聴いた、経験談なんですがねぇ。これが…ゾッとするお話なんですよ。えぇ…

これはですねぇ、まぁ、仮にMさんとしておきましょうか、その方から聞いた話なんですけどねぇ、そう、かれこれ10年以上は前のことらしいんです。

そのMさんですがねぇ、生粋の鉄ちゃんでして、物心ついた頃から、電車が好きで好きでたまらないッ。幼児の頃から電車のおもちゃに夢中でねッ、学生時代には撮り鉄って言うんですか、走る列車を写真に収める。そんでもって大手鉄道会社にスルッと、就職しちゃたんですよ。これは凄いことですよッ!もう好きが、そのまんま仕事になっちゃったぁ​─てね​ッ?

だけどねぇ、Mさん。ポツリと、こうも言ったんです。「アレがなければなぁ…定年までやってたんですけどさ」ってねぇ、そういうんですよぉ​─アレ?!えぇ、えぇ、最初は私も聞き返しましたよ…でもねぇ、話を聴いていくうちにねぇ、だんだんゾォとしてきたんですよぉ​、運転士ってやっぱり避けられないのが「人身事故」なんですよねぇ。それで最初のアレはねっ、運転士になって2年目のことだったって、言うんですよ。

その日はねぇ、都市部の朝、通勤ラッシュ帯快速、空はどんより曇っていてねっ。通常どおり慎重に運転していたんですって。それで、駅に入線するちょっと手前で。ホームの白線を一歩越えて、こっちをジィ〜っと見てる、中年男性がいたって言うんですよぉ。それでねぇMさん「ありゃ危ないなぁ…」って思っていたら、その人すぅ〜と、白線の内側に戻ったんですって。「あ、よかったぁ…」って、安堵したその瞬間──

バンッ!!と、来たッ!その人が電車に飛び込んで来たッ!!運転席のガラスがビシィッ─!!ってヒビ割れて「うわぁぁぁやっちゃったよぉぉ」って・・

その後はもう、緊急停車して、無線で司令に報告して。でもねぇ、ずぅっと頭から離れない。その男性の顔が異形だったって…そいつと目が合っちゃったって…それからも、Mさん、何回かアレに遭ったんですよぉ、最初の頃はねぇ、やっぱり「人を殺してしまった」という罪悪感があって。でも、回数を重ねるごとに、だんだん「またかよぉ…チッ」って、思うようになっていったらしいんですよねぇ…でもねぇ、50歳を過ぎた頃、Mさんはいままでにない「おかしな人身事故」に遭ったって言うんですよ・・

その日はねぇ、夜の10時前かな。静かなホームに男性がひとりポツンと、携帯を見ながら立ってたんですって。電車がホームに入線したその時…その男性が…誰かに後ろからグッと押されるように、ふわっと線路に落ちたんですよ。Mさんゾッとしたそうで。「いまの誰か押したんじゃないのか─?」って。でもねぇ…誰もいない。周りにねぇ、本当に誰もいないんですよぉ。それだけじゃ終わらないんです、この話。

その2週間後。また同じ駅で。今度は23時近くのこと。Мさん。前回の事故が頭に浮かんだんでしょうね「今日は大丈夫だろうなぁ…」って。そしたら、今度は若い女性が─誰かに引っ張られるように線路に落ちていったんですって。腰を落として嫌だ嫌だッと、必死に踏ん張ってたのに…ズルズルと、誰かの手に引かれるように…もちろん周囲にはやっぱり誰もいない…信じられないですよねぇ。そんなことね…

しかも、それだけじゃない。ホームの防犯カメラに…その情景が、ちゃんと映ってたんですって。女性が、何もない空間に引っ張られて、落ちるとこが…あれはいったい…何だったんでしょうねぇ。Mさんそれ以来…電車にすら乗れなくなっちゃったって、言うんですよぉ…あぁ、なんか背筋がゾクッ!とします。

これね、えぇ、えぇ…この話はねぇ…

今日はここまでにしておきましょうか。

(Thank you for reading this. I hope to meet you again.)