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あがら おもしゃいやしてぇ~ よう~ ゆわよ ノシ

「納豆か…腐ったマメや」言うよねぇ、和歌山市民の納豆消費量は、常に全国最下位なのです!【発酵食品】

 
わたしは、納豆を愛用しています。
現在、和歌山住みなのですが。
身体に良いと聞いてから、
毎日ワンパック程度は、
消費していますね。
納豆に玉子、刻んだネギ、長芋と合わせたり。
あと紫蘇とかもいい感じかな。
醤油をさして、🍚あったかご飯にデロ~ン!とかけるのです。
んで、ワシワシ喰うのだ。

 

和歌山市民の納豆嫌いは、筋金✨入りです

 
「それは~何故か~と訊ねたら、ベンベン♪」
「わかりまへ~ん!」笑

 

例えば、和歌山県が誇る地場産品を考えてみますと、湯浅醤油、金山寺味噌でしょ、かつお節、熟鮨とかの発酵食品は昔より沢山あります。考えてみたら、やたら発酵しまくり千代子な土地柄なのです!

もう日本の発酵食文化を古代より、ブッチギリィ~!独走状態だったはずです、和歌山は。ところが、同じ日本の伝統的発酵食である「納豆消費額」は、全国調査にて和歌山市がダントツの…

「全国ワースト一位 !!」

(※しかも毎回だよ!これはスゴいぞ、イエィ♪)

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ネバネバNEVER納豆

しかし、なぜなんだろ?納豆は、特別うまいモノではないけども。それほど嫌うほどのことも無い。つおい庶民の味方だ!

 

統計データが示す、納豆の真実とは如何に?

  

『納豆消費金額ランキング』
第一位は、盛岡市、6,189円。
第二位が、水戸市、6,171円。
第三位の、山形市、5,723円。
和歌山市は、全国最下位の五十二位、2,306円。

(※調査データは、2017年~2019年の三年間平均値)

 

盛岡市が全国一位だったとは、少し意外だね。納豆王国といえばやっぱ水戸市だよね。茨城の水戸納豆のイメージ。 

それで何と、和歌山市ブービー賞だった五十一位 高松市の、2,589円より283円も少ないのだ。そして一位の盛岡市と比べれば、3,883円も少ない。だいたい三分の一ぐらいの消費となるのかな。

 

これはいったい、どうしたことだろう?

きっと、何かあるんだよねぇ…

ひとには言えないさ、悲しい裏事情がなんか…

嗚呼、和歌山にいったい何があったのですか?

 

ホントに納豆食べないの、和歌山のひとは?

 

ところが和歌山にも、ちゃんと「納豆メーカー」はある。それが「豆紀」さん。この工場では、現在一日平均三十五万食もの納豆が製造されています。

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納豆混ぜ混ぜ百回の法則

聞いた話よると納豆菌には、麹菌や酵母菌、乳酸菌などをはるかに「凌駕する繁殖力」があるらしい。それで簡単に納豆菌に負けてしまうらしいよ。

だから「忌み嫌われる一因」となったらしい、と聴いた。いや待てよ、それは食品メーカーでのハナシで、一般家庭はてんで関係ないのでは?

むむっ、やっぱりホントの所は、いまだ分かりませんね。

 

(1000文字、Thank you for reading.) 今週のお題「納豆」

リテラシー問題『男はつらいよ 寅次郎相合傘』伝説的爆笑エピソード 「メロン騒動」に想う【大好きな映画】

 

フルーツの王様、メロン様。もう語感からして「中世メロンが王朝」を彷彿とさせるではないか!え?メロンが王族だったの「控えおろう、メロン様であらせられるぞ、ズがたか~い!」思わず家族全員が「ははぁ~」となるのだ。それぐらいのご身分だった。

「メロン」はとんでもインパクトスイーツ

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細かく割れているのが上玉

昭和時代(四十年代頃)「メロン🍈✨」はやたら高価で、ダントツの超高級フルーツだった。だから日常生活に登場することは、ほとんどなかったね。庶民はバナナだ。そんなバナナ🍌✨遠足時の質問「先生、バナナはおやつに入りますか?」的な感じ。

あと食卓に登場したのは、せいぜい「マクワウリ」とか「スイカ」ぐらい。「メロン食べたかったら入院でもしろ!」と、ホントに親にいわれたぐらいだ。お見舞いの定番品だった…「そんなアホなぁ~泣💧」ですよ。

あ、それから当たり前のことですが、映画『男はつらいよ(山田洋次 脚本)』は、あくまでも“創作物”ですからね。主人公を喧喧囂囂(けんけんごうごう)非難するのはまったく筋違いと思います。もう最近、変なヒト多すぎ。笑えよ!

以上、踏まえまして「メロン騒動」お楽しみください。(※ネタバレ含みますよ~)

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マクワウリもオイシイ

第十五作男はつらいよ 寅次郎相合傘』メロン騒動記

この話が爆笑できるかどうかで、リテラシー能力あるナシまで解ってしまうのカモ?果たしてあなたは「人間の心のヒダヒダ」を読み切れるでしょうか?笑いのポイントは…ありすぎ。

 

まず話の前提として、寅さんが旅先で世話をした人物がいて、そのお礼に高価な「メロン🍈✨」をもらった経緯がある。なので基本「所有権は寅さん」にある。保管はとらやの冷蔵庫。管理責任者は、オバちゃん。

「とらや一家&リリー」が、茶の間で遊んでいます。この時、なぜか寅さんは外出中でした。それで、冷蔵庫からオバちゃんがメロンを取り出し、わざわざ指折り人数までしっかり確認した。答え「六人だね」と断言す。

そして喧嘩にならないように、慎重に六等割に切り分けねばならない。これはとても難しい作業で、どうしても数ミリ程度の誤差(喧嘩のタネだ)は出てしまう。管理責任者の超絶技巧が問われるのです、さぁ責任重大!

(※寅さんは旅先で知り合った「パパ、蒸発サラリーマン兵頭氏」と北海道を巡る旅をした。メロンはそのお礼なのである。当時メロンを贈るとは、“最大級の感謝”を意味する)

 

オイちゃん「喧嘩しないように、公平に切れよぉ」と、念押し。

オバちゃん「それが、難しいんだよぉ~」と、応えていますね。

 

そして無事、分割作業はおわり茶の間へ運搬した。

 

「さぁ、頂きましょうか」それぞれがまず、ひと口目を食す。「う~ん、美味しい♪」とか「ウマいっ♪」思わず口に出る、幸せな風景です。

 

さぁ、楽しい茶の間のひと時の始まりィ~♪と、思いきや。

 

「…相変わらず、バカか…?」あれ、店先で寅さんの声がしたよ。

オバちゃん「あらいけないっ、寅ちゃんの分、忘れちゃった!」

さくら「勘定に入れなかったの?」

オバちゃん「うっかりしちゃって、どうしよう~」

 

もう全員がキョドって、オタオタしだす。

 

さくら 「どうしようって…」

ひろし「隠しましょう(小声)」

オイちゃん「隠すって、どこぇ(ボソッ)」

 

とらやのみんなは、何やらこのピンチを楽しみはじめています。すぐ訪れるカタストロフィを期待して?(浅)知恵者のひろしは、お膳の下に自分のメロンをスっと隠した。これがひろしの、いま出来る最大の防御なのだ、笑える。

 

するとそこに上機嫌の寅さんが、茶の間へ上がって来た。みんなの顔をニコニコながめている。愛しのリリーしゃんがいるしね。茶の間に緊張がはしる、さあこれは困った。とらやファミリー演者の微妙な表情にご注目!

 

寅さん「メロン、美味しいかい?」

さくら「う、うん…」

寅さん「よしっ、じゃお兄ちゃんもひとつもらおうか。じゃ、出してくれよ。オレの…(メロンを!)」

さくら「あっ、お兄ちゃん。これ一口しか食べてないから」

オバちゃん「あの、あたしのを…」

ひろし「あ、ボクのをどうぞっ」

おいちゃん「これ食べろよ、な」

 

次々と寅さんの目の前に、メロンの皿が突き出されてゆく。んん?これはなんかヘンだぞ。やや間があって、ようやく事情が飲み込めた寅さん。険しい顔になって、ネチりだす。スイッチが入った瞬間です。

はい、始まります「トラ節」のスタート!さぁ~テキ屋で鍛えた超理論が展開されるのか。今回のネタは『メロン』だけに、筋がパキッパキッに迷走する可能性すらあります。爆笑展開を乞うご期待!アイタタタ…

 

寅さん「ワケを聞こうじゃねえかよ。どうしてみんなのツバキのついた汚ねぇ食いカスを、オレが食わなくちゃならねぇんだいっ」

寅さん「オレのは、どうしたの、オレのぉ~!」駄々っ子か。

 

するとみんなが口々に、さらに被せて追い討ちをかけてくる。これが“煽り”の部分で、この時点では寅さんは激怒はしていない。スネているだけ。

(※とらやの人々は、容赦なく“寅さんの恋愛ネタ”で盛り上がるのを、楽しみとしていた)

 

さくら「あたしが悪かったの。お兄ちゃんのこと勘定に入れるの、忘れちゃったの」

おばちゃん「違うよ。あのね、あたしが悪かったんだよぉ」

おいちゃん「オレも、気が付かなかったんだよ」

おばちゃん「ごめんよぉ~」

ひろし「ボクも、うっかりしていて…」

 

もうこうなると、誰が原因とかどうでもよくて。いや、全員が共同正犯となってしまった。寅さん的には「仲間はずれされた、アウェー感」その憤懣がおさまらない。サッと状況判断したリリーさんは、満男を連れ奥の間へ緊急避難した。それをチラ見て、さらにヒートする寅さん。

 

寅さん「いいんだよっ、いいんだよ。どうせオレはね、この家じゃ勘定には入れてもらえねぇ、人間だからなっ!」さらに、スネスネ男。

さくら「何も、そんなこと言ってないじゃない!」

 

いやいやいや、遠回しに、やんわりと、とらや一家は寅さんを「気付かれなかった存在」とディスてますって。勘定に入れ忘れたと、言ったよ。

 

寅さん「しかしな。このメロンは誰のとこへ来たもんだと思うんだ?旅先でひとかたならないお世話になりましたと、あのパパがオレのところへよこしたメロンなんだぞっ」

寅さん「本来ならばこのオレが『さ、みんな、そろそろ食べ頃だろう。 美味しくいただこうじゃないか』 『あら、寅ちゃん。すまないわねぇ、あたしたちもご相伴にあずかっていいの?』 『もちろんだともぉ~』『すいませんねえ兄さん、それじゃ頂きます』そうやってみんなが、オレに感謝をして頂くもんなんだろう。それを何だい、オレに断りもなしに…」

 

寅さんの正論に皆が沈黙する。もうこうなると、寅さんの独壇場である。これは調子にのりますね、止まりません!

 

寅さん「あいつのいない内に、みんなで食っちゃお、食っちゃお、食っちゃお!どうせあいつなんか、メロンの味なんか分りゃしないんだ。ナスのふたつもあてがっときゃいい。そうしよう、そうしよう。みんなでもって食おうとした時に、オレがパタパタッて帰ってきたんで、てめぇら、大あわてに、あわてたろ!なんだ、おめぇ、皿を股下に隠したろ。で、出したろ、そっからっ」

ひろし「い、ぃ、あれは、あれは…ですねぇ(汗)」

寅さん「あれは、なんなんだい…?!」

 

やはり寅さんは、只者ではない。ひろしの不審行動までキッチリ捕捉していたのだ。見ていないようで、みています侮れませんね。

 

さくら「お兄ちゃん、いい加減にしてよ。勘定に入れなかったことは、謝るから、ねっ、ごめんなさい」

寅さん「さくら、いいかぁ、オレはたったひとりのお前の兄ちゃんだぞ。その兄ちゃんを勘定に入れなかった、ごめんなさいで済むと思ってんのかっ、おまえそんなに、心の冷たい女かっ?!」

 

とらやの茶の間は、さらにヒートアップ。これでは落とし所が読めない展開ですね。いや、最後にはとらやをプイッと飛び出す、それが決まり。

 

さくら「何よっ!メロン一切れくらいのことで。みっともないわね、もう」

寅さん「何を~ぉ~!!!」

 

寅さんさくらに手が出そうになる。一方的に言い負かされ、もう我慢が出来ないおいちゃんは、お金(店の金?)を取り出し叫ぶ。

 

おいちゃん「寅っ!おぅ、おまへそんなにメロンが食いたかったらなっ、ひと切れとは言わねぇ、これで買ってきて、アタマからガリガリガリガリ、まりごと、かり、かじれぃ!」

 

怒りでセリフがカミカミ、さすが名優下條正巳。寅さんに向かって、数枚(数千円?)のお札を投げつけました、オイちゃんチョットかっこイイ。

 

寅さん「バカヤロ~!オレの言ってるのは、メロンひと切れのこと言ってるんじゃないんだよっ!この家の人間の心のあり方について、オレは言ってるんだっ!」

オイちゃん「なにを一人前なこと言いやがってぇ、ほまえぇ!」

 

寅さんに向かって、また手元のモノ(雑誌?)投げつけるオイちゃん。

とらやの騒ぎがMAXです。もう収まりませんね。

 

寅さん「うあぁぁ~、ちきしょう~!」

さくら「お兄ちゃん、やめてぇ~~!」

ひろし「兄さん、もうやめてくださいよ…」

寅さん「よお~ぉ~し!!」ボーリングのピンつかんでる。

オバちゃん「ぅもう~ぉ~メロンなんかぁ、もらうんじゃなかったぁ~ひぃぃ…」泣きの涙となる。

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嗚呼、メロンとは罪作りな奴め

しかしこれ、どうかしているぜ。ヘンテコすぎる、とらや一家。

 

<このメロン騒動から想うこと>

ここで疑問なのは、妹さくらがささいな諍いを「なぜ煽った」のか?

この「メロン騒動」の時には、寅さんの想い人であるマドンナリリーが、その場にいる状況でした。兄がどんな男かを知ってもらう「プレゼンの場」だったのでしょう。さくらは密かに願う「リリーさんに対し、男らしい度量を見せなさい」「これは、チャンスなのよ!」「お兄ちゃんガンバレ!」

でも寅さんは、解らないし伝わらない。しかし、リリーには伝わったようです。奥の間でリリーはうつ向き、笑いを噛み殺していたのかな?このあとリリーは、寅さんに対し「大人気ない!」となじる場面へと続きます。

さくらは、リリーに「リリーさんがお兄ちゃんの奥さんになってくれたら、どんなに素敵だろうな」といった。リリーは真剣な顔で「いいわよ。あたしみたいな女でよかったら」と答えた。ほらリレーションは通じている。

 

<寅さんは、告白に真面目には取り合わない>

そして結局『あいつは頭のいい、気性の強い、しっかりした女なんだよ。俺みてえなバカとくっついて、幸せになれるわけがねえだろ』と、寅さんはさくらに対して、気弱に言う。観客は「何故だ?」と、ヤキモキするところ。

『あいつも、俺と同じ渡り鳥よ。腹すかせてさ、羽根怪我してさ、しばらくこの家に休んだまでのことだ。いずれまたパッと羽ばたいてあの青い空へ。なっ、さくら、そういうことだろう?※1』あぁ、男はつらいぜ…ん?

ムムっ、それは違うぞ。渡り鳥で「定住民と漂泊民の違い」を説明する寅さんだが、それならば「渡り鳥同士で仲良く※2」やれば良いだけ。ズレている。

(※1 寅さんがそう思ってしまう前段がある。『第十一作 寅次郎忘れな草』の終盤に、リリーはカタギの寿司屋に嫁いだ。が結局、離婚。またも流転の歌手に戻ってしまった。ただ、この離婚原因に寅さんが間接的に関係しているか?と匂わせるのだが、それは語られてはいない)

(※2 この件は『第二十五作 寅次郎ハイビスカスの花』での展開になる。話は続きます)

▽この状況をみて(観劇)爆笑できないヤツなんているの?

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メロン騒動の逸話。公開時、このシーンでの「浅草と渋谷の映画館で、観客の反応が違った」という。渋谷では「メロンごときで、そんなに騒いで」と大爆笑、浅草だと「なんで寅にメロンをとっておかないんだっ!」といった反応がみられた。笑いの質に土地柄の差もあるらしい。

 

<メロン騒動のまとめ>

このメロン騒動のシーンだけに限っていえば、正しいのは寅さんですね。メロンの所有権者を爪弾きにしたワケで、寅さんは当然怒っていい。またとらや一家からの仲間外れには、何だか気の毒にも思います。

この一家の軋轢の元は、第一作『男はつらいよ』から始まり、延々と同じパターンを繰り返す不思議さがあります。手を替え、品を替えながらもドラマの展開は、同じ結末をたどる。山田監督の家族観が示されています。

例えば、日本人の古くからの特性として『思いやり』 とか『察し』などがあります。この特性は大抵の人に備わっているはずです。このとらやの面々は、過剰なほど「人情」があり、また時には(たいてい些細なこと)衝突を繰り返しています。まるで落語の住人みたいですね。

この映画は『緊張と微妙な感覚的なズレ』そんな空気から“笑いのうねり”が生まれています。この空気感こそ『男はつらいよ』の醍醐味と想うのですが、いかがでしょうか。

 

○付記/メロン騒動について。山田監督が語る原体験とは…『ボクが小学生の頃に、お客さんが来て「子どもだから、早く寝なさい」と寝かされる。夜中におしっこがしたいので階段降りてきて、座敷にまだお客さんがにぎやかに笑ってる。そ~っとのぞくと、ケーキ食べてるんですよねぇ(笑)。もちろん「何で、ボクがいない時にっ!」て文句言いたいんだけど、子どもでもそれは言えない。だいいちボクは、もう寝たことになってるんだから。それでおしっこしながら、なんか涙が出てくるのね。それは何かというと、なんか自分が疎外されてるというかな、あの子には食べさせなくても、子どもはいいんだから食べちゃえ食べちゃえという、その疎外された感じが悲しくてね。お菓子もケーキも食べたいんだけど「疎外された感じが、悲しくて涙が出てしょうがなかった」という追憶がある…』なるほど、そうだったんですね。

 

(5700文字、Please enjoy “Tora-san's” movie.) お題「ゆっくり見たい映画」#男はつらいよ

啖呵売なら『男はつらいよ』で覚えた。なんの役にもたたないケドも。アイ♡ラブ寅さん【大好きな映画】

 

我が家では、盆暮れ『男はつらいよ』が鉄板行事

小学生から、中学生にかけてのはなし。🌴夏休みと☃️冬休みには「定番のお楽しみ」がありました。

お盆と年末の毎年二回、兄と一緒に『男はつらいよ』を観にゆくのが兄弟でのキマリだったのです。コレ、いまにして思えばじつに「シブいお子様」だよね、同級生達は「東映まんがまつり」だったのにね。<笑

なぜ恒例となったのかは定かではないが、気づいたらこれが鉄板行事となっていました。それで毎回、当たり前のように母親から入場料をもらって、チャリをこぎ築映劇場まで行くのでした。

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泣き笑い映画がよかった

もちろんこの映画は「大人向き」だったので、人情ストーリーをどれだけ理解出来ていたのか?あやしいね。でも、この映画の面白さは充分味わいましたよ、飽きませんからね、そして結構クセになるモノだ、とも認識した。

そしていまも、古い作品をたまに見直したりします。そこには昭和の原風景が拡がり、とても懐かしい心持ちがします。

やはり永久不滅の作品群なのですよ、男はつらいよは。「たいしたもんだよ蛙の小便、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし」てか。

 

姓は車、名は寅次郎、人呼んで 「フーテンの寅」と発します

~ご挨拶~

『わたくし、生まれも育ちも東京は葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んで 「フーテンの寅」と発します!』

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フーテンの寅こと車寅次郎

『西に行きましても東に行きましても、とかく土地々のおアニィさんおアネェさんに、ご厄介かけがちな若僧でございます。以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、恐惶万端お引き立て宜しくお願い申しあげます』

そして、極太の筆文字タイトル※が

男はつらいよドーン!!

そして主題歌♪が被せて流れる。

俺がいたんじゃ お嫁にゃ行けぬ
わかっちゃいるんだ 妹よ
いつか お前の 喜ぶような
偉い兄貴に なりたくて
奮闘努力の 甲斐も無く
今日も涙の 今日も涙の 陽が落ちる
陽が落ちる

 

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(※なんと毎回タイトル文字が、変化していた! 気づかなかった)

▷映画『男はつらいよ』第一作、1969年8月に公開される。家出から二十年振りに、葛飾柴又の「とらや」に帰ってきた車寅次郎は、おいちゃん、おばちゃん、妹のさくらと涙の再会を果たす。「お兄ちゃん! 生きてたの…」どうやらとらやでは、死んだことになっていた?

ところが、事件勃発。妹さくら(倍賞美津子)の見合い話を台無しにしてしまう。いたたまれなくなり旅に出る寅次郎だった。旅先にて、偶然にも奈良 東大寺で出逢ったヒトが、意外にも御前様と娘 冬子(光本幸子)だった。そこで一目惚れした寅さんは…話のテンポが早く、まるで舞台演劇を見ているかのストーリーの詰め方です。映画人の意気込みと役者陣の熱量で感動のラスト、さくらの結婚披露宴まで突っ走る。人情喜劇のお手本のような仕上がり方をしています。

男はつらいよ HDリマスター版(第1作)

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寅さん映画につきもの「啖呵売」にひかれます

シリーズ第一作からシリーズ五十作目の『男はつらいよ お帰り寅さん』まで、世界最長の映画作品シリーズとして、ギネスブック入り。またJALの国際線 飛行機内でも上映され、海外にも知られた作品となりました。

もちろん寅さんの代名詞『啖呵売(たんかばい)』。流れるような口上だけでひとを引き付け、商品をスルッと買わせてしまうスーパーテクニック。

この縁日での露天商、路上販売は地口などを混じえ、淡々と流れる独自の口上は、いまでは大道芸として高く評価されていますね。

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ご存じバナナの叩き売

代表的な『バナナの叩き売り』や『ガマの油売り※』とか『南京玉すだれ』などは、いまでも有名ですよね。こんな凄いひとがホントにいたのか。映画設定だからかな?いやいや、確かに昭和時代に、フツーに存在したのです。

(※ガマの油売りで有名な大道芸人に、石原耕氏がいる。立て板に水、見事な口上芸を魅せる)

 

~本の啖呵売~

『お客さん、いいかい。並んだ数字が、まず、ひとつ。物の始まりがいちならば、国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりがこの小父さんっての』パパン、パン!

『続いた数字が、に。兄さん寄ってらっしゃい、見てらっしゃいは、吉原のカブ。仁吉が通る東海道、日光、結構、東照宮、憎まれ小僧が世にはばかる。仁木の弾正、お芝居での憎まれ役。憎まれ小僧が出来ちゃいけねぇってんで、教育資料の一端としてお売りいたします』パン!

『続いた数字が、さん。お産で死んだか三島のお仙、お仙ばかりが女ごじゃないよ。ね。昔、京都は極楽寺坂の門前で、かの有名な小野小町が、三日三晩飲まず食わずで野たれ死んだが、三十三。とかく三という数字は、あやが悪い。三、三、六歩で引け目が無いとくらぁ』パン!

『続いた数字が、よっつめ。四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水。粋な姐ちゃん、立ちションベン。白く咲いたか百合の花、四角四面は、豆腐屋の娘、色は白いが水臭い。ね、どぉ。一度変われば、二度変わる、三度変われば、四度変わる、淀の川瀬の水車、誰を待つやらぁくるくると』パン、パン!

『続いた数字が、ご。ゴホン、ゴホンと波さんが、磯の浜辺で ねぇ、あなた。あたしゃあなたの妻じゃもの、妻は妻でも阪妻よっと、きやがったぁ』パン!

『続いた数字が、むっつ。ろく!むかし、武士の位を禄という。後藤又兵衛が、一本槍で六万石。ロクでもないガキが出来ちゃぁいけないと言うんで、教育資料の一端として、おマケしやしょう、この本』パン!

『ななつ、長野の善光寺。やっつ、谷中の奥寺で、竹の柱に茅の屋根、手鍋下げてもわしゃいとやせぬ。信州信濃の新ソバよりも、あたしゃあなたの傍が良い。あなた百まで、わしゃ九十九まで、共にシラミのたかるまでぇ、ときやがったっ!!』パパン、パン!

▽耳に実に心地よい、啖呵売の口上です。

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~畳みかけ①~

『これで買い手が無かったら、わたしゃ浅野匠頭じゃないけれど、腹切ったつもりだ、右に行って上野、左に行って御徒町、西と東の泣き別れ、というやつ、ねっ。角は一流デパート赤木屋、黒木屋、白木屋さんで、紅白粉付けたお姉ちゃんに、下さい頂戴で願いしますと、六百が七百くだらない品物だが、今日はそれだけ下さいとは、言わないっ!なぜかと言いますと、神田は六法堂という本屋が、わずか三十万円の税金で、泣きの涙で投げ出した品物です。四百、三百、二百、どうだ!百両だぁ、どう?』

~畳みかけ②~

『よしっ、こうなりゃ、やけのやんぱち、日焼けのなすび、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たないよ、ときたもんだぁ』パン、パン、パパン、パン!『結構毛だらけ、猫灰だらけ、お尻の周りは、クソだらけ。たいしたもんだよ、蛙のションベン、見上げたもんだよ、屋根屋のふんどしっ、てねぇ!』ほり投げる『ほら、もってけ、ドロボ~!!!』口上に客は、圧倒される。

 

フーテンの寅さんのモデルとなった人々がいた

渥美清さんが、語る。『小さいころは、物の考え方が人とちがうといわれたことはある。しいていえば、体が弱くて寝てたり、ゴロゴロしてた。だから、鉄ビンのシンシンという音だとか、物売りの声だとか、障子にかげる鳥の影だとかにひかれたね』意外にも小さい頃から、身体が弱かったらしい。

中学校を中退した渥美清さんは、工場で働きはじめるが、その後は職を転々としたらしい。不良化してからは、実家にほとんど戻らず、上野周辺を根城に悪い遊びの数々を繰り返していたという。

このころに「車寅次郎のモデル」となる「テキ屋のお兄さん」たちと出会い「啖呵売」を熱心に観察し、テキ屋稼業にドンドン魅了されてしまう。

▽映画での渥美清さんの啖呵売のシーン、ホント楽しそう。

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御徒町の角のガァーッと車が通って、人がワイワイ言ってて、ガァーン、ガタン、ガタン、ガタンガタン、なんとなくわいわいガヤガヤしてるところで、入れ墨をしたまっ白なからだで、パッとあめ玉を出してね「四谷、赤坂、御茶ノ水」くらいになってくると、客が静かになってくる。ガァーッという高架線の上を行く省線※の音も聞こえなくなってくる。そういう精神作用が、おもしろいのね』渥美清 浅草・話芸・寅さん』より  (※省線国鉄→JR)

 

寅さんキャラクター誕生時の逸話

新企画『男はつらいよ』の映画構想をねっていた山田洋次監督は、まず主人公を想定していた渥美清さんと、赤坂の旅館で対面しました。

一度話し始めると、まるで名人落語のよう。不良少年だった頃の話、上野あたりでテキ屋に憧れ、その世界に入った話。そして何よりも、驚異的なコトバの記憶力と、流れるようなテキ屋口上に、さらに巧みな話術で笑いをとる渥美清という異端の役者に、山田監督はとても驚いてしまった。

後年、山田監督は渥美さんの頭脳の良さを「天才だった」と、語っている。特に記憶力に関しては驚異的で、台本を二度、三度読むだけで完璧にセリフが頭に入ったという。

「この人は、本当に“頭がいい人”だな。こういう人が“愚かな男”を演じると、面白い話ができるのではないか」と想う。そして「落語に出てくる“熊さんのようなキャラクター”が、この人ならできるんじゃないか」と、確信を深めました。

渥美さんが持つユニークな個性にプラスして、江戸落語の「八つぁん、熊さん」などもくわえて、主人公のコンセプトであった『下町の不良少年のなれの果て』といった、とてもユニークな「寅さんキャラクター」が造形されていったのです。

だから寅さんは創作物なのに、リアリティがあふれ素晴らしいのですね。 

 

○次は、第十五作『男はつらいよ 寅次郎相合傘』メロン騒動記を描きたいとおもいます。

 

(4000文字、Please enjoy “Tora-san's” movie.) お題「ゆっくり見たい映画」#男はつらいよ

ようやく最後のチューリップが咲きました【ベランダー】

ワタシはいわゆる「ベランダー」住み家のベランダで園芸を楽しむ。園芸歴だけはやたらと長いが、なかなかどうして上達はしませんね。

 

昨年のこと。年末がちかづくころに、近所のホームセンターでチューリップの球根を買い求めました。赤、白、ピンク、黄色など、それぞれ二~三個ずつ。毎年たいして計画性もなくやるものだから、一気に咲き揃うこともない。

 

それで今回は、時期をずらして咲くように計算し、球根の植栽月をずらしてみた。初春になればカワイイ芽が顔をのぞかせ、葉と茎を天に向かってズンズン伸ばしてゆく。そんなイメージを描きながら、少しずつ球根を植えてゆく。これが嬉しみのひとつでもあるのです。

 

コロナ自粛で、家にひきこもりきり

 

年が明けてTVニュースで、中国での新型ウイルス感染云々と報道され始めた頃。最後の球根を埋める。果たして何色の花だったのかも判らない。

まさかまさか、世界中がコロナ禍で大変な騒動になるなんて、この時には想いもしなかったが。厄災はヒタヒタ迫り来る。

 

やがて時が過ぎ、日本も「非常事態宣言」というではないか。自粛、三密、家でひきこもり生活が始まった。そんな時の慰めだったのが「ラジオ番組とベランダの草花たち」だった。

 

『自然は敵にもなれば、味方ともなってくれる。』

 

そうだ、ラジオ番組にリクエストもしましたよ『マイ フェバリット ソングなのです!⇒『Rose』By 手嶌葵、お願いしま~す!』と、コメントした。

 

When the night has been too lonely 

一人きりで とても長い 闇夜

And the road has been too long 

そう あまりにも 長すぎる時間

And you think that love is only 

そんなとき あなたは想う 愛とは

For the lucky and the strong 

幸運と力ある人のものだと

 

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最後のチューリップ

Just remember in the winter 

だけど 思い出してね

Far beneath the bitter snows 

凍えるような 雪原の大地に

Lies the seed that with the sun's love 

その種は 太陽の愛を うけて

In the spring becomes the rose 

訪れた春に 薔薇の花を 咲かせている

 

そして、最後に植えた球根が、見事に開花した。いま黄色のチューリップが、爽やかな初夏の風に揺れている。夏は来ぬ。

 

▷おまけ/コロナ対策には、この曲を。『The Rose』Ver.手嶋葵【神曲】 - 無茶苦茶でござりまするがな

 


(1100文字、Thank you for reading.)

今週のお題「カメラロールから1枚」

JR 西日本鉄道 福知山線 脱線転覆事故。音声通話記録に人を想う、四月二十五日。九時十八分五十四秒【鉄道事故案件】

事故から十五年の歳月が過ぎた。暴走した列車車輌は、マンションに激突し大破。乗客と運転士107人が死亡、562人が負傷した未曽有の大惨事でした。

ことしはコロナ騒ぎで、例年行われていた慰霊祭は、中止となったそうです。

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列車にはたくさんの乗客が乗り合わせている。しかし運転室には、運転士ひとりのみ。孤独な閉鎖空間での仕事を、常にしいられている。刻々運行状況は変化し、突然の指示命令もくる。しかし、ミスは許されません。

 

<西日本旅客鉄道 福知山線 列車事故>

▷日時/平成十七年四月二十五日、九時十八分五十四秒、事故が起る。
▷車輌/福知山線(JR宝塚線上り快速 「5418M」207系 七輌編成
▷被害/乗客と運転士あわせ、合計107名が死亡し、562名が負傷した。

▼事故現場にある慰霊施設「祈りの杜」は、一般公開されている。

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事故現場周辺

当該車両の運行遅れは『80秒』だった。このわずかな遅れを取り戻すため回復運転を始めた直後に、脱線転覆事故が発生。我々の人生において、たとえ80秒の遅刻が60秒になっても、なんの意味があるだろうか?

 

①事故のあらまし

 

当該列車は、午前九時四分に宝塚駅を出発し、時速120キロ前後で北伊丹駅を通過。伊丹駅の停止位置、手前643メートル地点を約113キロで走行中、停車をうながす警告音、ボイス機能※1 がまず作動した。

再びボイスと警報が鳴りその直後に、運転士は常用ブレーキ(B8※2)を使用した。その時、オーバースピードに気ずいた車掌が、非常ブレーキを操作。

また運転士も非常ブレーキを使用し、約72メートルもオーバーラン伊丹駅に停車した。この72メートルは、通常ではありえないミス。3.5車輌程度が、前方にズレて停止した。

先頭車輌からはホームではなく、草っ原が見えた。

(※1 停車駅に接近すると運転士に「停車です、停車です」と女性音声で知らせる)(※2 列車ブレーキには「常用ブレーキ」と「非常ブレーキ」と「予備ブレーキ」の三種がある。B8は、常用ブレーキの最大値。さらに押し込むと、非常ブレーキとなる。予備ブレーキは通常使われない)

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運行経過表(時系列)

乗降客のために、所定停止位置へと戻る後退操作を始める。ところがまた、停止位置を三メートル戻り過ぎ、伊丹駅には9時15分43秒の到着となる。伊丹駅からの出発時刻は、「1分20秒の遅れ」となった。

車掌が次駅の案内放送を始めたところ、運転士からの車内電話があり「まけてくれへんか?」という。車掌は、行き過ぎた距離を過小報告してほしいといった意味と受け取り「だいぶと、行ってるよ」とこたえた。

すると再度、運転士が「まけてくれへんか?」という。

その時男性の乗客が、客室との間の仕切り窓をたたいたので、車掌は車内電話を受話器に戻した。車掌は、列車無線で「オーバーランを八メートル、遅延時間は、一分半」と司令所に過小報告をした。

(※乗客に「なんで、お詫びの放送せーへんのや?」「遅れているのに、あやまらんのか」と言われ「いまやろうと思ってました。いまから放送しますのでちょっとお待ち下さい」と応えた)

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運行経過表(時系列)

当該車両のフルノッチ『力行(りっこう)』が始まる。猪名寺駅通過後。速度制限は、時速120キロだったにもかかわらず、塚口駅の手前約75メートル地点で、時速124から125キロに達し、運転士はノッチオフ、弱いブレーキ(B1)をかける。この時、速度超過にたいして認識があった。

約一分十二秒の延通(えんつう)で、塚口駅を場内進行。

そして、続く速度制限70キロの右カーブには、116キロで進入。まず常用ブレーキ(B7)をかけ105キロまで落とし、さらに最も強くブレーキ(B8)もかけたが、九時十八分五十四秒、左前方に車輌が横転するように脱線、転覆した。

(※事故現場となった右カーブ、半径304m。塚口駅の南側 約1km、尼崎駅の手前、約1.4kmの地点。平成八年十二月に半径600メートルから、現行の304メートルに付け替えた。緩カーブから急カーブに付け替える工事は、滅多にない)

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事故現場状況

先頭車輌は一階駐車場内の奥へと突入し、二輌目はマンション外壁へ横から激突、さらに後続の三、四車輌に挟まれて圧壊。建屋壁面に巻き付くような状況で、前二輌は原形をとどめないほどまでに大破した。

福知山線 脱線事故、推奨動画/ナショナルジオグラフィック

 https://youtu.be/VnYxWBkganQ

 

②原因は、何処にあったのか?

 

運転士が伊丹駅にて、過小報告を求める車内電話を、車掌に切られたことを「断られたのか」と思い込み、車掌と指令員との『無線会話内容に意識がとられ、または自分のミスに動揺し、速度制限を失念。右カーブ進入時のブレーキ操作がそのために疎かになった』と、考えられている。

また、当該運転士の焦りや運転注意がそれた背景には『大幅なオーバーラン、速度超過、非常ブレーキ作動等々のミスにより「日勤教育、いわゆる懲罰的社員教育」を受けさせられることを、ひどく恐れていたからである』と、事故調査報告書ではそう指摘している。

 

③主な傍証としては

 
<経験不足な運転士>

『当該事故を起こした運転士は、当時23歳 運転歴は11か月で、運転技術や勤務姿勢が未熟だった可能性を指摘された』

JR西日本では長期間にわたり新規採用者を見送り、運転士の年齢構成が中抜き体制となった。運転経験が浅い新人に、運転技術を伝えるべき中堅運転士が、運行現場から消えたことが問題視されている。

『事故を起こした当該運転士は、過去に運行ミスなどで三回、日勤教育を受けていたが、事故直前の行動からみて何らかの“注意障害(ADHDASD症候群など)”を抱えていた可能性がある、と心理学上の見地からの指摘がある』(出典 ウキペディア)

単純に、運転士によるヒューマンエラーと、結論していいのだろうか? ワタシには、とても疑問が残ります。 

 

▷ここで、伊丹→尼崎間の『線見、せんみ』の旅に、出かけてみましょう。

youtu.be

<運転室の奇妙な状況>

運転士は一両目の運転室で、圧死していた。乗務員には「貸与された手袋を着用し、しっかりボタンをとめること」との社内規定があり、事故後に調査したときに、運転士の左手には『白手袋』が着用されていた。

しかし、右手には着用なく、右手袋は運転室内にあった。また、貸与された特殊な『赤鉛筆一本』が、運転室内に落ちていた。このことから推論出来るのは、司令員との無線のやり取りを「運転中に、右手でメモしていたのではないか?」ということである。

乗務後は、すぐ乗務員が報告を上げる義務があった。この対処のため慌てパニック症状に陥っていた、可能性があると思われます。

 

<何らかの障害の可能性>

例えば注意障害の人は、とかくミスが多い。なので失敗を怒られることも多くなり、三回もの「日勤教育※」が追い打ちをかけ、精神が病んでいた(通院、服薬?)と仮定すれば、こんな怖い話はない。

未必の「自殺 or 殺人」の可能性すら考えられます。運転士が注意障害だろうが、鬱病になろうが(本人、医師が認めなければ)列車運行からは、なかなか外してはくれない。あるとするなら、日勤教育である。

JR各社では“運転士不足が常態化している”のだから、洗脳教育で鍛え直して戦場に再投入するのだろう。まさに「パワハラ地獄」である。彼もまたその犠牲者だったと、想う。

(※国鉄時代から続く、JR西のブラックシステム。「乗務員休憩室や詰所や点呼場所から、丸見えの当直室の真ん中に座らせ、事象と関係ない就業規則や経営理念の書き写しや作文、レポートの作成を一日中させた。トイレに行くのも管理者の許可が必要で、プラットホームの先端に立たせて発着する乗務員に「おつかれさまです。気をつけてください」などの声掛けを一日中させたり、敷地内の草むしりやトイレ清掃などを命じるなど「見せしめ」や「晒し者」にする事例もあれば、個室に軟禁状態にして管理者が集団で毎日のように、恫喝や罵声を浴びせ続けて「自殺や鬱」に追い込んだ事例もあった。」出典 ウキペディア)

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④硬直した企業体質 

 

当該列車にはJR西日本の運転士二名(非番)が乗車していた。この社員らが職場に連絡を入れたところ、上司からは何と出勤を命じられている。

事故救助より日常出勤を優先させる『JR西日本の人命軽視体質』として報道され、大批判を浴びた。彼ら二人も、列車事故の被害者なのに。

 

<JR西日本の鬼畜上司>

事故車輌六両目に乗車していた、JR西日本の運転士の証言である。

中山寺駅で乗車し、六両目の右第三乗降口の扉付近に立っていた。(中略)名神高速道路を過ぎた辺りで、大きな揺れが「ガタガタ」ときたので扉横の手すりにつかまろうとしたが、それができないまま転倒し、他の客と団子状態で第一乗降口と第二乗降口との間まで「ズズズズー」と滑り、当該列車は、非常ブレーキではない変な力で「ドン」と止まった。

その間に室内灯が消え、予備灯が点いたことを覚えている。止まったとき、周りの乗客の「痛いっ痛い」と言う声と、五十歳くらいのサラリーマンの「脱線している」と言う声が聞こえ、砂埃が舞っていた。

その後七両目に移動して座っていたとき、車掌が電話機か無線機でやり取りをしているのが見えたが、その声は聞こえず防護無線機の音も聞こえなかった。

七両目に移動後、職場に電話して「電車が脱線した。それに乗っている」と伝えたところ「出勤は、何時だ?」と聞かれたので「(所定の出勤時刻は)14時です」と答えると「(その時刻までに)出てこられるな」と、言われたところで電話が切られた。

職場に向かおうとしたとき、第一新横枕踏切道の特殊信号発光機が「R現示」であり、特急(北近畿)が停まっていたので危ないと思い、遠回りになるが名神高速道路の塚口駅方の跨線橋を、渡って職場に向かった』という。

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これはいったい、何なんだろうか?? 確かにこれでは、言い訳の余地はない。JR西日本の、救い難いほどの“隠蔽体質”であり「風通しの悪い企業風土」がそうさせるのだろう。

 

~事故現場の生々しい状況が伝わってくる。その音声記録~

『事故直前、本件車掌と輸送指令Aとの音声通話記録』

 

転覆事故寸前に運転士と輸送司令Aが会話か?そして、そのプレッシャーで、運転士の操作注意が削がれたのだろうか。列車転覆後も輸送司令Aは、繰り返し運転士を呼び出している。

輸送指令Aの口述によれば『…自分は車掌の経験があるだけで運転士の経験がなく、列車の運転士が運転に忙しいかどうかというようなことは分からないので、こういうときでも列車無線で運転士に呼びかけることがあるが、運転士にその余裕がなければ応答しないであろうし、応答がなければ運転士にその余裕がないのかと思って、自分も必要以上に呼びかけることはしない』と、随分な言い訳をした。

車掌の経験があるならば、それで充分である。当該車輌は必死のパッチ回復運転なのだから、無線の相手する暇はない。それをなぜ執拗に呼びかけるのか。下図「運行の経過」に記載ある、会話を転記する。

(※回復運転とは列車が遅れている時に、通常より速度を上げる、ブレーキのタイミングを遅らせる、ホームで戸閉めを早める等々、各駅間で数秒ずつ稼ぎ全体の遅れを取り戻すやり方) 

 

<司令員Aと、車掌との通信>

 

(呼び出し音)

(指令員A)こちら、指令どうぞ。

(本件車掌)5418M の車掌です。どうぞ。

(指令員A)5418M 車掌、内容どうぞ。

(本件車掌)えー、行き過ぎですけれども、後部限界表示およそ8メートル行き過ぎて、運転士と、えー、打ち合わせの上後退で、えー、一分半遅れで発車しております。どうぞ。

(指令員A)後部限界を8メーター行き過ぎ。えー、後退、客扱い。えー、遅れにつきましては、何分でしょうか。どうぞ。

(本件車掌)あ、一分半です。どうぞ。

(指令員A)1分30秒遅れ。えー、それでは替わりまして、再度、5418M 運転士、応答できますか。どうぞ。

(指令員A)5418M 運転士、応答して下さい。どうぞ。

~9時19分15秒、録音記録終了~

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そして脱線後に車掌が、司令員Bに携帯電話で連絡をする。時刻にして、九時二十分以降と思われる。

 

『事故発生後、業務用携帯電話による、本件車掌と後続運転士と輸送指令Bとの音声通話記録』

 

「新大阪総合指令所 輸送指令B」と「おとぼけ当該車掌」との会話

 

この二人の会話内容からは、事故状況特有のヒリヒリした空気(切迫感)が、なぜか感じられない。司令員は、脱線車輌の“損傷具合ばかり”たずねている。

その一方で、後続の運転士からは、現場の焦燥と緊張感を感じるのだが。そこがとても不思議である。(一度声に出して、読んでみてください)

  (本件車掌)『…指令(A)が運転士さんの方に連絡したんです。そのあと、急ブレーキが掛かりまして、停車中です』←この発言が、気にかかる。

 

(指令員B)はい。JR 西日本の指令です。どうぞ。

(本件車掌)すいません。こちら5418Mの車掌です。

(指令員B)5418M、車掌どうぞ。

(本件車掌)え~、塚口から尼崎間、走行中ですけど。

(指令員B)塚口、尼崎間、はい。

(本件車掌)はい。えーっと、無線通じないもんで。

(指令員B)運転士の無線が通じない。はい。

(本件車掌)私も、何も入りませんので、電話かけました。

(指令員B)はい。どうぞ、内容どうぞ。

(本件車掌)えーっと、伊丹を行き過ぎて指令に、連絡したんです。その後、運転士さんがいう、いう合図で運転士さんが、急ブレーキ取りまして。

(指令員B)うん、ちょっと、意味が分かんないやけど。伊丹の所定位置を行き過ぎて、止まったということ?

(本件車掌)ちょっと前行き過ぎて、そのまま発車したんです。

(指令員B)え~、車掌さん落ち着いて、ゆっくりしゃべってよ。

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(本件車掌)はい。伊丹駅を後部限界過ぎまして。で、所定位置戻しまして、発車した後に連絡したんです。指令の方に。それで話をして、あと「運転士さん」とゆうて、あの、指令が運転士さんの方に連絡したんです。そのあと、急ブレーキが掛かりまして、停車中です。

(指令員B)いま、まっとるということ。

(本件車掌)はい。

(指令員B)何で、止まっとるの?

(本件車掌)ちょっと分かりません。

(指令員B)運転士に、無線通じなければ、運転士に、えー、運転士に非常時用の携帯でかけてくれと「ブーブッブブ」て、鳴らして。

(本件車掌)あ、すいません。いま、あの、脱線しております。

(指令員B)脱線しとる。

(本件車掌)脱線しとります。

(指令員B)えー、えー、何?

(本件車掌)脱線です。

(指令員B)何しとる。もう一回ゆっくりゆうて。

(本件車掌)脱線しております。

(指令員B)脱線?

(本件車掌)脱線です。脱線事故です。

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(指令員B)えーっと。列車が脱線してるということ?

(本件車掌)そうです。

(指令員B)あ~、それは何、車と当たっておる、とかそういうこと。

(本件車掌)そうじゃないですけど、前、前が、ちょっとよく見えないですけどね。

(指令員B)うん。前はよく見えないけど。

(本件車掌)はい。

(指令員B)脱線しているかも、わからんということ。

(本件車掌)脱線してます。線路から完全に、はみ出しております。

(指令員B)ちょっと、車掌さん、このまま待ってよ。

(指令員B)運転士さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)まずね、いま、止まっとる位置は、止まっている位置は?

(本件車掌)はい。

(指令員B)運、車掌さんの真横を見て電化柱の番号か、何か分かりますか?

(本件車掌)え~、番号は分からないんすけど、平尾自動車工業ちゅうとこの手前です。

(指令員B)平尾自動車工業の手前。

(本件車掌)手前ゆーか、その横に止まっております。

(指令員B)ほならね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)えーっと、どういうことか、よくわからんのやけども、電話このままの状態でね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)えー、まずは状況を教えてくださいな。ほんで。

(本件車掌)状況ですか。

(指令員B)うん。

(本件車掌)無線が完全に通じないもんでね、呼び出そうとしても。それで、急ブレーキ掛かったもんで、お客さんがみはりまして「どうされたんですか」と言ったら「前、脱線してる」ということで、お客さんが。

(指令員B)そしたら車掌さんね、一遍進行左側、列車から降りて、一遍、その前に走ってください。

(本件車掌)あ、分かりました。

(指令員B)電話はこのまま繋ぎますから。

(本件車掌)分かりました。

(指令員B)うん。

(本件車掌)このまま、ほんなら、行ってみます。

(指令員B)ほんで、車掌さん。

(本件車掌)いまから行きますんで。

(指令員B)早く行って。車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)いまどこにおる?

(本件車掌)いま、あの、あの、線路に降りております。

(指令員B)それで。

(本件車掌)見に行ってます。

(指令員B)うん。

(本件車掌)ちょっと、見に行きますんで。

(指令員B)うん。

(本件車掌)降りて、道路際の方行ってます。道路際まで行っております。

(指令員B)車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)車掌さん、いまどこまで来た、車掌さん。

(本件車掌)負傷者がたくさんですんで、恐れ入ります。

(指令員B)負傷者がたくさんおるということやな。それは、それは列車に乗っているお客様ゆうこと?

(本件車掌)そうです。

(指令員B)うん。そんでね、車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)前に、前、前まで、行ってもらっとるか? もう。

(本件車掌)まっ、前ですか。

(指令員B)列車の運転席まで行ってもらった。前の運転士のとこまで。

(本件車掌)運転士さん、ちょっと、あのー。

(指令員B)ほならね、いま、車掌さんどこにおるの。

(本件車掌)え~と、一番前の方でなんですけど。

(指令員B)ほんなら、その列車は、その列車は、なんで脱線しとるのか?自動車とぶつかっとるとか、そういうことで、そういうことなんですか?

(本件車掌)自動車じゃないと、思います。

(指令員B)自動車では、ないけども。

(本件車掌)はい。

(指令員B)ほんならね、それ七両編成やわな。

(本件車掌)はい、そうです。

(指令員B)七両編成で前の方は、どういう状況になってますか?

(本件車掌)前の方は、もう、完全に、グチャグチャになってます。

(指令員B)グチャグチャになっとるて、何がグチャグチャになっとるの。

(本件車掌)えー、へこんだ状態になってます。運転士さん、運転士さんの方が。

(指令員B)運転士の、一番先頭車がグシャグシャって、意味が分からんのやけど。

(本件車掌)あの、事故におうた車の状態、考えていただいたら分かると思います。

(指令員B)だからそれは、自動車と衝撃してるとか、そういうことなんですか。

(本件車掌)自動車とは、衝突しておりません。

(指令員B)自動車と衝突してないのに、何で、自動車と衝突していないのに、脱線しとるということですか?

(本件車掌)そうです。スピードか、出し過ぎか、あれなんか、ちょっと分からんですけど。

(指令員B)ほんで、運転士はいま、どこにいますか。

(本件車掌)運転士さんですか。

(指令員B)うん。

(指令員B)車掌、5418M車掌、当該の車掌。

(本件車掌)はい。救急車の手配よろしくお願い致します。あのー。

(指令員B)もし。

(本件車掌)はい。

(指令員B)車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)運転士は、ほな、近くにいますの?

(本件車掌)いや、おら、いないです。

(指令員B)運転士がいない。うん。

(本件車掌)へっこんだ状態になってます。

(指令員B)そんで、先頭車の状況を、ゆっくりゆうてよ。

(本件車掌)先頭車は、え~と、脱線した状態で、横になっております。あの…。

(指令員B)大阪に向いて、右側にゆがんでるの、それとも、左側にゆがんでるの?

(本件車掌)左側です。

(指令員B)左側に向かって、傾いているんだね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)ほならね、そこに行くまでに、ほんまにね、あのー踏切ありましたか?

(本件車掌)踏切と、ありますけど、なんもありません。

(指令員B)なんでそれが、先頭車両が、運転席が潰れている状況なのですか?

(本件車掌)そうです。

(指令員B)運転席が潰れている。

(本件車掌)はい。

(指令員B)進行方向左側に、先頭車両だけが傾いていますか。

(本件車掌)傾いて…。

(指令員B)傾いてるのは、何両目と何両目が傾いてますか。

(本件車掌)一両目、二両目、三両目です。

(指令員B)一両目、二両目、三両目とも傾いている。

(本件車掌)はい。

(指令員B)ほならね、とこした、床下を見てもらってね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)台車、車輪はレールからはずれて、脱線していますか?

(指令員B)車掌さん。

(本件車掌)はい。

(指令員B)車掌さん。

(本件車掌)はい。はい。

(指令員B)現地に、ほな、警察や消防が来とるゆうことですか?もう。

(本件車掌)来ております。

(指令員B)車掌さん、いま誰としゃべっとんのよ。

(本件車掌)警察の人です。

(指令員B)警察の人、来とるんやね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)うん。

(本件車掌)あの。

(指令員B)とりあえず、私の言うことをね、もう一回整理しますよ。

(本件車掌)はい。

(指令員B)車と当たったようなことは、ないと思うんやけども。

(本件車掌)はい。

(指令員B)先頭車両の運転台の方が、潰れていると。

(本件車掌)そうです。

(指令員B)それで、前から一両目、二両目、三両目が進行方向左側に傾いている。

(本件車掌)傾いて、あの、副本線の方に、あの、二両目と三両目、二両目がこっちに傾いている。副本線というか、下りの方に。こちらの方に。

(指令員B)一両目は左側、二両目は何処に傾いておるって?

(本件車掌)左側です。

(指令員B)一両目も、二両目も左側に傾いているね。間違いないね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)三両目は。

(本件車掌)三両目は、三両目、三両目はちょっと分からないです。

(指令員B)分からなかったら、分からないでいいですわ。

(本件車掌)はい。

(指令員B)ほならね、とこ下、床下の台車を見てもらったら、車輪とレールは、はずれますか?脱線していますか?脱線はしとんの?車掌さん。

(本件車掌)はい…はい。

(指令員B)いいですか、床下の台車を見てもらって。

(本件車掌)はい。

(指令員B)えー、車輪は脱線していますか。まず一両目は?

(本件車掌)一両目は、脱線しております。

(指令員B)四軸とも脱線か。

(本件車掌)はい。

(指令員B)四軸ともね。

(本件車掌)はい。

(指令員B)二両目は。

(本件車掌)二両目は、三両目と二両目の間に入っております。

(指令員B)え~!?

(本件車掌)三両目と二両目の間に、入っているような状態です。

(指令員B)何だって、良く分からんな。二両目は、脱線しているんですか。

(本件車掌)二両目、はい。

(指令員B)二両目と三両目が何だってゆうた。いま?

(本件車掌)えー、食い込んでいるような状態なっとる。

(指令員B)食い込んでいる。

(本件車掌)はい。

(指令員B)二両目と三両目が、食い込んでるんですね。

(本件車掌)はい。はい、そうです。

(指令員B)分かりました。ほならね、いま、JRの社員は、車掌さんと誰が居ますか?

(本件車掌)えー、運転士さんです。ちょっとお待ち下さい。

(指令員B)運転士にこの電話、変わってください。

(本件車掌)はい。

(後続運転士)もしもし。

(指令員B)運転士さん。

(後続運転士)後続ですよ。

(指令員B)えー?!

(後続運転士)後続列車の運転士ですよ。

(指令員B)後続の運転士さんな。

(後続運転士)はい。

(指令員B)当該列車の運転士は、おらんか。

(後続運転士)ぼくも探してるんですけど。

(指令員B)いないの?

(後続運転士)いないんですよ。で、ちょっと良く分からないんですけど、もう、電車がグシャグシャで、もう、三両分くらいグシャグシャの車両あるんで、何処が先頭車両か、ちと分からないんですよ。

(指令員B)あーそ、そんなに、ひどいの。

(後続運転士)もう、グシャグシャです。上下線、上下線に渡って、もう車両が、もう横に倒れて。

(指令員B)完全に横転している。倒れてるの。

(後続運転士)横転というよりも。

(指令員B)傾いているの。

(後続運転士)いいえ、そういう次元では、なくて。

(指令員B)うん。

(後続運転士)前、一番、えー、数えたら三両目くらいは、四両、三両、四両分くらいは、グシャグシャになって、なんて言うか、原形を留めずにプレスされて、こう。

(指令員B)ほならね、後続の運転士さん。

(後続運転士)はい。

(指令員B)何が原因だと思われる?

(後続運転士)僕が最初に思ったのは、車と衝突したように思うんですけど、どうも、その、ぶつかった相手の車のようなものが、ないんですよ。回りに何も。

(指令員B)うん。

(後続運転士)電車の残骸だけが。

(指令員B)うん。

(後続運転士)散らばっていて。

(指令員B)うん。

(後続運転士)両脇の線路の、線路のフェンスが、フェンスが、あの、物が突き破って、車道の方にも、電車が飛び出ているんですよ。

(指令員B)よっしゃ、このまま電話を切らんと、このまま待ってよ。

(後続運転士)はい…。

(※JR西の当初発表が「踏切内での乗用車との衝突事故」としたために、警察発表で否定されるまで、列車が“乗用車と衝突した”と、報道され続けた)

 

本件車掌が脱線を現認、まずやることは「防護無線の発報」で、それが電源ロス(バックアップ電源は?)で不可能ならば、発炎筒をかざし後続列車への注意喚起すべきだろう。とにかく二重事故は、最優先に防がねばならない。

上記の会話記録から素直に感じることは、当該指令員や本件車掌の『リテラシー能力』の無さである。見る、話す、想像する、考える、判断する、といった人間にとって一番大切な能力が、著しく欠けているのだ。これは何故か?

当時「脱線事故現場から消えた車掌」として、マスコミからずいぶん非難された松下氏は、このあとすぐに警察での事情聴取に同行したらしい。ある意味、警察が加害関係者を保護したともいえる。

日勤教育のように個人責任ばかりを追及し、安全よりも利益を優先してきた会社の体質が、省みられていません』当該車掌だった松下正俊氏は、後日雑誌上にて、そう語っています。

(追記/最近になり、例えば『JR西日本グループ 鉄道安全考動計画 2022』によれば「異常時には、現場判断を最優先とする」としている。しかし、列車運行者が独自判断で停車すれば、その心理的負担には耐えられないのではないか、とも考えられます)

JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022概要:JR西日本

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~反対方向からは、下り特急北近畿が事故現場に近ずいていた~

『事故発生後、特急列車運転士と輸送指令員Cとの列車無線通話記録』

当該事故発生と同時刻。下り線には、新大阪発 城崎温泉行き特急『北近畿 三号(3013M)』が近接中だった。近隣の住民が近くの踏切非常ボタン(第一新横枕踏切)を押したため、特殊信号発光機が点灯した。

特急運転士は異常を察知し、事故現場の約100m手前で緊急停止した。すぐに防護無線を発報して、多重事故はかろうじて回避された。対抗列車は陸橋右カーブを降りスピードが出やすい、相当まずい危機的状況でした(下図6)。

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事故現場付近の車輌状況

⇒『雑音がうるさくて、聞き取りづらいです。どうぞ』一分一秒を争うだろう事故現場において、こんな「ポンコツ通信機器」で報告しなければならない現場が、気の毒である。改善すべきは、情報システムではなかったか。

(※列車防護無線装置は、二次事故を防止するための安全装置。踏切事故など緊急時に当該列車から無線信号を発信、付近エリアを走行する列車に停止信号を与えて、全車輌停止させる) 

 

対向車輌「北近畿三号の運転士」と、「指令員C」との会話

 

(指令員C)こちら輸送指令です。呼ばれた乗務員、列車番号からどうぞ。

(K運転士)えーと、こちら、3013M、3013Mの運転士です。塚口駅手前の第一新、えー、横枕、えー、踏切、人身事故、えー、列車事故発生です。えー、列車が横を向いて、えー、線路上下線とも支障いたしております。ただいまから防護無線を、発報してます。どうぞ。

(指令員C)5418M列車は、何かと当たってるんですか。どうぞ。

(K運転士)えー、現状が分りづらいですが、車両が横転、上下線とも、えー、上下線ともふさいでいます。

(指令員C)車両横転して上下線ふさいでいる。防護無線発報して下さい。防護無線発報して下さい。防護無線発報して下さい。防護無線発報して下さい。3013M、防護無線発報して下さい。3013M運転士、どうぞ。

(K運転士)3013M防護無線、発報いたしております。

(指令員C)はい。3013M運転士、防護無線発報、内容了解です。
えー、それでは3013M、えー、分る範囲で結構です。詳しい内容を教えて下さい。どうぞ。

(K運転士)えー、列車が、えー、かなり大破しております。何両目か判りづらいですが、第一閉塞、下りの第一閉塞信号機あたり、列車が横転しております。横転、横を向いております。横転はしておりません。横を向いて、上下線とも支障しております。

(指令員C)えー、第一閉塞あたりで、えー、横を向いて、倒れているということ、えー、踏切内、踏切で何かと当たったということでしょうか。どうぞ。

(K運転士)えー、聞こえづらいです…。

(指令員C)踏切内で何かと衝突して、脱線しているのでしょうか。どうぞ。

(K運転士)えー、今のところ、えー、何かとぶつかっているような感じがないのですが、横を向いて曲がっているので、何かと衝突したのだと思われます。どうぞ。

(指令員C)横を向いて曲がっているので、何かと衝突したと思われるということ、内容了解です。えー、それでは、3013M運転士、そのままそこで待機。そのまま待機して下さい。どうぞ。

(K運転士)3013M 運転士、そのまま待機了解しました。

(指令員C)はい、そちら…。3013M 運転士で、再度、えー、横転している場所、もう一度、第一閉塞付近というのは、内容理解できました。えー、詳しく教えて下さい。どうぞ。

(K運転士)え…? 内容が聞き取りづらいです。もう一度お願い致します。どうぞ。

(指令員C)えー、3013M 運転士、えー、それでは携帯電話、異常時の携帯電話にて指令まで。

(K運転士)~応答なし~

(指令員C)えー、異常時の携帯電話にて、連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)すいません、あのー、雑音がうるさくて聞き取りづらいです。どうぞ。
(指令員C)えーそれ、異常時の携帯電話にて連絡下さい。異常時の携帯電話にて連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)~応答なし~

(指令員C)3013M 運転士、異常時の携帯電話にて連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)申し訳ありません。あの、何をどうしたらいんでしょう。聞き取りづらいです。雑音がひどくて、聞こえづらいです。どうぞ。

(指令員C)えー、3013M、とりあえず、車掌どうぞ。

(特急車掌)~応答なし~

(指令員C)3013M 運転士どうぞ。

(K運転士)3013M 運転士です。どうぞ。

(指令員C)異常時の携帯電話にて無線、指令まで連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)えー、車掌を呼び出すという内容でよろしいでしょうか。

(指令員C)違います。異常時の携帯電話にて、指令まで連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)~応答なし~

(指令員C)異常時の携帯電話にて、連絡下さい。どうぞ。

(K運転士)~応答なし~

(※……は、音声不明瞭な部分)

 

 まとめ『一事を以て、万端を知る』である

 

そして最後に、当該事故に関する経営者の考え方は、どうであったのか。大切なのは「安全に対する考え方」であるのは論をまたない。当時のJR西日本は、日本中の鉄道会社で唯一『余裕時分※全廃』の経営方針を打ち出した、狂気の鉄道会社だった。その結果…なのだ。

(※余裕時分(よゆうじふん)は、運行に必要な所要時間にプラスして“遅延対処を目的”とし、ダイヤに余裕を与える時間。この余裕時分がないと、回復運転はまず不能となる)

「事故において会社の責任、組織の責任なんていうものはない。そんなのはまやかしです。個人の責任を追及するしかないんですよ」JR西日本の元社長 井手正敬氏は確かに、そう語った。そして自身が訴追された。天網恢恢…

JR西日本に、この曲を捧げたい『希望という名のひかり』

youtu.be

JR西日本のホームページのトップには、「福知山線脱線事故」がまず掲載されている。また『安全第一』とも書かれていますね。
希望の光はまだある、頑張れ! JR西日本!!

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JR西日本のHP

▷リンク1/⇒JR西日本 West Japan Railway Company:トップページ

▷リンク2/運輸安全委員会 福知山線脱線事故 事故調査報告書⇒https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/bunkatsu.html

 

参考、引用/運輸安全委員会 事故調査報告書、ウキペディア、JR西日本

(13.600文字、You read it, thank you.)