思えばこの「由良トンネルの怪」をはじめて聞いたのは、小学生の頃だった。いまから何十年もむかしのコトですから、相当年季がはいっている怪談となりますね。何かやだなぁ~
地元に伝わる恐怖の「首なしライダー」とは?
地元の噂話によれば…こうだ!
夜間に一台の乗用車が、旧道「御坊湯浅線」を走っていた。紀州の山道のこと、あたりには人家もなく真っ暗闇。ただ見えるのはヘッドライトが照らす黒い森と、やたらクネっ曲った道路のみ。
やがて「由良隧道トンネル」にさしかかった。トンネル内は、対向車がスレ違い出来ないためスピードを緩め、ドライバーは前後を用心しながらゆるゆると進入する。
トンネル中程まで来た時に、バックミラーにライトがひとつ映った。どうやら後続車のようだった。
後方からオートバイが一台、スピードを上げながら急接近してきた!
やがて白バイが乗用車右側で並走する。
「いったい、なんだろうか・・何かあったかな?」
ドライバーがたまらず横を向いて見ると…白バイ隊員の首から上が無かった、、、~泣💦
「嫌ぁぁぁっ~!!」
………………………🚗ぐぅ😱げっ💦……………………
なんでも、ここで殉職した白バイ隊員がいたらしいのだ。そして、このトンネルの近くには「古い慰霊碑」があって、この「殉職した警察官」のモノという。しかし、ホントに白バイ隊員の慰霊碑だったのかな…?
少し調べてみます。
トンネル内部には電灯もなく、水たまりも出来やすく、壁面も地下水で濡れている。でこぼこの荒掘りになっていて、まるで巌窟王の洞穴の感あり。
でもこれ「隧道マニア」には、たまらない逸品と想われますね。侵入口頭上の「由良洞」の文字(けっこう見えずらい)も、何だか誇らしげですよ!
和歌山県の真中辺り、南北に走る「御坊湯浅線(県道23号)」ちょうど由良町と日高町の境目に「由良隧道トンネル」があります。
「由良隧道トンネル」は、明治時代の建築遺産
正式名称は「由良洞隧道」や「由良洞」ともいわれ、もしかすると現役トンネルでは『日本最古級』かも知れませんよ!
地元郷土資料には…『熊野街道は有田、日高の郡境に横たわる鹿ヶ瀬山の急勾配にはばまれ、人と牛馬の往来が困難であった。この街道を鹿ヶ瀬周辺で根本的に付け替え、由良回りの県道として完成されたのが、明治二十二年のことでした』とある。
「由良洞隧道」は、現在の県道「御坊由良湯浅線」にあり、阿戸から日高町池田へと抜ける「全長一三八・四メートル」の当時にしては、わりと長めの隧道だった。
『明治の県道「熊野街道」を由良回りに誘致したとき貫通したもので、工事には囚人なども動員されたと言われ、当時は郡内でも類を見ない早期の設置であった。昭和四十年の国道開通により通行量も激減し、現在ではほとんど人通りも絶えている』(由良町誌より)
この記事中で、特に気になったのは・・
『工事には囚人なども動員され』 という一文。
明治二十二年。まだ人権意識の低さから、落盤事故などの物故者の扱いも、ぞんざいだったのでは?それでトンネル工事現場近くに、ろくに弔いもせずに適当に葬ったのではないかな。人柱とかさぁ・・・😱ひぇ
それを哀れんだ心ある人々が『慰霊碑』を建立したとも考えられるではないか。しかし、それだと怪談がもっと怖くなるやん~💧だよねぇ!
それで、“本当の事情”はとても言えないので少し話をアレンジして、親から子に怪談として語り伝えたのでは、ないかな?
「あの場所には、近づくなっ!」と。
▽入口はレンガ造りでレトロ感満載です。機会あれば是非一度ご笑覧あれっ!
▷案件住所/和歌山県 日高郡日高町 大字池田。県道二十三号線。
(1500文字、have a nice day!) 今週のお題「怖い話」