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あがら おもしゃいやしてぇ~ よう~ ゆわよ ノシ

注目!正統派「京風雑煮の作り方、あれやこれ」やっぱりお正月には「雑煮」、絶対欠かせませんよ!【雑煮レシピ】

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旧年中は大変お世話になりました。新年もよろしくお引き立ての程、お願い申し上げます。

日本には、世界に誇るべき「和食文化」がある

なかでも「お節料理」と共に、欠かせない「雑煮」の食文化は、日本人のアイディンティテ・・(舌噛みそうだ)にかかわる大事なモノなのである。

大掃除、暫し一杯 年の暮れ

はいはいはい、ワタシを呼びましたかな?申し遅れました、ワタクシ別名「象2マイスター」とも呼ばれております「雑煮たける」で御座います。🍶´-あ、いやぁ・・酔ってませんよ~これくらいでは、まだ、まだ。

ハイ日本の各地方には、ユニークなお雑煮が、沢山あります。たかが、雑煮。いやさ、ソコは譲れぬ雑煮。その家に代々伝わる家系伝統食文化「その家の象徴」そのモノなのであります。

餅ひとつとっても、丸いのやら、赤いのとか、四角いのやら、カマボコみたいなやつ。そのなかでも凄いのは「四国は高松の餡子餅の雑煮✨」です。話には聞いていたが「何だこれ、見るからに…ゲ(いやいや、餡外ウマいのかも)」つらいのォ~と~るちゃん(あぁっ、この流れはイカんでぇ)と言う訳で、ブログにチャッチャと「雑煮ネタ」、まとめることにしたのであった。

山中塗 雑煮椀 5客 溜金雲 4631

実は「白味噌雑煮」には、長い歴史的背景がある

雑煮の歴史は平安時代辺りにまで遡るらしい。詳しいことはよく解らない(あんま調べていな~い)が、もとは貴族文化からではないだろうか。やんごとなき方々の元日、朝賀式あとの「節会料理の一部分(既に謎だな)」がそのうちに「中央から⇒地方へ」伝播しまくり、各土地々にて各種変化果たした食べ物と想えるぞなもし。

ですから平安京仕立てがそもそも、正統派なのでありま~す(あくまでもコレは仮説です、違うかもしんない)STAP細胞はありまふ!

「京雑煮♡愛」その永き歴史!ばばーん!

はい、受験生、ちゅ~も~く!「雑煮 794て 何が平安京」\_( ゚ロ゚)ここ重要。覚えたァ?平安京は7940年頃に出来ますた。「よい国作ろう鎌倉幕府」4192年に成立シマシタよね。飛ばす、都バスぅ!

ハイ、おめでとう合格!わ~いかんぱ~い🍻

「歴史は大切」でい、雑煮歴史のお勉強会っす。

 

お雑煮MAPに御注目、ですよ

え~この地図に拠れば「自分の住んでいる地域」にある雑煮形態が分る。それがモノの見事に判るのですよ。なかなかに興味深いMAP(コレは探偵ナイトスクープが作った「阿呆 馬鹿 分布図」みたく出色な出来)です。色々な食文化圏が垣間見えて、実に面白いのであ~りますよ。

この分類、ざっくり言えば東軍が角餅焼く、西軍が丸餅煮ると、ハッキリ、クッキリ、日本は二分割されています。

そして...激突するのは関ヶ原これはまさにィ~「天下分け目の餅大戦」ではないかっ!!パパン、パン ((🍞

狸内府如きにヘコヘコしてるヤツらは緑一色だ、コレは昔の衆院選「小池○合子に尻尾フリフリ振った挙句ヘタこいた奴ら」と一緒でござろう。それに対し「西日本勢のバラエティの豊かさ?」よ。まるでまとまり無く、てんでバラバラな有り様じぁごじぇ~ませんか。しかし、どうなんだろネ・・・

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農林水産省 お雑煮MAP

☝注目すべきは先ずはココ→四国は「高★松」いいですかぁ、皆さん。此処が孤軍奮闘「餡入り丸餅白味噌雑煮」地帯ナノです。なかなかの“謎深”ですね。ありゃりゃ、和歌山は新宮地域、なんだっ、ひとり西軍裏切って「角餅焼いて」いるでは無いかっ!ぐぬぬ~いつ寝返ったのか?!

あと、「出雲の小豆一族」がある。一部地域が白くなっているよね、何故か因幡の白兎状態だ。ここの正月の椀物見ての感想「善哉やんかいさぁ~コレ。えぇ…雑煮なん?ウソやぁ」地域なのであります。

しか~し。これは「孤高の存在」であり、素晴らしいことだ。尊い。ちなみに、出雲のぜんざいは「神在(じんざい)餅」に起因するらしく、出雲地方が“ぜんざい発祥の地”とされています。そうだったのか、知らなかった。

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あ、思い出した。ずいぶん以前のはなしで、昔話です。島根の山また山奥の例えば・・「海水浴に行くのにやで、バスで二時間以上もかかったンや(本人談)」と言うぐらいの、山間部出身の○丸さんと何故か「出雲の食文化」について熱く語り合ったことがある。まずは無難に攻めてみる。

出雲そば、アレ黒くて美味いねぇ~!!」ソールフード!

「割子やったろ、わりこ!」蕎麦が三分割されていた。

宍道湖シジミな、アサリみたいでデカかったなぁ!」

「うん、うん。そうやろデカいで」のってキタ~♪

「ボテボテ茶、あれな、既にお茶とチャウやろ?ゲロみ・・」

などと、次々と誘導技を繰り出したのだが。遂に福○氏は謎の『小豆雑煮』を語らなかった。てんで口を割らなかった。知らんぷりしたのだった。多分コレは、島根県でもごく限られた小地域しかない「ミニマム食文化」なのでせう。多分、キットそうだ。

 

ねっ、日本の食文化は、やっぱ凄かろが

いや、かえっていま“夫婦善哉”が喰いたいっ。塩昆布付いてるヤツ。

 

さらにお気ずきでしょうか「お雑煮MAPには、北海道と沖縄はな~い」完全な“ディスり状態”であると言える。どっかの半頭人が作った「おバカな日本地図」みたいになっている。この事は近世まで「平安京政府の民部省雑煮管理局」の管轄外にあったコトを、如実に示しているのではありますまいか。ドン!(机叩く)

そうそう、昔だけど一度だけ沖縄(さらに離島だな)で年越しをしたことがある。その時は初詣すらしなかったよお。確か沖縄には⛩️神社すらなかったのだから、そりゃそ~だよね。

嗚呼、愛しの楽園よ。ご無沙汰しちょります

もしかすると・・沖縄では「春節祭(旧正月、二月の中頃)」をメインとしているのかもしれないな。ならば、正月には道民は「シャケ汁(アイヌ料理?)」をすすり、琉球人は「ヒージャー汁(定番)」を喰っていたのかもシレヌわいな・・よー知らんけど。

 

オマンたせ痛っしました。ようやく京風雑煮のハナシ

 

まずは、そろえねばならない食材解説。

丸餅、西京味噌、人参、大根、八頭、焼き豆腐、あしらいは三つ葉&鰹節

間違っても「鶏肉」は入れない。「おいちぃ?」それは、ダ~メなのです。何故なら雑煮は「神饌料理」だからです!

有職 料理平安時代の貴族の社交儀礼の中で発達した大饗料理が、公家風の料理形式として残った物である。ただし、現在「有職料理」と言われている物は、本膳料理などの影響も受け、平安時代当時そのままの様式ではない。また、本膳料理有職料理に含める定義もある」

大饗 料理長屋王邸出土木簡などから、奈良時代には既に貴族社会で接待料理が成立していたことが伺えるが、その具体的な形式は不詳である。それが発達した物が「延喜式」神祇項目に出てくる「神饌」と思われ、春日大社の神饌や、談山神社の「百味御食(ひゃくみのおんじき)」などにその形式を残していると考えられている」(出典元Wikipedia)

子供なのでわかりまちぇん。ようするに雑煮は「神様を御接待」なのか。歳神様にお供する「接待料理」てな位置づけでいいよね。

 

いよいよ食材を揃えるの巻

 

[お餅]

京風での餅は丸餅に限る。“武家文化の地域は切餅”らしいが。また、焼くか?生なのか?でも好みが分かれる。「京雑煮は丸餅の生」で、頂きたいもの。ぬるっと溶けて伸びてびよょ~ん、まるで巨大なグミ化するのであるよ。そうだよね、京都人の餅をついた性格みたいに・・ 丸くて色白な美男美女を想起させる、その姿。素晴らしい!はいっ👏ブラボ~!

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毎年何故か「年寄りが餅を喉に詰まらせ」ニュースとなる。それほどの、命を賭してまで、食べたいっ食材なのですねぇ、よく判かります、解りますとも。子供の頃よく唄ったものだね。

♪お正月には モチ食ってぇ~喉に詰まって あら大変、早く来いこい 霊柩車~♪

餅の美味さは「米と水とつき方」にあるらしいのですが。買うのは近くの和菓子屋さんの「つきたて手ごね丸餅」が一番でしょう。家庭円満には、まるっと丸餅ですね。切り餅は角が立ち、やはり雑煮には相応しくな~い。因みに平安時代のマロはふらふら~と、宜しきおなごの御家に行き、丸餅三つ喰っただけで“結婚が成立”したらしいのですよ「あなゃ、丸餅の魔力、スゴっ💦」何とも“恐ろしい話”だね。餅には気を付けねばなるまいて、皆の衆よ。

 

[大根]

大根は聖護院大根が京風。京のべったら漬の原料として有名である。でも高いし関東では入手困難か。それで青首大根かな、まあこのあたりが現実的な線だな。個人的には和歌山産“布引青首大根”を推し!これ絶品ですぞぉ。しかし、例年大晦日になると必ず品薄、高騰する。切り方は銀杏切りで。そう胃腸のためには、銀杏切りで!OPメダリスト伊調馨は、先祖が銀杏の大木の近くに住んでいたから、その苗字になったそうだ。これホンマやでぇ! 

 

[金時人参]

京ニンジンとも呼ばれるが、主な産地は「香川県大阪府」などである。カーマインレッドが情熱的で何ともステキ!魅惑的な白い筋浮き上がり「関西オバチャン層」には、大層な御人気。デコピンリコピンが豊富に含まれる。甘いだけの西洋キャロットめ「ざけんなよっ」である。「我らこそ年末の紅組代表種」であると、自己主張する。皮付きママ薄く輪切りにして花弁に抜く。椀に咲く梅の花の風情だ。よ~し、今年の初詣は“天満宮”に行こうぞよ。

「東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」By 菅原道真

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金時人参、別名を京人参
金時人参14cmX45cmX100枚

金時人参14cmX45cmX100枚

 

 

[八っ頭]

里芋の親玉ですね。産地は丹波篠山ものが絶品です。丹波篠山は松茸、筍など山の物が有名であるが、芋系の名産地でもある。その見た目の厳つさで「うっ・・コレは」となるが、なかなかコレが。美味いよ!高いよ!入手困難です。関西お節では大人気の芋なんですよ。で、まぁ一般人的には、スーパーで手頃な里芋子芋を買うこととなる。あと、エビ芋も使えますね。面取りして、塩揉みしてスタンバイはOK!これにて鍋待ちの風情となる。むふふぅ

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八頭イラスト(朝日新聞からお借りしました)
Oishiina Shop 八つ頭〈ヤツガシラ〉 1ケース 4Kgから10Kg前後 8個前後

Oishiina Shop 八つ頭〈ヤツガシラ〉 1ケース 4Kgから10Kg前後 8個前後

 

 

[焼き豆腐]

豆腐は木綿でも絹でも無く、雑煮には「焼き豆腐」である。オススメは京都嵯峨野にある、知る人ぞ知る森嘉(もりか)さんの焼き豆腐(1丁200円ほど)です。しか~し弱点は日持ちがしないこと。(賞味期限が当日限り)地元でなければ、ミッションインポッシブル!ならば東西新聞社の山岡に頼むしかないかな「よ~し旨い焼き豆腐、食わしてやる、今日中に」とか叫んで新幹線に飛び乗る訳だが。グルマンは高くつくよねぇ・・これはヤバい。

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森嘉の焼き豆腐、ドヤッ顔

 

[西京味噌]

本場京都のお味噌やさん「本田味噌」ですね。ヤッパリ一番大切なのは、味噌なんですよ。違いが分かる男の西京味噌推し。食通な先様へのお使い物にいかがですか。あ~誰か御歳暮でくれんかのう、自分で買うの何かやだっ!コチラは山岡に頼まずとも、関西系デパ地下行けば入手可能なハズ。お値段はそれなりなにぃ~シマシタ。「おかぁ~さ~ん、お味噌なら💮丸金」てか。それでも良し。しかし、白味噌ぞ。

~ワンポイント裏ワザの解珍~

イマイチ味が決まらな~い、あるある。そんな時は隠し味に「酒粕」が、オススメです。「白味噌酒粕を加え溶かし入れる」良きコクが出ます!ただ酒粕は好みが分かれますので、要注意デスパイヤー技。

~ンでまぁ、何やかんやウンチク話みたくダラダラ書き込みましたが、要するにですね、早い話が・・・

『食材をザッコンざっこんと切り、出汁はった鍋にぶち込み味噌を落とし込めば一丁あがりいィ~♪』

文字通り「雑な煮もの」なんだから。簡単カンタン♪これにて、おしまい。雑煮たけるはもう、寝る。一升瓶もカラになったし。

めでたきお正月はすぐそこ

▷おまけ①/江戸時代の再現雑煮動画。お江戸なので、すまし系ですね。

江戸時代から続くお雑煮 原典(レシピ)を参考に作ってみた。 - YouTube

▷おまけ②/参考動画です。一味変わったお雑煮って、あんさんオイオイ💧

今年は一味変わったお雑煮を作ってみよう!「 白みそ雑煮」の作り方 | お雑煮レシピ - YouTube

 

(5300文字、。⋆☃️*ᴴᴬᴾᴾᵞ ᴺᴱᵂ ᵞᴱᴬᴿ*☃⋆。.)

ありりィ~?気づいたらもはや大晦日だった【年末雑談】

12月30日の夕焼け空、しみじみと

気づいたら、大晦日だったの巻

反省点。今年もあまりブログが書けなかった!他のSNS活動が忙しくてさぁ、書きネタはあるのにずいぶんキャリーオーバーとなったね。まぁ、いつものことでしょ。

さて、ことし最後の締めくくりは何しよう?紅白かぁ~いや、ガチャガチャした番組※は観たくもないし。ならば、酒やら喰い物かな?毎年最後に喰うモノはやはり「年越し蕎麦」だね、全国共通の国民食らしい。

しか~し。よくよく考えてみると何故、慌しい年の瀬に蕎麦なんか食べてんのか?元より蕎麦って、ボンビーな喰いもんだしさ、何やら変な俗習だよなコレ。蕎麦屋のインボー説を、疑うね・・・もしや?

(※でも結局のところ「孤独のグルメ晦日スペシャル」を観るワタシなのであった、、笑)

信州信濃の蕎麦よりもわたしゃアンタの傍が良い

チョチョっと由来を調べてみMUST、一説によれば九州地方の何処かにて、大晦日に年も越せないボンビー人達に、お寺さんが蕎麦掻きを振舞ったことからという。これ、救世軍の炊き出しみたいな感じかな。

あ、この「蕎麦掻き」なるもの、そば粉をお湯で捏ねくっただけ。くっそ不味くて、喰えたものぢゃないよ。これぞ“十割蕎麦”てか。笑 蕎麦屋で通ぶって「蕎麦掻き」とか頼んだら、ガッカリするよ!酒だ、酒だぁ~おやぢぃ🍶´-

 

~蕎麦掻きの作りかた~

材料「そば粉50g&水50cc」用意。
①水を鍋に入れて蕎麦粉を溶かす。
②鍋を中火にかけま~す。
③ヘラで良く混ぜま~す。
はい、出来上がり👍

 

これが江戸前蕎麦の真実だ!

江戸時代、大規模な造成工事が始まり、地方から大工やら土工やら有象無象が集まった。この職人集団が、“お手軽なファーストフード”を求めた。それで信州あたりからやって来た、お手軽「路地蕎麦」がやたらとウケて、江戸町に定着したらしい。そんな事情があった。

江戸時代の夜鷹そば、粋だねい

当時より“蕎麦は二八”と決まっている。値段は十六文(現代価格で264円)、夜鷹のチョンの間と同じとか。あれ、意外と安いんだねぇ。

あぁーそうだな。確か落語に『時そば』という演目があったよね。

 

時そば

 

堀端で夜鷹そばの「二八そば屋」を呼び止める男がいた。「よっ!相変らず寒いねぇ~商売は商いと言う、飽きずにやらにゃ駄目だぜ!」そして手早さ、割りばし、綺麗な丼、鰹節ダシ汁、そばの細さ、コシの良さ、厚く切った竹輪など褒め倒しながら、そばをたぐって、さぁ勘定となった。

気を良くした蕎麦屋は「へぇ、十六文で!」と返す。「銭は細かいよっ、手ぇ出しな。一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ・・・」と、びた銭を二八そば屋の手の平に一枚一枚乗せてゆく。

男は「いま何刻でぃ?」と聴く。「もう九つで」と蕎麦屋応える。「十、十一、十二・・・」と払い、その場をサッとたち去った。

その陰で、一部始終を見ていた別の男、「こりゃさしずめ褒め倒し、食い逃げするつもりか?」と思いきや、勘定までちゃんと払ったので拍子抜け。

しかし勘定の途中で、刻を聞いたコトにハタと気づき、指を折々やっと理解した。「・・あの野郎、一文かすめ取りやがったなっ」と薄笑いした。

それを自分もやってみたくて、居ても立ってもいられない。それで翌日、早速二八そば屋をつかまえた。

男はいう「今日は、寒いねぇ~」蕎麦屋「今夜はだいぶ暖かで」早くも出鼻をくじかれる。男は蕎麦食いもソコソコに勘定をいう。

蕎麦屋「へい、十六文で」男「小銭は間違えるといけねぇ、手ぇ出しねえ。それ、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ・・・いま、何刻でぇ?」蕎麦屋「四ツで」男「五つ、六つ、七つ、八つ・・・・」

おあとがよろしいようで。😂ハハッ

 

晦日、年越し蕎麦の相棒は『北秋田』だった!料理との相性良く、クイクイ逝けた。

くせのない淡麗辛口は、料理とよくあう

さてさて、あと数時間で2023年ですな。

皆様~良いお年を❣️

 

(1600文字、thank you for reading.)

お題「昨日食べたもの」

「クリパー終了した後、起ったら絶対ヤだっ!」な状況とは【文藝作品⑫】

🎅🏻サンタってさぁ、ただの不審者だと思ふ。

へんてこコスプレしてさ、妙な髭爺※が深夜に自分ちへ気付かれないよう、コッソリ侵入して来るんだぜ?しかも煙突から・・そんなヤツは変態に決まってるぅ!

 

🎉それはともかく。クリパーってヤツは、いつも以上に食べ過ぎ&飲みすぎるからね。クリスマスはクルシミマ~ス。しやろ?

もちろんトイレは必須。我慢は厳禁、サッサッとすましたいよね。なぜなら聖夜、何かデそうな感じするでしょ?とりま、この話よんでみて・・

(※実在の人物カモ?時代は3世紀頃、リキュア(現トルコ)の司教、聖ニコラウス。このニコラウスさんが、貧しい3人の娘が住む家の暖炉へ、こっそりと金貨を投げ込んだ。そして幸せな結婚をさせたという伝説が伝わる)

 

突然の尿意で俺が目を覚ましたのは、夜も更けた午前2時ごろだった。 「寝る前に飲みすぎたかな・・・」そんなことを考えながら、寝起きでしょぼしょぼする目を擦る。

すぐ隣の窓から、カーテン越しに外の月明かりが透けている。俺は何とかまた寝付こうとゴロンと寝返りをうった。だめだ、寝返りをうっただけで今にも漏れそうだ。俺は夜中にトイレに行くのが、とても嫌だった。

理由は単純かつ明快、怖いのだ。いくら明かりを点けても、今この時間が「真夜中」という事実だけで、昼間とは打って変わった恐怖が俺にのしかかるのだ。大袈裟だと言われるかもしれないが、マンションに一人暮らしの俺にとっては、真夜中のトイレというのはそういう存在だった。

しかし、今回は我慢して寝ることもできない。俺は布団からゆっくりと起き上がった。膀胱に力を入れていないと、今にも決壊しそうだ。すぐ目の前にある明かりのヒモを引くと、パッと部屋が蛍光灯の白い光に照らされた。

俺の住んでいるマンションは、玄関を上がって短い廊下、その先にテレビなどが置いてある8畳程の居間兼寝室、その他にトイレと浴室といった感じの作りになっていて、今から俺が向かうトイレは、この短い廊下の調度中間地点にある。

部屋の奥の布団から抜け出した俺は、部屋を横切って扉を開いた。扉の先には真っ暗な廊下、奥に暗いがぼんやりと玄関の扉も見える。俺はすぐに壁に点いている廊下の明かりのスイッチをいれた。居間の蛍光灯とは違う、電球の黄色い光が廊下を照らす。

「やっべ~漏れる・・」俺はひょこひょこと変な歩き方で足早にトイレへと向かった。ここまで俺は終始ドキドキしていた。やはり扉を開ける瞬間や、明かりを点けて暗闇が明るくなる瞬間は、俺にとっていちいち勇気を必要とする場面だった。

俺はトイレの扉を開けて中に入った。すぐに芳香剤の香りが鼻へ入ってくる。トイレはどこの家ともたぶんほとんど違いはないだろう。縦長の空間の奥に洋式の便器と、壁にタオルとトイレットペーパーが掛かっている、そんな感じだ。

トイレの明かりは自動なので、すぐに廊下と同じ黄色い光が灯った。俺はトイレの扉は閉めない。もしも閉めたら、用を足した後扉を開けるのがとてつもなく怖いからだ。外にもし何かが立ってたらなどと思うと、たまらなく怖かった。いつもどおり扉は閉めずに、俺はズボンを下ろし用を足し始めた。

しかし、深夜とはやはり昼間とは全く違い、なんともいえない緊張感がある気がする。普段は気にしない、視界の端にある扉の向こうの廊下が気になって仕方が無いのだ。「見ない、見ない・・・」そう思いながら、俺はひたすら用が済むまで便器のほうに意識を集中させ続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

例えばの話だが、何か気配を感じたとき、思い切って振り返ったり、そこにバッ視線を送れば、結局何もいなかった、みたいな経験はしたことがないだろうか。要するに、何かがいる気がしても、それはあくまで何かがいる’’気’’がしているだけということだ。

この時の俺もそんなノリだった。気になるなら見てしまえと、視界の端の廊下へと意識を向けたのである。俺はそれを酷く後悔した。用はとっくに済ませたが、そこから動くことができなかった。視界の端っこギリギリに何かが立っているように見えるのである。

あともう少し顔をそちらへ向ければ、その存在の有無もはっきりするのだが、どうしても俺はそちらを向くことができなかった。だが、その視界の端の何かが俺に向かって手を振った瞬間、単なる思い込みではなかったということが分かった。

それは肘から先をブンブンと存在をアピールするかのように振り続ける。「あぁ・・・」あまりの恐怖に、俺の口から声にならない声が漏れた。ふいにそれが手を振るのをやめた。視界の端のそれはしばらく俺をじいっと見つめていたかと思うと、ふいに扉に手を伸ばし、力いっぱいその扉を閉めた。

バタンッ!!物凄い音と共に、ドアに遮られたそれが見えなくなった。俺はあまりの衝撃に目を見開いてその場に固まっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

しばらくして、今自分がまだズボンを下げたままだということに気づき、呆然としたまま履きなおした。扉におそるおそる視線を送ると、やはり扉は閉じていた。「どうしよう・・・」扉を開けるなんて怖くてできるはずがなかった。きっとまだあいつは扉の外にいるのだ。そう思うと、恐怖で鳥肌が立った。

トイレのなかで途方に暮れていると、バツンッ!何かが切れたような音と共にトイレが闇に包まれた「なっ・・停電!?」あの音じゃトイレだけでなく、きっと廊下もその他の部屋も真っ暗なのだろう。トイレは居間と違って窓も無く、差し込んでくる月明かりもない。

本当の真っ暗闇だった。暗闇の中、ただ俺の荒い息遣いの音だけ聞こえる。 「只今、大規模な停電が発生いたしました。そのまましばらくお待ちください」そんなアナウンスが静寂を破った。俺は息を呑んだ。その無機質な声は、明らかに俺の部屋の中からのものだった。

もちろん停電を知らせるシステムなど俺の部屋には無い。吐き気にも似た寒気が足元からこみ上げる。 「只今、大規ボな停電ガ発生イタシましタ。そのまマしばらクお待チクダさい」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「スグニソチラヘムカイマス」空気を震わすような低い声が聞こえた次の瞬間、ダァァン!!俺の居間の方から床を両足で踏み鳴らしたかのような大きな音が響き渡った。

ダダダダダダダダダダダダ・・・それと同時に足音が物凄い速さで居間の中を走り回る。「ひぃっ・・・」俺は思わず耳を塞いでその場にしゃがみこんだ。

ダダダダダダダダダダダダ・・・バァァァン!!物凄い音で居間の扉がぶち開けられる音と同時に足音が廊下を走って近付いてくる。

ダダダダダダダン!!その足音はトイレのすぐ目の前までくると、そこでまた足を踏み鳴らして、止まった。

ただならぬ気配が扉のすぐ向こうから伝わってくる。俺はとっさにトイレの鍵を閉めた。案の定、鍵をしめた瞬間にドアノブが凄い勢いでひねられた。

ガチャ!ガチャガチャガチャ!!鍵が壊れてしまうのではないかと思うほど強い力で、何度も何度も扉をこじ開けようとしている。

「や・・・やめてくれぇぇぇぇ!!」耐え切れなくなった俺は耳を塞いだまま大声で叫んだ。途端にピタリと音が止み、ドアノブの動きも止まった。

また真っ暗闇の中、静寂が戻り、聞こえるのは俺の息の音だけになった。「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「こっち」「ぎゃああああああああああああああ!!」すぐ耳元で囁かれたその声に、俺は絶叫をあげてトイレから転がり出た。勢いよく飛び出しすぎたため、向かいの壁で思い切り頭をぶつけた。

「うぐっ・・・」首の骨にまで響くその衝撃に俺は頭を抱えた。おそるおそるトイレを振り向くと、扉は閉まっており、気配も感じなかった。廊下は真っ暗でほとんど見えなかった。「明かり・・・明かり」俺はそう呟きながら立ち上がると明かりのスイッチがあるべきところを手で探った。

「!!!」俺は凄い勢いで手を引っ込めると、壁に貼りついた。触れたのは、完全に誰かの手だった。スイッチを入れようと探った先に手があったのだ。「いやだ・・・もういやだぁ」俺は涙を流しながら玄関の方へと這うように向かった。すがるように玄関のドアノブに手をかけ、力いっぱいひねった。

ガチャ・・「あれ・・・あれ・・なんで」いくら捻っても扉が開かないのだ。鍵は開けた、チェーンもついていない。それだというのに、扉はまるで接着剤かなにかでピッタリと固定されているかのように、びくともしなかった。

俺はとうとうその場にへたりこんだ。その時「只今、大規模な停電が発生いたしております。そのまましばらくお待ちください」すぐ後ろであの声が響いた。「う、うああぁぁあ!!」俺は玄関の靴箱の上に置いてある小さなライトを手に取ると、すぐ後ろへと向けてスイッチを入れた。

廊下が円形状にぼんやりと淡い黄色に照らされる。そこにはなにもいなかった。 「どこだ!!馬鹿にしやがって!!おぉぉい!!」俺の感情は恐怖を通り越して何か怒りのようなものに変わっていた。

しかし体は正直なもので、涙と鼻水は止まらなかった。俺はぐしゃぐしゃの顔で廊下をライトで照らしながらズンズンと進む。しかし何もでてこない。壁に当たった円形の光の中で俺の影がハッキリと映っている。「・・・」俺はふいに違和感を覚えた。俺はライトを自分の体よりも前に構えている。そんな状態で果たして俺の影が壁に映ることがあるのだろうか・・・。

その瞬間、光の中の黒い影が凄い勢いで手を降り始めた。「ひっ!!」思わず手から離したライトが床に落ち、ガタンと大きな音を立てた。また廊下がふっと暗くなった。「ライトが・・・」俺はその場にしゃがむとライトを拾い、タンタンと叩いた。なかなかライトが点かない。ガンッ、力いっぱいライトを叩いたとき、やっと光が戻った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ・・・」目の前に、首を傾け白目をむいた子供の顔があった。

~後日談~

A「ねぇBさん聞いた?ここのマンションで、昨夜人が亡くなったんですって」

B「えぇ、またなの!もうこれで何人目よ」

A「しかもまだ20代前半の若者ですって」

B「まぁ・・・」

A「なぜか靴箱の中に上半身だけつっこんで亡くなってたみたいで・・まるで何かから隠れようとしてたみたいね」

B「それ、前のと全く同じじゃない。このマンション、絶対何かおかしいわよ。最近良く電気も落ちるじゃない?変なアナウンスも流れるし、もう引っ越そうかしら・・気持ち悪いわ」

A「え、私の部屋は大丈夫よ?Bさん、大家さんに言ったほうがいいんじゃないの?」

B「知らないの?大家さん、最近小さな息子さんを亡くされて、それどころじゃないのよ」

この数日後、同じマンションでBさんの遺体が同じ姿で発見され、それ以来このマンションは封鎖されている。

以上。洒落怖より『停電が発生イタシマシタ』という怪談でした!

メリーメリークリスマス🍷´-

👋バ~イバ~イ!

▷朗読/「停電が発生イタシマシタ」名作は語り継がれてゆく。

【怪談】停電が発生イタシマシタ【朗読】 - YouTube

(4200文字、thank you for reading.to tonight's memories.)

最高傑作!🎥 第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』見どころ三選【大好きな映画⑪】

第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」街宣ポスター


男はつらいよ 寅次郎相合い傘』みどころ三選

 

まずはコレ!その⇒抱腹絶倒「寅さんメロン騒動記」の巻

 

寅ファンに、「抱腹絶倒シーン」と高評価される「メロン騒動」ネタです!

まず、この話の前段として。

寅さんが青森、北海道で蒸発サラリーマン兵頭氏の世話をした。その兵頭(船越英二)、リリーと三人一緒に楽しく北海道放浪旅を果たした。

それでそのお礼にと、兵頭氏より高価な「マスク🍈メロン」をもらったという経緯があった。なので基本「メロンの所有権は寅さん」にある。

保管場所はとらやの冷蔵庫だから、管理責任者はオバちゃんとなる。そんな状況でスタート。

ひょんなことから北海道旅した三人組

さて「とらや一家&リリー」が、茶の間で遊んでいます。この時、なぜか寅さんは外出中。おばちゃんは冷蔵庫を覗き、メロンを取り出した。

オバちゃん「う~ん。い~い匂い!」

さくら「あらっ、メロン切るの?」

オバちゃん「うん。リリーさん来たから、丁度いいだろ」

さくら「うわぁ、何年ぶりかしら・・」

わざわざ指折りしながら人数の確認した。答え「六人だねっ!」とキッパリ断言する。

そして喧嘩にならないように、慎重に「六等割に切り分け」ねばならない。これはとても難しい作業で、どうしても数ミリ程度は誤差(喧嘩のタネだよ)が出てしまう。管理責任者の「超絶技巧」が問われるのです。さぁ、責任重大だよっ!

オイちゃん「喧嘩しないように、公平に切れよぉ~」と、念押しする。

オバちゃん「それが、難しいんだよっ!」と、応えていますね。

そして無事分割作業はおわり、茶の間へ運搬する。さてさて。

「さぁ、頂きましょうか」

それぞれがまず、ひと口パクリ食す。「う~ん、美味しい♡」とか「ウマいっ♪」なんて思わず口に出る、幸せな時間ですよねぇ~♪

愉しい茶の間の団欒が始まりィ~と、思いきや・・・店先で何だか“聞き慣れた声”がするのだ。ありゃりゃーこれは・・

「相変わらず、バカか・・?」

寅さんがスィと、とらやへ戻って来た。

一転、凍りつく茶の間!😱ひぇ~💧

オバちゃん「あらいけないっ、寅ちゃんの分、忘れちゃった!」

さくら「勘定に入れなかったの?」

オバちゃん「うっかりしちゃって、どうしよぅ~」

もう全員がキョドって、オタオタしだす。

さくら 「どうしようって・・」

ひろし「隠しましょう(小声)」

オイちゃん「隠すって、どこぇ(ボソッ)」

そこにやけに上機嫌の寅さんが茶の間へ上がって来た。みんなの顔をニコニコながめ回している。愛しのリリーしゃんもいるしね。

茶の間に奇妙な緊張がはしる、さぁこれには困った!とらやファミリー演者の「絶妙な表情」にご注目!

寅さん「メロン、美味しいかい?」

さくら「うっ、うん…」

寅さん「よしっ!じゃお兄ちゃんもひとつもらおうか。じゃ、出してくれよっ!オレの…(メロンを)」催促するのです。

さぁ、困った。ドタバタの始まりィ~!(もう😫💦助けてぇ~ぇ~)

▷リンク/「🍈メロン騒動」このシーンの続きは、ぜひ動画でどうぞ!

youtu.be

 

次に、ココ!その⇒涙腺崩壊「涙なみだの寅アリア披露」の巻

 

リリーしゃんが出演しているキャバレー「ゴールデン歌麿」まで、エスコートしたが、しょんぼりして帰ってきた寅さん。

家人に「おかえりなさい」と声かけられたが、「ハァ・・・」と溜息ひとつ、様子が変だった。寅さんいわく、リリーが出演するというキャバレーは「場末の小さな店でババァばかりで、とらやより店の規模が小さかった」という。

上框(あがりがまち)に腰をおとし、ポツリポツリと語り出す。

寅さん「あ~ぁ・・オレにふんだんに銭があったらなぁ・・・」とこぼす。

さくら「お金があったら・・どうするの?」と問いかえす。

寅さん「リリーの夢を叶えてやるのよっ!」

寅さん「例えば、どっか一流劇場。歌舞伎座とか、 国際劇場とか、そんなトコを一日中借り切ってよ、アイツに好きなだけ歌を、唄わしてやりてぇのよぉ・・」

さくら「そんなに出来たらリリーさん、喜ぶだろうね!」

さくらは、ホント嬉しそうに聴いている。

寅さん「ベルが鳴る。場内がスーッと暗くなるなぁ・・皆様、たいへん長らくをば、お待たせをいたしました!只今より歌姫、リリー松岡ショーの開幕でありますっ!静かに緞帳が上がる・・スポットライトがパァーッ!と当たってねぇ。そこへ、まっ白けなドレスを着たリリーが、スッーと立ってる!」

寅さんスクッと立ち上がる。

寅さん「そりやぁ、いい女だよぉ~!ありゃ、それでなくたってほら、様子がいいしさ。目だってほら、パチッとしてるから、映えるんですよっ、ねぇ!客席はザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワってしてさ。綺麗ねぇ~、いい女だなぁ!よっ、リリー!待ってましたっ、日本一!やがて、リリーの歌がはじまる・・」

「♪ひとりぃ~酒場でぇ~飲む酒はぁ~ぁ~」美声で唄う寅さん。

寅さん「ねぇぇぇ・・客席はシーンと、水を打ったようだよ。みんな、聴き入ってるからなぁ・・お客は泣いてますよぉ・・リリーの歌は悲しいもんねぇ。やがて歌が終わる。花束、テープ、紙吹雪。ワァ~ッ!と、割れるような拍手喝采だよぉ・・あいつはきっと、泣くなぁ・・あの大きな目に、涙がいっぱい溜めてよぉ・・」

茶の間にクルリと背を向け、上框に腰を下ろす寅さん。想いが溢れてせなで語る。

「いくら気の強い、あいつだってきっと・・泣くよぉ・・」

寅さん力なく涙を拭っていたが、照れ臭いのか「このへんで御開に」と二階へ上がってしまう。

さくら「リリーさんに、聞かせてあげたかったなぁ・・いまの話」

しみじみ・・さくらに、思うとろあり。

▷リンク/『悲しい酒』By美空ひばり
https://youtu.be/zi1yedKi3FE

 

最後は、ココ!その⇒「寅&リリーしっぽり♡相合傘」

 

帝釈天参道に雨が降っている。寅さん、とらやに小走りで舞戻ってくる。やはりリリーが心配だった様子。

さくら「あっ!なんだ。そうか、お兄ちゃん。リリーさんのこと心配で、わざわざ来たの?」瞬時に見抜いた!

寅さん「心配じゃないよ、バカァー!ただオレはねぇ、あいつが駅から帰ってくる途中でよ、雨なんかにあって風邪でもひいてみろお前、えっ?肺炎起こしてみろっ、こんなにカリカリに痩せてるんだから、死んじゃうぞっ!」

早くもさくらもオバちゃんも、寅さんが“帰ってきた意図”が分かり、ニコニコしている。😙ふふ

さくら「わかった!じゃあ、お兄ちゃん。ほら、迎えに行ったげて・・」と、番傘をスっと差し出す。

うん、いい妹だね。

まさに愚兄賢妹の図。

寅さん「なんで?どうして?オレが行くんだよ・・おまえ行けよぉ~ほまぇぇ~」

さくら「だって私、もう帰るんだもん」

寅さん「おまえ、行けよぉ~☆」

さくら「ほらっ、お願いよ♡迎えに行ってあげて」

しかし、さくらが手渡すのは、番傘一本だけなのだ。これなっ🤭ぷぷっ

寅さん「そうかぁ・・?いやになっちゃうな。オレ雨降り、嫌いなんだよな。あ~ぁ、帰ってくるんじゃなかったい」と背を丸め、店を飛び出す。

柴又駅前、雨にあたられた乗降客は、傘を拡げ帰る。そこに所在なさげに、リリーの姿もあった。

ふと眺めていると、駅前のうす暗い場所で、寅さんがあさっての方向むき、番傘さし立っていた。

見つけたっ!これは嬉しくて仕方ない。勢いよく駆け出し、寅さんに抱きつくリリー。

リリー「きゃあ、はっ!」

寅さん、突然の相合傘状態。緊張で顔がこわばっている。目線はあくまで前!

リリー「迎えに来てくれたの?!」

寅さん「バカやろうぅ~散歩だよ」

リリー「フフッ・・雨の中、傘さして散歩してんの?」

寅さん「悪いかい?」

リリー「濡れるじゃない」

寅さん「濡れて悪いかよぉ」

リリー「風邪ひくじゃない」

寅さん「風邪ひいて、悪いかい」

リリー「だって。寅さんが風邪ひいて寝込んだら・・私、つまんないもん」

参道をしっぽりと往く、相合傘の二人…☂️俯瞰。

 

~チョコっとだけカイセツ~

相合傘の関係者試写の時。リリーこと浅丘ルリ子さんは、この「寅アリア」パートに感動して、大粒の涙を流したらしい(普通、演者が出演作を観て泣くことは滅多にない)。余程、感極まったのだろう。そ~んな逸話まであるのです!

○さくらは「リリーさんがお兄ちゃんの奥さんになってくれたら、どんなに素敵だろうな」といった。リリーは真剣な顔で「いいわよ。あたしみたいな女でよかったら」と応えた。

○結局『あいつは頭のいい、気性の強い、しっかりした女なんだよ。俺みてえなバカとくっついて、幸せになれるわけがねえだろ?』と寅さんは、さくらに言う。

観客は「うーん、何故だ?」と、ヤキモキするね。

「私こんなに楽しくご飯食べたの、何年ぶり」

○『あいつも、俺と同じ渡り鳥よ。腹すかせてさ、羽根怪我してさ、しばらくこの家に休んだまでのことだ。いずれまたパッと羽ばたいてあの青い空へ。なっ、さくら、そういうことだろう・・?』ということで、次作へ繋ぎます。

○俗に「リリー三部作」と呼ばれている『11作 忘れな草▷15作 寅次郎相合傘▷25作 ハイビスカスの花』この三作を連続で観ると、実に心地良いリズムを保っていることが判ります!是非まったりとご覧あれ!!

🎥 1975年8月2日公開(収録時間90分)

渥美清…車寅次郎 寅さん○倍賞千恵子…諏訪さくら○下條正巳…車竜造 オイちゃん○三崎千恵子…車つね オバちゃん○前田吟…諏訪博 ひろし○太宰久雄…桂梅太郎 タコ社長○佐藤蛾次郎…源公○中村はやと…諏訪満男 みつお○船越英二…兵頭謙次郎 パパ○浅丘ルリ子…リリー松岡

‪- ̗̀🐯 ̖́-映画「男はつらいよ」シリーズを再考す。

寅さんは流しのテキ屋。一般人からすれば、単なる「893なアニキ」だ。日本各地を気ままに旅し続ける。その一方で、柴又で暮らす人々は「地道な生活」する人々。全シリーズ通して、この対軸構造で描かれています。

そして、寅次郎と柴又住民は対立はするが、同時に共存関係も成立させ、人間関係を熟成させてゆく。これ思えばおかしな世界観で、現実的にはもう有り得ないファンタジー世界だ。例えれば御伽噺や落語世界だね。

このとらやの人々は、寅さんの突飛な「お持ち込み案件」に戸惑い、大騒ぎもする。でも何かと知恵をしぼり、困った人々の力にもなる。そして普段つまんない日常生活では、到底経験出来ない「出来事」を目撃し、それを共有する。

これが「男はつらいよ」全シリーズを貫いている、いわば“人生哲学”と呼ぶべきコンセプト…

日本人が愛してやまない世界観なんですね!

(4500文字、Please enjoy “Tora-san's” movie!) 

お題「ゆっくり見たい映画」

名作、第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」【大好きな映画⑩】後半パート

 

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』

🎥 ここでチョロっと解説項。各シリーズに共通する基本的なプロットの流れ(一部例外あり)

アバン『寅さんの夢パート』⇒『寅さんが旅から帰郷』⇒『とらやでのいざこざ』⇒『また地方へ旅する』⇒『マドンナとの出逢い』⇒『マドンナがとらやへ』⇒『トラブル、問題の開示・解決』⇒『寅さんの失恋へ』⇒『またもや旅立ち』⇒『エンディング』となる。

悪くいえば「ワンパターン」なれど。それが映画の面白さへ繋がってゆくのだから大変だよね、山田監督はホント「繰り返しの天才!」。

🚕💨前半のカンタンあらすじ

豊島で出逢い、石切さんで奇跡の再会を果たした寅さんとふみさんは翌日、生駒宝山寺へ出掛けます。そこで絵馬奉納時、ふみさんに“生き別れの弟”がいることを知った。

だが、何故か逢うことをためらうふみさんに、寅さんは「いますぐ逢いにいこう」と言う。二人は弟が勤める運送会社へタクシーで駆けつける。

▽ぜひ前編からお読みください。

minminzemi81.hatenablog.com

 

ふみさん生き別れた弟探しの巻

 

寅さん「すぐ行こう。早くっ!ほらっ!」目指す住所は「大阪市港区波除6丁目2、山下運輸株式会社」。タクシーは安治川沿いを走ります。

恐怖の心霊現象として有名な車中シーン。誰?

長距離なので、タクシー代が気になります!支払いは、ふみさんか?

安治川大橋(国道43号線)がみえる。運転手は車を降りて、歩いて探してくれる。なんて親切な運転手なのか・・イイひとだね。

運転手「そのネキですわ」

寅さん「なんだい、ネキって?」

(※この「根際、ネキ」、どうやら固有の大阪弁ではないらしい。他地域から流入してきた言葉?ちなみに、ネト用語では「アネキ、姉貴」のこと)

ウマい具合に御手洗前に車両主任(大村崑)がいた。こんなとこに、崑ちゃんがいるなんて。何でだろ~な配役だ🤔うむゅ?

主任さん(大村崑)チャックで○○挟んだのか?

寅さん「あの・・水上英男という男、おりませんでしょうか?」はじめて弟のフルネームがあかされる。それを何故か困惑する主任・・「二階事務所へどうぞ」と案内される。

ここからのパートは「シリアス」、ホント辛い話ばかり。喜劇ではなくなる。そして、事務所ではショッキングな新事実を告げられます。

『尋ね人の英男君は、すでに死んでいた・・』

川を渡る行為は、山田シナリオ的には「此岸⇔彼岸」の関係となる。向こう岸には既に“隠世”が待っている!春日出橋を渡ったところにある、彼のアパート『松風荘』尋ねてもまだ「辛い話の連続攻撃」続く。

寅さんの混ぜっかえしギャグもなく、淡々と。

何と英男くんには「可愛い婚約者の信子」までいた。部屋には仏画風の「ふみさんと思しき絵」まである・・なんだ、なんだ、これはぁー!!

信子「うち、英男さんから聞いてました。お姉さんのこと・・お母さんみたいに、懐かしい人や・・とっても、逢いたがってました・・」

おふみ「お茶、飲んだら帰ろっ。うち辛い、この部屋におるの・・」

ついに、おふみさんに“部屋に居るのすら辛い”とまで言わせてしまう。「ふみちゃんをそんなに苛めんでもエエやろがぁ!」当時、そう思ったよ。これが演出の狙いか・・ここに来て盛り下がり感⤵︎ 半端ねぇ~ぇ~。あ”~違う映画だ、ヤダヤダ😫

安治川に浮かぶ渡し舟、ジッと見詰めるふみさん

で。ここでふと思う。この“安治川をロケ地”と定めたのは、本作と同年公開『泥の河(1981)』(小栗康平監督)への“せめてものオマージュ”だったのかも?山田洋次は本来社会派監督、自分が「泥の河」を撮れずに悔しかった・・これ、あるやなしや。

(「泥の河」は、昭和31年の夏の安治川河口が舞台。川べり食堂の子供「信雄」は、鉄くずを盗もうとしていた「喜一」と出会う。喜一は、対岸の廓舟で姉の「銀子」と、姿が見えない母「笙子」と暮らしていた・・この姉弟との“出逢いと別離”を描いた、'81年度の傑作映画。作品名言『子どもはなぁ、産まれてきとうて生まれてきたんやない。親、選ぶわけにはいかんのやぁ』😭涙)

▷リンク/「男はつらいよ浪花の恋の寅次郎」ロケ地案内

映画 寅さんシリーズ 浪花の恋の寅次郎ロケ地案内♪ - YouTube

 

これぞ「浪花の恋の寅次郎」最高場面

 

「うち気分が悪い」と、勝手にお座敷(宗右衛門町。源氏名は蝶子はんと判明)を抜けて来た、おふみさん。その足で「通天閣ホテル」の寅さんの部屋へスッとあがり(←オイオイ)窓辺りで座っている。もう芸者を辞める腹づもりか?

希望の星が見えると寅さんに伝えるふみさん

おふみ「星が出てるよ~ひとつ・・ふたつ・・みっつ・・」

外には新世界のギラギラな夜景がみえる・・まぁリアルなこといえば、“この場所”では星はほとんど見えないハズだ。おふみさんの心象での「希望の星」だネ!✩.*˚

おふみ「♪別れる~ことは~つらいけど、仕方がないんだ・・キミの・・うち泣きたい」

▷参考音源/繰り返し登場する『星影のワルツ』✩.*˚千昌夫の大ヒット曲(1966年)。
https://youtube.com/watch?v=sQUosDz7w8g&feature=share

別れることは つらいけど
仕方がないんだ 君のため
別れに星影の ワルツをうたおう
冷たい心じゃ ないんだよ
冷たい心じゃ ないんだよ
今でも好きだ 死ぬ程に

一緒になれる幸せを
二人で夢見た ほほえんだ
別れに星影のワルツを うたおう
あんなに愛した 仲なのに
あんなに愛した 仲なのに
涙がにじむ 夜の窓

この歌この歌詞、別れのフラグ立てと思えます。

この憂いを秘めた眼差しが、とってもイィ♡

 

ウルウル泪をためて、何かを訴えるふみさん・・寅さん!もうダメ、こりゃダメ。苦手ターンに突入だ!

おふみ「寅さん・・泣いてもええ?」

寅さん「!」ビクッと驚く・・

😱ありゃま〜雪隠詰めついに王手か?!ふみさんは、寅さんにしなだれる。寅さんの膝に顔を伏せ、そこで泣き崩れます。これが大阪の劇場で「いてまぇ~!寅やん!」の声が上ったという「伝説的シーン」です。判るわぁ~そやでぇ。好きなおなごはんに膝しがみ、それ拒絶する馬鹿男ってそんなの何処におるんや~

何でぇ、めぐり逢せ悪いんやろかっ、うちはぁ・・

ここで“細かいカット割り”があり。①入口側(喜介目線)からと、②横側から(状況さま)に撮り分けている。見る方向により「視える情景が変わるよ~♪」という親切説明カット(エロネタ😆)。もちろん次に続く「階段オチのシーン」と関係しています。

喜介「お待っとうはん!あいにく冷蔵庫の中がぁ・・うゎ~あぁぁ~すんまへん、ナンも見てまへん」

喜介「お待っとうはん!」グツ悪い時に登場!

慌ててドア閉め、後退りドタタタタ・・・階段オチする!雰囲気ぶち壊し。山田演出のお約束。雁之助はん演技最高です!

喜介「血ィやぁ~お母ちゃん!血ィ~出てるわぁ!血ィ~!」

階段の下で煩く騒ぐ、喜介はん。

喜介はんデコ打って血ィ滲んでいる・・

おかん「情けないガキゃなぁ。ええ年こいてぇ、大きい声だしてからにぃ、こっちおいで。見せてみぃー!」

初音オカンにデコをペチン!される喜介

カンペキな“初音オカン”の演技、ホント凄いよぉ~!👍✨

○初音 礼子(1908~1987年)元宝塚歌劇団、男役。雪組の組長。兵庫県神戸市の出身。宝塚歌劇創設以来、初の殿堂入りするレジェンド。

▷リンク/名場面「天王寺ホテルの夜」

映画『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(第27作)HDリマスター - YouTube

 

浪花の夜の秘め事は・・肩透かし

 

残された信子の心配(自分の心情も重ね合わせ)までする、ふみさんだった。

寅さん「そりゃ、いまは哀しいだろうけどさ、月日がたてばどんどん忘れて行くものなんだよ。忘れるってことは、本当にいい事だよ・・」と慰める。いいこと言う寅やん、これを“時薬”という。

浪花の夜はゆっくりと更けていきます

酒に酔ったふり?ふみさんは「今晩、この部屋に泊めてほしい」と伝え、寅さんの膝に頭をあずけ眠る。これには嬉し・・困った寅さん。

しか~し、寅さんは部屋からコソコソと逃げ出し、喜介の部屋で寝るというのだ・・🙃ありゃりゃ~?!な展開となる。またか・・

松鶴おやぢ「そんな殺生なぁ・・」と寝言ひとつ。

翌、未明・・ふみさんはタクシーを拾って、ひとり寂しく帰っていく。

阪神高速松原線高架下、公園通り角

ふみNA『寅さん夕べはごめんなさい。私がこの部屋に泊まるのが御迷惑だったなら、そう言ってくれればタクシーを拾って帰ったのに。これからどうして生きていくか、一人で考えていきます。寅さん、お幸せに。 さようなら ふみ』と、チラシの裏へ切々と書いた「別れの置手紙」が残されていた。この「愛想尽かしの文言」には、少なからずショックを受けている。その、憮然とした顔。

 

覚醒す!浪速のことは 夢のまた夢・・

 

長逗留していた天王寺ホテルを、慌てて引き払うと言い出した。寅&喜介コンビは、地下鉄乗り場への道すがら事後策を、スタスタ歩きながら話し合う。

さらば天王寺また来るまで・・次は39作だ!

喜介「そやけど・・寅やんがおらんようになった後、もしあの娘が訪ねてきたらワテ、どない言うたらエエねん?」

寅さん「尋ねちゃ、こねえよっ!」スタスタスタ・・

喜介「そないなコトは、判らへんがな・・」

寅さん「いや来ねぇ・・もし来たとしたらその時ゃ、あの男は東京へ帰ったと、そう言ってくれりゃいいんだ」スタスタスタ・・

喜介「何でやねん。なんで、そない逃げるようにして帰らないかんねん!」

寅さん「男ってものはなっ、引き際が肝心よぉ」スタスタスタ・・

大阪地下鉄「恵美須町駅③番階段」を手を振り降って消えた。しかし、ここは堺筋線。梅田へ出るには、動物園前駅の方が都合いいぞ(こまかっ!)。

大阪メトロ「恵美須町駅③番階段」寅消失点

はい、舞台は柴又とらやへと移ります。

 

いまだ恋煩い厨、哀れな寅さん

 

夕方、とらやの茶の間。帰ってからずっと様子がおかしく、食欲も無い寅さんを、皆がいろいろ気遣っている場面です。

オバちゃん「じゃ、玉子でも焼こうか、ねっ?」

寅さん「いいよ、いいよ。おふみちゃん、ありがとう・・」

突然の“おふみちゃん”の名前に、ギョギョッとなる一同。それはいったい誰なのか?意中の相手の詮索が始まった!

ゴーン!「四天王寺の鐘の音かぁ」病膏肓に入る

寅アリア ふみver.開始される。

寅さん「いい女かって、聞いてるのか・・もし、ここへ、すぅーとあらわれたら・・タコは腰抜かすよっ!ぬけるような白い肌、それが嬉しい時なんか、パァーと桜色に染まるんだよ。哀しい時には、透き通るような青白い色。黒いほつれ毛が、ふたすじ、みすじ。黒い瞳に涙を一杯ためてぇ・・寅さん・・うち・・あんたの膝で泣いても、ええ?可哀想だったなぁ~あん時のおふみさんは・・」

ひろし「兄さんが色々と、力になって上げたんでしょ?」

寅さん「気持ちだけは、あるんだ。でも、いくら気持ちだけあったって、何してやりゃぁいいのか、判らねえんだよっ。金はねえしなぁ・・ましてや、頭でも良けりやぁ、何か気の利いた言葉のひとつも、かけてやれるものを・・それもできやしねぇ・・」

腹巻にしまってあった“チラシ裏の手紙”をとりだし、凝視する。皆もつられて注目の的。

寅さん「そんなオイラに愛想をつかして、あの娘はいっちまったのさっ・・これからどうして生きていくのか、ひとりで考えていきます。寅さんお幸せに・・そう言ってねぇ、まぁ、今更そんなこと言ったって、こりゃ愚痴になるだけだからさっ、ねっ?今夜はこのあたりで、お開きってことにしようか」

トントン階段を昇りながら、また挨拶す。

寅さん「お茶の間の皆さん。お休みやすぅ~嗚呼、しんど」変な関西弁で〆る。

 

摩訶不思議な女心とらやに何故?

ところがしばらくして。おふみさんが柴又とらやに、突然訪ねてくる。ここで疑問がわいた。何故ふみさんは「自身の結婚報告を、わざわざ寅さんにするのか?」この女性心理が、よく判らな~いですね。劇場公開時には、ワタシにはソレがさっぱり理解出来なかったよぉ・・

 

いわゆる「不思議な女心のなせるワザ」てか?ふみさんは、大阪で寅さんに色々と世話になったのだから通常の「御礼挨拶」位は、当然な行為かもしれない。

しかしデスねぇ。これはとてつもなく“気まずい行為”なんです。態々逢いに来るとは?ふみさんは、寅さんが大好きだった・・まぁ、ゲスい言い方すれば「抱かれてもいい♡」行動までとった。なのに、寅さんに軽く「ダッキング&敵前逃亡」された訳でぇ、相当プライド傷ついたはず。そんな想いも夜明けの旅館「置き手紙」でケリつけたハズだったのだが。

乙姫と夢のような出逢いの豊島

一方の寅さんも豊島の出逢い以来「好意メチャあり態度」をず~と取ってきた。さらにアテもなく(嫌いな)大阪まで、おふみさんを探しに来るのだから相当な入れこみ方。でも、置き手紙を見て「愛想尽かしされ、振られたぁ!」と思い悩んでいる。なので逃げるようにコソコソ大阪から舞い戻って来たのだ。

🙄ならば、この「結婚報告」は、ふみさんのせめてもの「意趣返し」なのか・・??

やはり彼女の行動原理がイマイチよく判からない。普通の女性感覚なら、寅さんと“顔をあわせるのも避けたい”気持ちだろうからね。この後、一連の流れには観客の多くは「ええっ?」だったはず。いつものテンプレート「問題抱えるマドンナ⇒とらやの訪問⇒ドタバタ解決👍🏼めでたし、めでたし」ではない、妙なモヤモヤ感がズゥ~と残ります。

何となんと!おふみさん柴又に襲来

おふみ「あのぅ・・こちら、とらやさんですね。寅さん・・いてはりますでしょうか?」オバちゃんがパタパタ立働く店先で、女の声がする。

📣 「噂の“大阪の美人芸者”がとらやに、来たぁぁ~!!」この一報にザワつく参道周辺の人々。話はあっちゅー間に伝播する。持ち前の客あしらいの上手さで、客を捌いてゆくふみさん。夕刻頃には源ちゃんと一杯引っかけ、上機嫌な寅さんが帰ってくる。更には、思いがけない「ふみのとらや来訪」に、天にも昇る心地の寅さんだったが・・。

 

泡わの輪、開けてびっくり玉手函!!

 

「実は大阪を引き払い、対馬へ行く」といった話のくだりから微妙に茶の間の空気が変化する。何故また、対馬へ・・?

おふみ「実はうち・・・結婚するんですぅ・・」

予想外の爆弾発言が飛び出し一転、凍りつく茶の間・・ひぇ・・ひぇ~💦

おふみ「対馬から大阪に、板前の修業に来ている人がいてね。こんど島に帰って、小さなお寿司屋さん開くことになったんです。そのひと、前からうちのこと思うてくれてて・・うちみたいな女でも、奥さんにしてくれるって、そない言うんよっ、寅さん!」ビシッと、問語り気味に告られた。「対馬の寿司屋に嫁ぐ」というトンデモ展開・・アララどうしましょ?

程なくその結婚の相手、誠から電話ありふみさんが急いで帰った後・・外は土砂降りの豪雨となった。さらに雷鳴も轟く!やはりこれはリリーパターン※の流れです。

一天にわかにかき曇り、雷鳴轟く

(※「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」では、とらや茶の間で気まずい思いまでして、“結婚承諾したリリー”に対し、寅は「冗談だろ、リリー」と決めつけ、避けつづける。その曖昧な態度に絶望して、怒りながらリリーが立ち去る。すると雷鳴トドロキ、土砂降りの雨となる。二階では、寅とさくらがリリーを物語る場面となります)

二階部屋では寅さんがさくら相手に、ぶちぶちボヤくシーン。反省会まで同じ流れだな。

寅さん「わざわざ来ることはなかったんだよぉ、こんなとこまで。ハガキ一本出しゃ済むコトじゃねぇかぁ。こっちの気持ちにもなってくれって言うんだよ、こんな惨めな気分にさせられてよぉ・・」

さくら「そんなこと言っちゃ、可哀想よ。わざわざそれを言いに来た、ふみさんの気持ちにもなってごらんなさい・・・」

このさくらの諌言が、理解出来たのだろうか?そして翌日、寅さんは再び旅立った。それは、何故か。

🤔さくらが言う“気持ち”とは、ふみさんが最期に魅せた「女の意地”みたいな静かな怒り」・・と仮定すると、かなり理解が優しくなるね。以前にもリリーとの心のすれ違いあり、今回のふみさんの件と二重構造に透けてかさなり、寅さんに重くのし掛る。やはり、大変な多重スクリプトだよなぁ~単純ぢゃないね。きっと山田監督も寅に怒ってますよォ!

 

ついにエピローグ対馬での再会!

 

寅さんは遥々、対馬まで逢いに出かけたのだ。この物語は冒頭、対馬の「和多都美神社」から始まり、ラストの「青海の段々畑」に円環して、終わりを告げる。おふみとその亭主、誠(斉藤洋介)の寿司屋店先(※対馬市厳原町国分、對馬醤油店の隣に「寿司処海八」があった)。新鮮寿司ネタで盛り上がっていると・・。

まこと「お袋から電話でなぁ、家のほうにアンタ訪ねてお客さんが来てるんやが・・車さんちゅう人やてぇ」

おふみ「車さん・・?寅さんよっ!ほらぁ、いつも話してる、寅さんよっ!」

ワゴン車に乗り、万関橋を渡る…🚐💨…走り続ける車。実家まではずいぶん遠いようだ。

青海の里の美しい段々畑で終話となる

嫁ぎ先である、石垣で囲まれた古民家(対馬市峰町青海130)その門先でひとり座り待っている、寅さんの姿があった!

寅さん「よぉ、元気そうだなぁ。遠いトコだなぁ、おい。船着場からずっと歩いて来ちゃったよぉ、ははは…」

そんな馬鹿な。確実に倒れるよ、夏場でこの距離はね!

おふみ「よく来てくれたぁ・・・」

うるうる・・涙を流しながら歓ぶおふみさん。所在なく困る亭主の誠。

門戸でズッコケそうになる寅さん

それを晴ればれとした表情で、二人を祝した寅さんだった。きっと、また乙姫に「お・も・て・な・し」されて、対馬で長逗留したことでしょうねぇ。

👏パチ👏パチ  ~終演~

 

どぶに落ちても根のある奴は
いつかは蓮の花と咲く

意地は張っても心の中じゃ
泣いているんだ兄ちゃんは

目方で男が売れるなら
こんな苦労も

こんな苦労もかけまいに
かけまいに

 

○マドンナ/松坂 慶子(1952年~)本名は、高内慶子。東京都大田区の出身。韓国人の父と日本人母との間に生まれる。🎬映画『夜の診察室』で本格映画デビュー!『青春の門』や、本作『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』、有名な『蒲田行進曲』など。ドラマ主題歌「愛の水中花」が、大ヒットした!本作で日本アカデミー賞主演女優賞。

大映映画『夜の診察室』映画デビューした

○入場料1500円、上映時間104分。

▷リンク/『愛の水中花』(松坂慶子) 愛の水中花 - YouTube

▷リンク/『男はつらいよ浪花の恋の寅次郎』予告

〈余録〉蛇足解説始めま~す

 

さてさて。このドラマは『浦島太郎伝説』をモチーフにしているのは明らか(ハナからアバンでそう告げている)です。浦島寅次郎と、ふみ乙姫です。豊島から亀の船で着いた場所が、大阪はネオン✨チカチカ通天閣だった。

昔むかし浦島はぁ助けた亀に連れられてぇ♪

竜宮城で“飛び切りのおもてなし”されたのに、コソコソ逃げ出した浦島寅次郎は、あろう事か玉手函すら持たず逃亡した。それに怒った乙姫が、追いかけてきました。まるで安珍清姫のように。そして「ドカ~ン!」とイカヅチを降す!うわぁ怖い話だぁ・・ホンマやで、これなぁ・・

という訳で。リリーの登場回、第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』

minminzemi81.hatenablog.com

 

男つら物語、その本質とは・・?

~わかるヒトだけ解ればイイってハナシ~

 

まず、日本の古代から続く『マレビト伝説』について。マレビト(客人)は、各地方ごとに様々なバリエーションがあり、一番有名な寓話は「かぐや姫伝説」月から来た宇宙人設定。ある時、なぜか月から地球にやってきて、竹のカプセルホテルで過ごす。それを竹取の爺さんに発見される。スクスク急成長し、やがて「婿取りに目覚める」のだ・・。

(※お爺さんは山に柴刈りに来たのだから、得物はナタか。それで竹切ったら、かぐや姫も真っ二つ!・・子供の頃、そうおもたね!😂ひゃ)

続きまして「桃太郎電鉄」。違うやろ!ボンビ〜か!昔話 桃太郎伝説では、川で洗濯していた婆さんが「大きい桃」を発見👀し、すくって持ち帰る。包丁でスパーンと真っ二つにする。なかから飛び出す桃太郎!恐ろしい速さでスクスクと成長し、やがては「鬼退治に目覚める」のだった・・

(※婆さんは川に洗濯なので、手洗い桶?洗濯板?これで川を流れてくる巨大桃キャッチは到底出来ない・・やはり、そうおもう!😂ひぇ)

いずれも共通するのは⇒『マレビトをもてなせば、マレビトの「行動や言動」により、地域に住む人々に「生きる力や知恵」が授かって「災厄をも祓われる」といったもの』古代から日本人は、マレビトの霊力により「豊かで健やかな生活が、延々続いてゆく」と信じて暮らしていました。

半年のおわり、夏越の行事「茅の輪括り」

我々は正月や夏越に、ふらりやって来る「マレビトをおもてなし」します。それらの風習を単純に云えば『漂泊民(マレビト)と定住者(一般人)の交流物語』なのです。コレが「男はつらいよ」の裏コンセプトでしょうね、そう思いまふ。

(※マレビト(稀人・客人)は、ある時期(正月や夏越など)に他界から来訪する霊的な神々。この存在を定義する、折口信夫の思想でもある。「まれびと」が発する呪詞・寿詞が後に「文学」に、所作が「芸能」へ昇華した。日本人の信仰や観念を探る、キイワードとして重視されます)

(8800文字、Please enjoy “Tora-san's” movie!)  お題「ゆっくり見たい映画」