三月三日は日本全国、雛祭り
毎年恒例、和歌山は淡嶋神社の「雛流し」に行ってきましたよ。流し雛の神事は三日の正午から始まるという。薄曇りの天気、春霞というべきかな。少し慌てながら何とか淡嶋神社に到着。神社前では警察官による交通規制が入り、駐車場はどこも満車のようだ。それでもかまわず、やって来るクルマで大混乱します。現地加太は今日が一年のうちで、最大人口密度を記録したはずだね。
こんな感じ→[ꐕ ꐕ ꐕ ꐕ ꐕ ꐕ ꐕ 友ヶ島客+雛流し客 >>>>> 加太住民ꐕヒエ-]
では、現地より雛流しのリポートを始めます。
社殿内にはお雛様が…
どど~ど~ん!!
てんこ盛り、凄いことになっていますね。
庭のたぬき軍団が見つめるその先には…
コチラも…どん、どど~ん!!
本日の主役は…ヒロインは、この社殿内の雛達ではありません。この方達は惜しくも予選落ちされた云わばオーディエンス、ベンチ組なのですね。
ハイ、本日の主役登場!三隻の舟に詰めこまれ、しずしずとやって来ました。
しかしまぁなんですねぇ~コッチもエラいことになっていますな。
雛流しの神事が始まった
舳先には菜の花と桃の花があしらわれています。
ハルです、紀州は春なんだなぁ。
舟上では…「あれ、わらわの檜扇が…たれぞっ、疾くたもれ~」
雛の声が聞こえてきそうですね。
いや理不尽な状況に、じっと耐えているのかも。
神輿舟をかついでいるのは、昭和の娘さん達ですね。
皆さん、足元は大丈夫なのでしょうか?
この先に、下り階段もありますよ~。
舟、その重量は約100キロ。
この後、参道を通りぬけて海沿いの道中となります。
だいたい桟橋まで約二キロあるそうなんですが。
観た感じ女雛限定で、色目が華やかですね。
ん?!男雛はまさか…尻に敷かれてる?
小さな子供が肩車されて、楽しそうです。
子供心にもいま記憶が刻まれていくんだ。
自分の子供時代の雛祭りをしばし考えてみる。
すぐ思い出したのは「うれしいひな祭り」の曲だな。
楽しい雛祭り~♪のはずなのに、この曲はナゼか短調で暗い※
子供はこの祭りの雰囲気を、敏感に感じとるものですよ。
(※歌詞の中に“嫁いだ姉”を連想するくだりがある。これについては嫁ぎ先が決まった矢先に十八歳で結核で亡くなったサトウハチローの姉のことで、ハチロー姉へのレクイエムだからといいます)
あっ、そうそう思い出したよ。
この曲には、ごていねいにも替え歌まであった。
私が小さな頃は、たしかこんな替え歌だったよ。
♪明かりをつけましょロウソクに~お花をあげましょ菊の花。
五人囃子が死んじゃったぁ~きょうはたのしいお葬式~♪
(ハイ、コレ唄うと大人に怒られるよぉ~)
各地方により別バージョンの歌詞も色々あるらしいのですが。
でも共通するのは「死」にまつわる不吉な歌詞となる。
これは、いったい何故なんだろう…?
なにやらおかしな符合だよね。
この「雛流し」にはたしかに、不吉な影もつきまとうようだ。
無邪気に「楽しいひな祭り」とは言えない雰囲気。
淡嶋神社の歴史は往古より続く
淡嶋神社系は、日本国内に千社あまりある。
その総本社であり、和歌山でも屈指の歴史を誇っている。
社伝によれば加太の沖合いにある友ヶ島。
そのうちのひとつ、神島に祀られたのが始まりとされる。
神功皇后が三韓より帰る途上、瀬戸の海上での突然の嵐に遭遇した。船中で無事の祈りを捧げ「船の苫(とま)を海に投げ入れ、その流れのままに船を進めるように」と、神様のお告げをうけた。やがて友ヶ島(神島)に無事避難できたことを感謝し、持ち帰った三韓渡来の宝物を「少彦名命、大己貴命」の二神に奉納したと謂われる。
その後、神功皇后の孫である仁徳天皇が友ヶ島に狩りに来た際、その故事を聞くにおよび「此処では何かと不自由であろう」と対岸の加太に社殿を移築したことが、いまの淡嶋神社の始まりとされている。(淡嶋神社 由緒)
しかし、淡嶋神社の主祭神については別伝がある。淡島大神は住吉神の妃で婦人病にかかったため淡島(友ヶ島)に流され、そこで婦人病を治す誓いを立てたとする伝承がある。このことにより淡嶋神社は、婦人病を始めとして安産・子授けなど「女性に関するあらゆることを祈願する神社」となったと謂う。
江戸期には淡嶋願人(あわしまがんにん)という行者が、淡嶋明神の小祠を携えて全国にその由緒※を語って歩いたらしい。
(※帯下に悩む婦人に人形奉納して病苦をのがれよと勧進したらしい)
また、女性の罪穢れを祓う「人形流し」の神事との整合性から、あながち附会説とは言えないのではないだろうか。
保育園児も雛流しに参加している。きょうは社殿の前で、お歌の合唱をしたという。子供たちも楽しそうだね。
いよいよクライマックス、祝詞がはじまった
「畏み 畏み~祓いたまへ~清め給へ~と申す事を 聞こしめせと~」←タブンこんなカンジだろ?風上にいるのでまったく聞こえなかった(適当)。
そして散華(鶴も?)が風に舞った。.*・゚ .゚・*.
いよいよ雛流しだ。
女雛たちが水底へ旅立つのだ。
う~ん、やはり哀しさがあるよなぁ~。
咎(とが)無く理不尽に海に流される訳で…。
実はコレ、漁船がロープを引っ張っていたのでした。
これはこれで、違う意味で悲しいよなぁ~。うんうん
はい、回収されて祭りはおしまい。
「明るさに 顔 耐えている 流し雛」 榎木冬一郎
▽付記/当日の状況が共同通信で配信されていたので貼っておきます。
◉淡嶋神社へは…🚃南海電鉄和歌山市駅より、南海加太線約25分で加太駅着。加太駅からは、西方(海方向)徒歩15分ほどで淡嶋神社へ着きます。
▽次回「友ヶ島」もどうでしょう。オススメスポットです。
(2400文字、Thank you for reading.bon voyage!) #ひな祭り