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あがら おもしゃいやしてぇ~ よう~ ゆわよ ノシ

見渡す限り雪景色。軍歌「雪の進軍」始めっ!【明治時代】

雪の進軍、始めっ!

壱番

ゆき進軍シングン こほりんで
何處どこかはやらみちさへれず
うまたふれるてゝもおけず
此處こゝ何處いづこみなテキくに
まゝ大膽ダイタン 一服イップクやれば
たのすくなや煙草たばこ二本ニホン

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弐番

かぬ乾魚ひものハンめし
なまじ生命いのちのあるうち
こられないさむさの焚火たきび
けぶはずだよ 生木なまきいぶ
しぶかほして功名コウミョウばなし
粋とふのは梅干うめぼひと

参番

のみのまゝ氣樂ラク臥所ふしど
背嚢ハイノウまくら外套ガイトウかぶりや
せなぬくみでゆきけかゝる
夜具ヤグ黍殻きびがらシッポリれて
むすびかねたる露營ロエイゆめ
つきつめたくかほのぞきこむ

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肆番

いのちさゝげててきたゆゑ
ぬる覺悟カクゴ突喊トッカンすれど
武運ブウンつたなにせねば
義理ギリからめた恤兵ジュッペイ眞緜まわた
そろりそろりとくびめかゝる
どうせかしてかへさぬもり

 

▷歌の作者は、永井 建子(ながい けんし)慶応元年九月八日~昭和十五年、広島市佐伯区五日市町生まれ。陸軍一等軍楽長。日清戦争時、永井建子は大山巌大将率る第二軍司令部附軍楽隊の軍楽次長だった。山東半島駐屯地での苛酷経験を唄にしました。

日清戦争がようやく終結。日本帝国陸軍が、新たなる北の「露帝国」を仮想敵とした時代。唄の歌詞をよく聴けば、巧みな厭戦歌となっていることが判ります。描いている情景は最前線極寒の地で、疲弊した兵士達のやるせない心情が漂っています。

▷曲は明治二十八年の二月頃に作曲されたらしい。その曲調は、軽快な「ヨナ抜き音階(五音音階)」で、日本人に馴染みやすく配慮されています。第二軍司令官であった陸軍大将 大山巌はこの歌をいたく気に入り、死ぬ間際まで繰り返し何度も愛聴していたそうです。

<用語解説>

「突喊(とっかん)=突撃号令に兵士は大声を上げ応える」「恤兵真綿(じゅっぺいまわた)=綿入れ防寒具、慰問品」

▽動画「雪の進軍」雪が降った時に唄いませう。

https://youtu.be/aqjX1bQgKa8?si=x6kUt-IsiBnOFWd8

(歌詞/明治四十四年『軍歌傑作集』より転載、1100文字、thank you for reading.)