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あがら おもしゃいやしてぇ~ よう~ ゆわよ ノシ

名作、第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」【大好きな映画⑩】後半パート

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』

🎥 ここでチョロっと解説項。各シリーズに共通する基本的なプロットの流れ(一部例外あり)

アバン『寅さん夢パート』⇒『寅さん旅から帰郷』⇒『とらやでのいざこざ』⇒『また地方へ旅する』⇒『マドンナと出逢い』⇒『マドンナがとらやへ』⇒『トラブル、問題の開示・解決』⇒『寅さん失恋へ』⇒『またもや旅立ち』⇒『エンディング』となる。悪くいえば「ワンパターン」なれど。それが映画の面白さへ繋がってゆくのだから大変だよね、山田監督はホント「繰り返しの天才!」。

🚕💨前半のカンタンあらすじ

豊島で出逢い、石切さんで奇跡の再会を果たした寅さんとふみさんは翌日、生駒宝山寺へ出掛けます。そこで絵馬奉納時、ふみさんに“生き別れの弟”がいることを知った。

だが、何故か逢うことをためらうふみさんに、寅さんは「いますぐ逢いにいこう」と言う。二人は弟が勤める運送会社へタクシーで駆けつける。

▽ぜひ前編からお読みください。

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ふみさん生き別れた弟探しの巻

寅さん「すぐ行こう。早くっ!ほらっ!」目指す住所は「大阪市港区波除6丁目2、山下運輸株式会社」。タクシーは安治川沿いを走ります。

恐怖の心霊現象として有名な車中シーン。誰?

長距離なので、タクシー代が気になります!支払いは、ふみさんか?安治川大橋(国道43号線)がみえる。運転手は車を降りて、歩いて探してくれる。なんて親切な運転手なのか・・イイひとだね。

運転手「そのネキですわ」

寅さん「なんだい、ネキって?」

(※この「根際、ネキ」、どうやら固有の大阪弁ではないらしい。他地域から流入してきた言葉か?ちなみに、ネト用語では「アネキ、姉貴」のこと)

ウマい具合に御手洗前に車両主任(大村崑)がいた。こんなとこに、崑ちゃんがいるなんて。何でだろぉな配役だ🤔うむゅ…?

主任さん(大村崑)チャックで○○挟んだの?

寅さん「あの・・水上英男という男、おりませんでしょうか?」はじめて弟のフルネームがあかされる。それを何故か困惑顔の主任・・「二階事務所へどうぞ」と案内される。ここからパートは「シリアス」ホント辛い話ばかり。喜劇ではなくなる。そして事務所での話、ショッキングな新事実を告げられます。

『尋ね人の英男君は、すでに死んでいた・・』

川を渡る行為は、山田シナリオ的には「此岸⇔彼岸」の関係となる。向こう岸には既に“隠世”が待っている!春日出橋を渡ったところにある、彼のアパート『松風荘』尋ねてもまだ「辛い話の連続攻撃」続く。寅さんの混ぜっかえしギャグもなく淡々と。何と英男くんには「可愛い婚約者の信子」までいた。部屋には仏画風「ふみさんと思しき絵」まである・・なんだ、なんだ、これはぁー!!

信子「うち、英男さんから聞いてましたっ。お姉さんのこと・・お母さんみたいに懐かしい人や・・とっても、逢いたがってました・・」

おふみ「お茶、飲んだら帰ろっ。うち辛いこの部屋におるの・・」気まずい空気が充満する。

ついに、おふみさんに“部屋に居るのすら辛い”とまで言わせてしまう。「ふみちゃんをそんなに苛めんでもエエやろがぁ!」当時、そう思ったよ。これが演出の狙いか・・ここに来て盛り下がり感が⤵︎ 半端ねぇ~ぇあ”~違う映画だよヤダヤダ…😫

山田監督いわく『喜劇というものは、泣きながら描くものです』という。その意味が解った。

安治川に渡し舟、ジッと見詰めるふみさん

で。ここでふと思う。この“安治川をロケ地”と定めたのは、本作と同年公開『泥の河(1981)』(小栗康平監督)への“せめてものオマージュ”だったのかも?山田洋次は本来は社会派監督、自分が「泥の河」を撮れずに悔しかった・・これ、あるやなしや。

(「泥の河」は、昭和31年の夏の安治川河口が舞台。川べり食堂の子供「信雄」は、鉄くずを盗もうとしていた「喜一」と出会う。喜一は、対岸の廓舟で姉の「銀子」と、姿が見えない母「笙子」と暮らしていた・・この姉弟との“出逢いと別離”を描いた、'81年度の傑作映画。作品内の名言『子どもはなぁ、産まれてきとうて生まれてきたんやない。親、選ぶわけにはいかんのやぁ~』😭爆泣)

▷リンク/「男はつらいよ浪花の恋の寅次郎」ロケ地案内

映画 寅さんシリーズ 浪花の恋の寅次郎ロケ地案内♪ - YouTube

これぞ「浪花の恋の寅次郎」最高場面

「うち気分が悪い」と勝手にお座敷(宗右衛門町。源氏名は蝶子はんと判明)を抜けて来た、おふみさん。その足で「通天閣ホテル」の寅さん部屋へスッとあがり(←オイオイ)窓辺りで座っている。もう芸者を辞める腹づもりか?

希望の星が見えると寅さんに伝えるふみさん

おふみ「星が出てるよ~ひとつ・・ふたつ・・みっつ・・」

外には新世界のギラギラな夜景がみえる・・まぁリアルなこといえば、“この場所”では星はほとんど見えないハズだ。おふみさんの心象での「希望の星」だネ!✩.*˚

おふみ「♪別れる~ことは~つらいけど、仕方がないんだ・・キミの・・うち泣きたい・・」

▷参考音源/繰り返し登場する『星影のワルツ』✩.*˚千昌夫の大ヒット曲(1966年)。
https://youtube.com/watch?v=sQUosDz7w8g&feature=share

別れることは つらいけど
仕方がないんだ 君のため
別れに星影の ワルツをうたおう
冷たい心じゃ ないんだよ
冷たい心じゃ ないんだよ
今でも好きだ 死ぬ程に

一緒になれる幸せを
二人で夢見た ほほえんだ
別れに星影のワルツを うたおう
あんなに愛した 仲なのに
あんなに愛した 仲なのに
涙がにじむ 夜の窓

この歌、この歌詞、別れのフラグ立てと思えます。

この憂いを秘めた眼差しが、とってもイィ♡

ウルウル泪をためて、何かを訴えるふみさん・・寅さん!もうダメ、こりゃ、ダメ。苦手ターンに突入だ!

おふみ「寅さん・・泣いてもええ?」

寅さん「!」ビクッと驚く・・😱ありゃま〜雪隠詰めついに王手か?!ふみさんは寅さんにしなだれる。寅さんの膝に顔を伏せそこで泣き崩れます。これが大阪の劇場で「いてまぇ!寅やん!」の声が上ったという「伝説的シーン」です。判るわぁそやでぇ。好きなおなごはんに膝しがみ、それ拒絶する馬鹿男ってそんなの何処におるんや~

何でぇめぐり逢せ悪いんやろかっうちはぁ・・

ここで“細かいカット割り”があり。①入口側(喜介目線)からと②横側から(状況さま)に撮り分けている。見る方向により「視える情景が変わる」という親切説明カット(エロネタ😆)。もちろん次に続く「階段オチのシーン」とも関係しています。

喜介「お待っとうはん!あいにく冷蔵庫の中がぁ・・うゎ~あぁぁ~すんまへん…ナンも見てまへん…」

喜介「お待っとうはん!」グツ悪い時登場!

慌ててドア閉め、後退りドタタタタ・・・階段オチする!雰囲気はぶち壊し。山田演出のお約束。雁之助はん演技最高調です!

喜介「血ィやぁ~お母ちゃん!血ィ~出てるわぁ!血ィ~!」

階段の下で煩く騒ぐ喜介はん。チィチィゆーてます。

喜介はんデコ打ち血ィ滲んでいる・・

おかん「情けないガキゃなぁ・・ええ年こいてぇ大きい声だしてからにぃこっちおいで。見せてみぃー!」

初音オカンにデコをペチン!される喜介

カンペキな“初音オカン”の演技、ホント凄いよぉ~!✨

○初音 礼子(1908~1987年)元宝塚歌劇団、男役。雪組の組長。兵庫県神戸市の出身。宝塚歌劇創設以来、初の殿堂入りするレジェンド。

▷リンク/名場面「天王寺ホテルの夜」

映画『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(第27作)HDリマスター - YouTube

浪花の夜の秘め事は・・肩透かし

ひとり残された信子の心配(自分の心情も重ね合わせ)までするふみさんだった。

寅さん「そりゃいまは哀しいだろうけどさ、月日がたてばどんどん忘れて行くものなんだよ。忘れるってことは、本当にいい事だよ・・」と慰める。いいこと言う寅やん、これを“時薬”というね。

浪花の夜はゆっくりと更けていきます

酒に酔ったふり?ふみさんは「今晩、この部屋に泊めてほしい」と伝え寅さんの膝に頭をあずけ眠る。これには嬉し・・困った寅さん。しかぁ~し結局、寅さんは部屋からコソコソと逃げ出して喜介の部屋で寝るというのだ・・🙃ありゃりゃ~な展開となる。またかよ・・

松鶴おやぢ「そんな殺生なぁ・・」と寝言ひとりごつ。

翌未明・・ふみさんはタクシーを拾って、ひとり寂しく帰っていくのでした。こら殺生ですな。

阪神高速松原線高架下、公園通り角

ふみNA『寅さん夕べはごめんなさい。私がこの部屋に泊まるのが御迷惑だったなら、そう言ってくれればタクシーを拾って帰ったのに。これからどうして生きていくか、一人で考えていきます。寅さん、お幸せに。さようなら ふみ』と、チラシの裏へ切々と書いた「別れの置手紙」が残されていた。この「愛想尽かしの文言」には、少なからずショックを受けている。その憮然とした顔・・

覚醒す!浪速のことは 夢のまた夢・・

長逗留していた天王寺ホテルを慌てて引き払うと言い出した。寅&喜介コンビは地下鉄乗り場への道すがら、事後策をスタスタ歩きながら話し合う。

さらば天王寺また来るまで・・次は39作!

喜介「そやけど・・寅やんがおらんようになった後、もしあの娘が訪ねてきたらワテ、どない言うたらエエねん?」

寅さん「尋ねちゃこねえよっ!」スタスタスタ・・

喜介「そないなコトは、判らへんがな・・」

寅さん「いや来ねぇ・・もし来たとしたらその時ゃ、あの男は東京へ帰ったと、そう言ってくれりゃいいんだ」スタスタスタ・・

喜介「何でやねん。なんで、そない逃げるようにして帰らないかんねん!」

寅さん「男ってものはなっ、引き際が肝心よぉ」スタスタスタ・・

大阪地下鉄「恵美須町駅③番階段」を手を振り降って消えた。しかしここは堺筋線。梅田へ出るには、動物園前駅の方が都合いいんだぞ(こまかっ!)。

大阪メトロ「恵美須町駅③番階段」寅消失点

はい、舞台は故郷柴又とらやへと移ります。

いまだ恋煩い厨、哀れな寅さん

夕方、とらやの茶の間。帰ってからずっと様子がおかしく、食欲すら無い寅さんを皆がいろいろ気遣っている場面です。

オバちゃん「じゃ、玉子でも焼こうか、ねっ?」

寅さん「いいよ、いいよ。おふみちゃん、ありがとう・・」

突然の“おふみちゃん”発言に、ギョギョッとなる一同。それはいったい誰なのか?意中の相手の詮索が始まった!

ゴーン!「四天王寺の鐘の音かぁ」病膏肓に入る

寅アリア ふみver.が開始される。

寅さん「いい女かって、聞いてるのか・・もし、ここへ、すぅーとあらわれたら・・タコは腰抜かすよっ!ぬけるような白い肌、それが嬉しい時なんか、パァーと桜色に染まるんだよ。哀しい時には、透き通るような青白い色。黒いほつれ毛が、ふたすじ、みすじ。黒い瞳に涙を一杯ためてぇ・・寅さん・・うち・・あんたの膝で泣いても、ええ?可哀想だったなぁ~あん時のおふみさんは・・」

ひろし「兄さんが色々と、力になって上げたんでしょ?」

寅さん「気持ちだけは、あるんだ。でも、いくら気持ちだけあったって、何してやりゃぁいいのか判らねえんだよっ。金はねえしなぁ・・ましてや頭でも良けりやぁ、何か気の利いた言葉のひとつも、かけてやれるものを・・それもできやしねぇ・・」

腹巻にしまってあった“チラシ裏の手紙”をとりだし凝視する。皆もつられて注目の的になる。

寅さん「そんなオイラに愛想をつかして、あの娘はいっちまったのさっ・・これからどうして生きていくのか、ひとりで考えていきます。寅さんお幸せに・・そう言ってねぇ、まぁ、今更そんなこと言ったって、こりゃ愚痴になるだけだからさっ、ねっ?今夜はこのあたりでお開きってことにしようか」

トントン階段を昇りながら、寅さんまた挨拶す。

寅さん「お茶の間の皆さん。お休みやすぅ~嗚呼、しんど」変な関西弁で〆た。

摩訶不思議な女心とらやに何故?

ところがしばらくして。おふみさんが柴又とらやに、突然訪ねてくる。ここで疑問がわく。何故ふみさんは「自身の結婚報告をわざわざ寅さんにするのか?」この女性心理がよく判らな~い。

いわゆる「不思議な女心のなせるワザ」てか?ふみさんは、大阪で寅さんに色々と世話になったのだから通常の「御礼挨拶」位は当然な行為なのかもしれない。しかし、デスねぇ…これはとてつもなく“気まずい行為”なんです。態々逢いに来るとは?ふみさんは「寅さんが大好き」だった・・まぁゲスい言い方すれば「抱かれてもいい♡」行動までとった。なのに寅さんに軽く「ダッキング&敵前逃亡」された訳でぇ相当プライド傷ついたはず。そんな想いも夜明けの旅館「置き手紙」でケリつけたハズだったのだ。

乙姫と夢のような出逢いの豊島

一方、寅さんも豊島の出逢い以来「好意メチャありな態度」をず~と取ってきた。さらにアテなく(嫌いな)大阪まで、おふみさんを探しに来るのだから相当な入れこみ方。でも、置き手紙を見て「愛想尽かしされ振られたぁ!」と勝手に思い悩んでいる。なので逃げるようにコソコソ大阪から舞い戻って来たのだ。🙄ならばこの「結婚報告」はふみさんのせめてもの「意趣返し」なのか・・??

やはり彼女の行動原理がイマイチよく判からない。普通の女性感覚なら、寅さんとは“顔をあわせるのも避けたい”気持ちだろうからね、そやろ。この後一連の流れには観客の多くは「ええ??」だったはず。いつものテンプレート「問題抱えるマドンナ⇒とらやの訪問⇒ドタバタ解決👍🏼めでたし、めでたし」ではない妙なモヤモヤ感が、ズゥ~と残りますよ。

何となんと!おふみさん柴又に襲来

おふみ「あのぅ・・こちら、とらやさんですね。寅さん・・いてはりますでしょうか?」オバちゃんがパタパタ立働く店先で、女性の声がする。

📣 「噂の“大阪の美人芸者”がとらやに来たぁぁ~!!」この一報にザワつく参道周辺の人々。話はあっちゅー間に伝播する。持ち前の客あしらいの上手さで客を捌いてゆくふみさん。夕刻頃には源ちゃんと一杯引っかけ上機嫌な寅さんが帰ってくる。更には思いがけない「ふみのとらや来訪」に天にも昇る心地の寅さんだったが・・。

泡わの輪 開けてびっくり玉手函!!

「実は大阪を引き払い対馬へ行く」といった話のくだりから微妙にとらやの茶の間の空気が変化しだす。何故また、対馬なんかへ・・?

おふみ「実はうち・・結婚するんですぅ・・」予想外の爆弾発言が飛び出し一転、凍りつく茶の間・・ひぇ・・ひぇ~💦

おふみ「対馬から大阪に、板前の修業に来ている人がいてね。こんど島に帰って小さなお寿司屋さん開くことになったんです。そのひと、前からうちのこと想うてくれてて・・うちみたいな女でも、奥さんにしてくれるって、そない言うんよっ寅さん!」ビシッと問語り気味に告られた。「対馬の寿司屋に嫁ぐ」というトンデモ展開・・アララこれはどうしましょ?程なくその結婚相手の誠から電話あり、ふみさんが急いで帰った後・・外は土砂降りの豪雨となった。さらに雷鳴まで轟く!やはりこれはリリーパターン※の流れですね。

一天にわかにかき曇り雷鳴轟く

(※「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」では、とらや茶の間で気まずい思いまでして“結婚承諾したリリー”に対し、寅は「冗談だろリリー」と決めつけ避けつづける。その曖昧な態度に絶望して怒りながらリリーが立ち去る。すると雷鳴トドロキ土砂降りの雨となる。二階では寅とさくらがリリーを物語る場面となる)

二階部屋では寅さんがさくら相手に、ぶちぶちとボヤくシーン。反省会まで同じ流れだな。

寅さん「わざわざ来ることはなかったんだよぉ、こんなとこまで。ハガキ一本出しゃ済むコトじゃねぇかぁ。こっちの気持ちにもなってくれって言うんだよ、こんな惨めな気分にさせられてよぉ・・」

さくら「そんなこと言っちゃ可哀想よ。わざわざそれを言いに来た、ふみさんの気持ちにもなってごらんなさい・・」

このさくらの諌言が、寅さんが理解出来たのだろうか?そして翌日、寅さんは再び旅立った!それは何故か。

🤔さくらが言う“気持ち”とはふみさんが最期に魅せた女の意地みたいな「静かな怒り」と仮定すると、かなり理解が優しくなるね。以前にもリリーとの心のすれ違いあり、今回のふみさんの件と二重構造に透けてかさなり、寅さんに重くのし掛る。やはり、大変な多重スクリプトだよなぁ~単純ぢゃないね。きっとね、山田監督も寅に怒ってますよォ!

ついにエピローグ対馬での再会!

寅さんは遥々対馬まで逢いに出かけたのだ。この物語は冒頭、対馬の「和多都美神社」から始まり、ラストの「青海の段々畑」に円環して終わりを告げる。おふみとその亭主、誠(斉藤洋介)の寿司屋店先(※対馬市厳原町国分、對馬醤油店の隣に「寿司処海八」があった)。新鮮寿司ネタで盛り上がっていると・・

まこと「お袋から電話でなぁー家のほうにアンタ訪ねてお客さんが来てるんやが・・車さんちゅう人やてぇ」

おふみ「車さん・・?寅さんよっ!ほらぁいつも話してる、寅さんよっ!」ワゴン車に乗り万関橋を渡る🚐💨…走り続ける車。実家まではずいぶん遠いようだ。

青海の里の美しい段々畑で終話に

嫁ぎ先である石垣で囲まれた古民家(対馬市峰町青海130辺り)その門先でひとり座り、到着を待っている寅さんの姿があった!

寅さん「よぉ元気そうだなぁ。遠いトコだなぁ、おい。船着場からずっと歩いて来ちゃったよぉ~ははは…」そんな馬鹿な。確実に倒れるよ夏場でこの距離はね!

おふみ「よく来てくれたぁ・・」うるうる・・涙を流しながら歓ぶおふみさん、所在なく困る亭主の誠。

門戸でズッコケそうになる寅さん

それを晴ればれとした表情で二人を祝した寅さんだった。きっと、また乙姫に「お・も・て・な・し」されて対馬で長逗留したことでしょうねぇ。

👏パチ👏パチ 

~終演~

どぶに落ちても根のある奴は
いつかは蓮の花と咲く

意地は張っても心の中じゃ
泣いているんだ兄ちゃんは

目方で男が売れるなら
こんな苦労も

こんな苦労もかけまいに
かけまいに

○マドンナ/松坂 慶子(1952年~)本名は、高内慶子。東京都大田区の出身。韓国人の父と日本人母との間に生まれる。🎬映画『夜の診察室』で本格映画デビュー!『青春の門』や本作『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』有名な『蒲田行進曲』など。ドラマ主題歌「愛の水中花」が大ヒットした!本作で日本アカデミー賞主演女優賞。

大映映画『夜の診察室』映画デビューした

○入場料1500円、上映時間104分。

▷リンク/『愛の水中花』(松坂慶子) 愛の水中花 - YouTube

▷リンク/『男はつらいよ浪花の恋の寅次郎』予告

〈余録〉蛇足解説始めま~す

さてさて。このドラマは『浦島太郎伝説』をモチーフにしているのは明らか(ハナからアバンでそう告げている)です。浦島寅次郎とふみ乙姫です。豊島から亀の船で着いた場所が、大阪はネオン✨チカチカ通天閣だった。

昔むかし浦島はぁ助けた亀に連れられてぇ♪

竜宮城で“飛び切りのおもてなし”されたのに、コソコソ逃げ出した浦島寅次郎は、あろう事か玉手函すら持たず逃亡した。それに怒った乙姫が、追いかけてきました。まるで安珍清姫のように。そして「ドカァ~ン!」とイカヅチを降す!うわぁ怖い話だなぁ・・ホンマやでこれなぁ・・

▽リリーの登場回、第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』どうぞ。

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男つら物語その本質とは・・?

~わかるヒトだけ解ればイイってハナシよ~

まず、日本には古代から続く『マレビト伝説』あり。マレビト(客人)は各地方ごとに様々なバリエーションがあり、一番有名な寓話は「かぐや姫伝説」月から来た宇宙人設定。ある時、なぜか月から地球にやってきて竹のカプセルホテルで過ごす。それを竹取の爺さんに発見される。スクスク急成長しやがて「婿取りに目覚める」のだ・・

(※お爺さんは山に柴刈りに来たのだから、得物はナタか。それで竹切ったら、かぐや姫も真っ二つ!・・子供の頃、そうおもたね!😂ひゃ)

続きまして「桃太郎電鉄」。違うやろ!ボンビ〜か!昔話 桃太郎伝説では、川で洗濯していた婆さんが「大きい桃」を発見👀しすくって持ち帰る。包丁でスパーンと真っ二つにする。なかから飛び出す桃太郎!恐ろしい速さでスクスクと成長し「鬼退治に目覚める」のだった・・

(※婆さんは川に洗濯なので、手洗い桶?洗濯板?これで川を流れてくる巨大桃キャッチは到底出来ない・・やはり、そうおもた!😂)

いずれも共通するのは『マレビトをもてなせばマレビトの「行動や言動」により、地域に住む人々に「生きる力や知恵」が授かって「災厄をも祓われる」といったもの』古代から日本人はマレビト霊力により「豊かで健やかな生活が延々続いてゆく」と信じ暮らしていました。

半年のおわり夏越の行事「茅の輪括り」

我々は正月や夏越に、ふらりやって来る「マレビトをおもてなし」します。それら風俗を単純に云えば『漂泊民(マレビト)と定住者(一般人)交流物語』なのです。コレが「男はつらいよ」裏コンセプトでしょうね。

(※マレビト(稀人・客人)は、ある時期(正月や夏越など)に他界から来訪する霊的な神々。この存在を定義する、折口信夫の思想でもある。「まれびと」が発する呪詞・寿詞が後に「文学」に、所作が「芸能」へ昇華した。日本人の信仰や観念を探る、キィワードとして重視されます)

(8800文字、Please enjoy “Tora-san's” movie!)  お題「ゆっくり見たい映画」