漱石先生の「月が綺麗ですね」こんな美しい日本語があるだろうか?
明治の文豪であり近代日本語を、創ったお方。日本近代文学の『言文一致体』と呼ばれる。たしか学校でそう習った。
有名な「月が綺麗ですね※1」流石です、漱石さん!名前「漱石」←コレは駄洒落か?いや反語なのか?よくわかんな~いケド、出来ることならば書いてみたい綴り方、ナンバーワン文体のヒトなのでありましたが。
でもこれ、ヤングメンの頃、むかしの話なのですよ。
その特長的なのは、短文をポンポン積み重ね、音の響きでメロディ、語尾変化でリズム感を作り、コード進行も平易な流れで編んでゆく。
だから気をつけないと簡単に、読み流れてしまう文体なのだな。まるで香具師の口上※2のようにね。まぁ、少なくともワタシは、そう感じたのだった。
なのだけれども…
「リズム感を真似したい!うぅっ、上手く出来ないよぉ」
そんな感じにもなりますねぇ。安易な猿真似厳禁!
一般的に文章とは→「何を、如何に、書くか」であるけれども、例えば漱石のあの有名な「草枕」はだうだ。ガッコで習って、誰もが知っている…ハズだよね。いや、有名な冒頭文だけか?そうだよ、そうだった。
では少し引用してみるよ。
『住みにくさが高 じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟 った時、詩が生れて、画 が出来る。人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣 りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容 て、束 の間 の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降 る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑 にし、人の心を豊かにするが故 に尊 とい。住みにくき世から、住みにくき煩 いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画 である。あるいは音楽と彫刻である。こまかに云 えば写さないでもよい。ただまのあたりに見れば、そこに詩も生き、歌も湧 く。』
<「草枕」のテーマ呈示のところ>
「月が綺麗ですね、那美さん」
作品「草枕」はこの世の芸術家(とりあえずブロガーも入れとこか)に対する応援歌であると、私は思う。
「み~んな悩んで、上手になった」
では、御機嫌よう。
▷参考/「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ、情に棹させば流される。」…美しい春の情景が美しい那美さんをめぐって展開され、非人情の世界より帰るのを忘れさせる。「唯一種の感じ美しい感じが読者の頭に残ればよい」という意図で書かれた漱石のロマンティシズムの極致を示す名篇。明治三十九年の作品。
※1 見出しの「月が綺麗ですね」について…生徒が“I love you”を「我君ヲ愛ス」と読んだ。漱石先生は「月が綺麗ですね、とでも訳しておけ」と言ったらしい。成程、いかにも夏目漱石が言いそうだが…どうも作り話っぽいのだ。真偽不明な逸話ですね。
※2 香具師の口上(バイ)とは…「やけのやんぱち日焼けの茄子、色が白くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たない …チャラチャラ流れるお茶の水、粋なねーちゃん立ちションベン、 とくらぁ!」渥美清演じるお馴染み「フーテンの寅さん」の名調子である。
▽実践/さて、お勧めな方法がある。名文は“音読”すると、より理解が深くなるものである。一度お試しを!渡辺さん流石ですね。
▽ブログについての考え方、語ってみました。参考に…なるかな?どやねん!
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